「はとちゃんの、お見送り」その３

はとちゃんは、私の肩から
てこでも離れません。

立ち上がって、物を取りに行っても
まったく動きません。
「はとちゃん、そろそろ
帰りますよ」
というと、怖い目で私を見ます。

晴れている日は、いいのですが
曇りの日は、はやく暗くなってしまいます。

私が帰ってしまい、ひとりぼっちが
いやなのです。
その気持ちが分かりますので
なかなか帰ることが出来ません。

「はとちゃんの、お見送り」その２

はとちゃんは、急いで
デスクに座っている、私の肩に
飛び降りてきます。

「帰っちゃあ、だめ」
と、いう雰囲気です。

「はとちゃん、はとちゃん」
と、はとちゃんに呼びかけると
はとちゃんは、首の後ろに
かくれてしまいます。

「困ったなあ」
と、思いながらしばらく
はとちゃんの、お相手をしながら
ゆっくり帰り支度をすることになります。

「はとちゃんの、お見送り」

はとちゃんの、朝の、お出迎えは
熱烈歓迎です。

これと正反対なのが、お見送りです。
絶対阻止という、雰囲気がありありです。

そうは言っても、あまり遅くまでは
いられません。
部屋が暗くなってしまいます。
そうすると、はとちゃんは
動けなくなってしまいます。

日が傾いてくると、帰り支度に
かかります。
そうすると、はとちゃんは
そのことに気づきます。

それまで、棚の上で、のんびり
休んでいたのに、
「あれっ、帰るのかな？」
と、さっそく私の肩の上に
降りてきて、動かなくなります。

「はとちゃんの昼寝」

ゴールデンウイークのように
休みが続きますと、私の出入りが減ります。

そのことが、はとちゃんにもわかるようです。

いつもよりリラックスしています。
いつものように、棚の上から私を
見下ろしています。

「なんか、視線を感じないな」
と、棚を見上げると、はとちゃんがいません。

玄関の靴箱の上にある、巣にも
見当たりません。

「あれどこにいるのかな？」
と、思って立ち上がると、
はとちゃんは、棚の奥で
壁にもたれかかって
昼寝をしていました。