「はとちゃんの骨休め」

はとちゃんが、21日間たまごを
あたためるのははじめてです。

1回目は、残念なことに、巣を作って
いなかったので、2個とも床に落ちて
割れてしまいました。

今回、2回目が、はじめて巣の中で
あたためることになりました。

やはりとまどうこともあるようです。

毎日、2個のたまごをあたためるのは
本当につかれるようです。
一日中ほとんど同じ態勢であたためるのですから。

ときどき棚の上に飛んできて、私を
見下ろしています。

「わたしがなにもてつだってくれないのが
ふしぎなようです。」

ついに、私の肩の上に、飛び降りて
きました。

「はとちゃんとたまごの人生」その１４「たまごづかれの、はとちゃん」

はとちゃんは、21日間、たまごを
あたためます。
その間、5分と巣を離れることは
ありません。

食事以外の時間は、すにこもりっきり
ですので、さすがに疲れるようです。

突然、巣から棚の上を、行ったり来たり
飛び回ります。

「ああ、疲れた」
と言っているようで
「ばた、ばた、ばた」
すさまじい、翼の音です。

しばらく、飛びまわった後に
巣に戻って、たまごをあたためます。

「ああ、すっきりした」
という、表情をしています。

「はとちゃんとたまごの人生」その１３「はみだす、たまご」

はとちゃんは、2個の、たまごをひたすら
あたためつづけます。

食事以外、巣の中で、あたためているので
大変だと思います。

たまごが2個になると、より
大変なようです。

ときどき、巣を見ると、たまごが
1個、お腹からはみ出しています。

「はとちゃん、たまごがはみ出ているよ」
と、教えると

「やだ、やだ、やだ」
という、素振りで、すぐに
お腹の中に、しまいます。

これから21日間、あたためるのですから
「本当に、大変だと、はとちゃんは
えらいとおもいました。」

「はとちゃんとたまごの人生」その１２「２こめのたまご」

１こめのたまごから、2日後です
無事に２こめのたまごをうみました。

はとちゃんは、すっかり母親の顔
になって、たまごをあたためています。

食事のとき以外は、巣を離れることは
ありません。

私の肩の上に乗ってくることも
ありませんし、棚の上から
私をみおろすこともありません。

「はとちゃん、ごくろうさま、
がんばってあたためてくださいね。」

警戒しているので、巣に近づくこともできませんので
遠くから、エールを送っています。

「はとちゃんとたまごの人生」その１１「2回目の、たまご」

マンションのドアーを開けると、いつもは
玄関の靴箱の上にある、すのふちに乗って
出迎えてくれます。

でも、その日は、巣の中で、たまごを
守るようにして、私を警戒しながら
見ていました。

「はとちゃん、どうしたの？」
というと、はとちゃんは、胸の
すきまから、ひとつの、たまごを
見せてくれました。

「はとちゃん、たまごをうんだの」
それは、1回目の、たまごをうんでから
2か月後のことでした。

「へえ、2か月後に、たまごを
うむんだ」
不思議な気持ちになりました。