はとちゃんは、もうパンが
まちどうしくてたまりません。
しかし、ひとりでは食べたくないのです。
私がパンを食べ始めると
はとちゃんは、反対方から
「ぱくぱく、ぱくぱく」
すごい勢いで食べ始めます。
ひとつのパンは、あっというまです。
ふたつのパンを食べ終わると
はとちゃんは、満足します。
つまり、まるまる、ひとつのパンを
食べてしまうのです。
「ああ、おいしかった」
そのあと、はとちゃんは
のどがかわくのか
水を「ごくごく、ごくごく」
のみほします。
はとちゃんは、私が昼食を
買いに行くことには、まったく無警戒に
なりました。
無警戒どころか、はやく買いに行って
ほしいのです。
「いつものパンをお願いします。」
はとちゃんは、私の総菜パン
と、同じものを、ぺろっと食べてしまいます。
もちろん、総菜部分は、あげません。
わたしと同じパンを食べたいのです。
はとちゃんとの、靴箱の上の
やりとりは10分以上つづきます。
はとちゃんの、朝の熱烈歓迎
への、お返しです。
これによって、はとちゃんとの
強い関係が、できあがりました。
はとちゃんの、夕方から
翌朝までの、おるすばんも
すこしづつ、不安が
解消されてきました。
はとちゃんの背中をなぜてあげると
「くうく、くうく、くうく」
小さな声で、ないています。
しばらく、なぜてあげていると
はとちゃんの声がきこえなくなりました。
なんと、目を閉じて寝てしまいました。
「やれ、やれ、やれ」
手を止めて、行こうとすると
「くうく、くうく、くうく」
と、またなきはじめました。
もっと、してほしい、ということです。