「はとちゃんの最初のたまご」その８

はとちゃんは、落ち込むことも
ありませんでした。

また日常の生活が戻ってきました。
ただ、靴箱の上にある巣を
とても気に入りました。

朝の出迎えも、巣のふちにとまって
するようになりました。

「はとちゃん、おはよう」
と、あいさつをすると巣の中に
はいって、「くるっく、くるっく、くるっく」
と、あいさつをしてくれます。

「はとちゃんの最初のたまご」その７

「はとの先生」から
「はとは、春と秋の年2回
たまごをうみます」
と、うかがっていました。

それなので、
「今度は、半年後かな」
と、思っていました。

「はとちゃん、靴箱の上に
巣を作ったからね」
と、教えました。

はとちゃんは、さっそく靴箱の
上にある、巣のふちにとまって
ご機嫌にしていました。

「はとちゃんの最初のたまご」

床に落ちて、割れてしまった
たまごを見ながら、はとちゃんに
心から謝りました。

「はとちゃん、ごめん、ごめん、ごめん」
はとちゃんは、きょとんと
していました。
でも、どことなく、悲しげでした。

靴箱の上で、生んだたまごが
落ちて割れてしまったので
今度は窓枠でと思ったのでしょう。

今度は、いつ生むか分かりませんが
すぐに、靴箱の上に囲いをして
巣を作りました。

「はとちゃんの最初のたまご」その５

1個目のたまごをうんでから
2日後の朝でした。

マンションのドアーを開けても、
靴箱の上での、はとちゃんの
お出迎えがありません。

「あれ、どうしたのかな？」
はとちゃんは、奥の部屋の
窓枠に、うずくまっていました。

「ええっ、はとちゃん、もしかして
たまご？」
「はとちゃん、そのままにしていて」
どうしていいか分かりませんでした。

はとちゃんは、立ち上がってしまいました。

2個目の卵は、床に落ちて割れてしまいました。

「はとちゃんの最初のたまご」その４

はとちゃんが、2個目の、たまごを
2日後にうむとは、全く知識がありませんでした。

「今度生むときのために
どこに巣を作ろうかな」
と、のんびりかまえていました。

「最初にうんだのが、靴箱の上だったので
そこに囲いを作ろうかな」
と、ばくぜんと考えていました。

その時すぐに巣を作れば
よかったのに、本当にどうかしていました。

その結果、2日後の朝に
また悲劇が起こってしまいました。