「はとちゃんの骨休め」

はとちゃんは、3週間の、たまごから
解放されました。

玄関の靴箱の上にある、巣には
まったく寄ることがなくなりました。

はとちゃんは、棚の上から、私を
見下ろしながら、骨休めをしています。

「やれ、やれ、やれ、今回は
疲れました」
とばかりに、棚の上で
寝そべっています。

時々、棚の上を見上げても
ほとんど反応はなく、うたたねをしています。

「はとちゃん、本当にご苦労様。
しばらく、ゆっくりしてください」
寝ている、はとちゃんに
そう呼びかけました。

「大役を果たした、はとちゃん」

はとちゃんは、21日間正確に
たまごをあたためました。
今回がはじめてのことになります。

21日間が過ぎると、はとちゃんは
すっかり巣を離れました。
それからは巣によることも
なくなりました。

「はとちゃん、たまごがかえらずに
ざんねんだったね」
と、慰めましたが、はとちゃんは
ケロッとしていました。

「残念だけど、つぎがありますから」
と、言っているようでした。

「はとちゃん、わかった
つぎがんばろうね」

はとちゃんに、いつもの日常生活が
戻りました。

「はとちゃんの体内時計」

はとちゃんが、巣の中で、たまごを
あたためるのははじめてです。

たまごを21日間あたためます。
本当に、これが正確に
守られるのかな、と、楽しみに
していました。

たまごをあたためるのに必死で
1日ぐらい、ずれることもあるかな？
と、思っていました。

ところが、これが本当だった
ことに、後で驚かされました。

「はとちゃんとの、お正月」

はとちゃんとの、お正月の思い出は
なんといっても、一緒に箱根駅伝を
テレビ観戦したことです。

私が何もしないで、箱根駅伝を
見ているので、はとちゃんは、私の肩に
のってきました。

「何を見てるの」
最初は、一緒に見ていたのですが
そのうち寝てしまいました。

しばらく寝た後、目を覚ますと
こんどは、後ろの窓枠に移りました。

窓枠には、お日様があたっていて
とてもあたたかです。

はとちゃんは、お日様にあたりながら
本格的にねてしまいました。