はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

最近のぴっかぴかコミックス

2005-02-02 23:57:17 | 藤子不二雄
 内容は、タイトルの通り。昨日、最新刊が発売されたし、昨年末に出た分も、ちょっと触れたい部分があったのだが、年末のゴタゴタで機会を逃してしまっていたので、この際まとめて書いておく。

 まずは、昨年末に出た「パーマン」第3巻。相変わらず全作品てんコミ未収録&最初の4話をカラーで収録という内容はよかったが、気になったのは、巻末に「特別まんが」として収録された「パー子という名の女の子」だ。このタイトルは白黒アニメの最終回Aパート(パー子が1号に正体を明かす話)と同じであり、白黒アニメを知っている人には紛らわしいが、内容はアニメ版とは関係が無く、FFランド版3巻に収録された「もう一つのパー子登場編」を改題したもの。ぴかコミでは他にパー子登場話はないので「もう一つの」では都合が悪かったのだろうが、わざわざ白黒アニメ版を想起させる「パー子という名の女の子」と付けてしまうのは、どうかと思った。
 もう一つ気になったのは、セリフの変更。これも「パー子という名の女の子」なのだが、65コマ目の「マスクの下は、いじわる顔でしょ」は、FFランドでは「パーマンじゃなくてクルクルパーマンだわ」だった。70コマ目も同様。この場合、内容的に変更は避けられなかったのかもしれないが、それならば無理にこの話を収録しなくてもよかったのではと思ってしまった。

 次に、今月発売の「バケルくん」だが、「パーマン」同様に丁寧でこだわりのある作りには好感が持てた。何と言っても、第1話の「おばけやしき」が、てんコミやFFランドのトレス版ではなくF先生のオリジナル原稿で、しかもカラーで読む事ができたのが嬉しい。単行本での描き足しコマが無くなり、前編最終コマと後編1コマ目が内容的にかぶってしまっているが、これも初出に忠実なためなのだから、まあいいだろう。単行本未収録作品からは「カワルがバケルに」1本が収録。少し前にNU38号でも再録されたが、きれいな印刷で読める点は、やはり大きい。
 また、細かいところでは、カバー裏の登場人物紹介で、本編では出てきていない「オボロ」や「トロン」の名をしっかり紹介していたのにも驚いた。これらのキャラ名は「別冊コロコロコミック」の企画ページで出てきただけのはずだ。ちなみに、この人物紹介で使われている絵は「おばけやしき」後編分の初出時扉で、当然ながら今まで単行本未収録。このような細かい配慮もうれしい。

 そして、ついに登場したA作品「忍者ハットリくん」。今回カラーで「小学一年生」掲載作品(最初の7話分)が収録されたことで、全作品の単行本収録も夢ではなくなった。「小一」版は全26話なので、ぴかコミで4巻まで出れば、全話収録されるだろう。ぜひ、そうして欲しい。しかし、「低学年向け」だったはずのぴかコミで、「小四」「小五」掲載作品を入れてしまったのは、どうかと思う。「小二」は他者の代筆だったので仕方がないが、せめて「小三」掲載作品から選ぶべきではないだろうか。それとも、ぴかコミ最終巻最終話として「小五」版最終話を収録するつもりなのだろうか。それならば歓迎なのだが。

 最後に、「ドラえもん」。てんコミ未収録作品の数が、6巻では3話、7巻では2話と、確実に減ってきている。これは何か狙いがあるのではないかと思っていたら、小学館の3月の新刊で、「ドラえもん カラー作品集」5巻と、「ドラえもん プラス」1巻の発行が発表された。「プラス」は、「ぼくドラ」でもアナウンスされていたてんコミの続刊だろう。これに、「ぼくドラ」の付録に掲載された作品だけでなく、全くの初収録作品を混ぜるのだと思う。カバーイラストや装丁なども含め、気になる本だ。まあ、個人的に楽しみなのは、初期作品が入るらしい「カラー作品集」5巻の方なのだが。

 以上、最近のぴかコミについて。発売前は全くノーマークだったぴかコミだが、今では毎月初めが待ち遠しくて仕方がない。Aランドは未読作品が全て出てしまったので、藤子関係の定期的な出版物では、これを一番の楽しみにしている。ただ、「パーマン」の項でも触れたが、セリフの改変だけは、いただけない。「ドラえもん」の「魔女っ子しずちゃん」でも重要なセリフが改竄されていた。これさえ無ければ100点満点をあげたい位なのだが、現状では80点と言ったところだろうか。