「はとちゃんの、お出迎え」

はとちゃんの、お出迎えは
熱烈そのものです。

なんといっても、夕方に、マンションから
自宅に帰ってしまうものですから。

「帰らないで」
と、ひきとめる、はとちゃんに
「もうすぐ、暗くなっちゃうよ」
と、どうにか。言い聞かせて
帰っていきます。

朝、マンションのドアーを開けると
靴箱の上にある、巣の中で
「ぐるっく、ぐるっく、ぐるっく」
大きな声で、なきながら
走り回ってしまいます。

一晩じゅう、待っていた
母親が、帰ってきたような
熱烈歓迎ぶりです。

ここから、一日が始まります。

「さびしがりやのはとちゃん」その４「お見送り３」

お見送りするときに、肩の上に乗って
はとちゃんは、うごきません。

「はとちゃん、はとちゃん、はとちゃん」と
振り向くと、首の後ろにかくれてしまいます。

背をかがめても、背中にうつってしまいます。

「はとちゃん、おひるごはんだから
すぐ帰ってくるよ。」
やっとのことで、降りてくれました。

しかし、これが、用事で出かけて
遅く帰ってくると、はとちゃんは
怒ってしまいました。

「なんで、遅く帰ってきたの？」
まったく熱烈歓迎のふいんきではありません。
「はとちゃん、ごめん、ごめん」
ひらあやまりしました。

「さびしがりやのはとちゃん」その３「おみおくり２」

玄関で、お見送りしてくれる
はとちゃんは、私の肩に乗って
離れません。

背をかがめても、背中に
移動してしまいます。

「もうもうもう、困ったものです。」

はとちゃんは、ちょこっと昼ご飯に
行くときと、用事で長時間
出かける時との、違いが
分かるようになりました。

ちょこっと出かけるときは
「はとちゃん、おひるごはんだよ」
と、背をかがめると、とんっと
降りてくれるようになりました。

「さびしがりやの、はとちゃん」その2「お見送り」

はとちゃんは、私の肩の上で
てこでも動きません。

「はとちゃん、はとちゃん」
と、振り向きながら、話しかけると
はとちゃんは、肩から首の後ろに
移動して、かくれてしまいます。

「もう、もう、はとちゃんたら
えいやっ」
と前に背をかがめたら
はとちゃんは上手に背中に
移動してしまいます。

昼食ならまだしも、約束事が
あるときは、困ってしまいます。