はとちゃんの思い出（７）一か月後の放鳥

一か月がたち、部屋の中で
飛ぶようになりました。

其の時は、リビングとキッチンの
間の、ガラス戸を閉めていました。

部屋が狭すぎたので、ガラス戸に
あたることがありました。

その時、なぜか
「はとちゃんは、外に帰りたいのでは
ないだろうか？」
と思ってしまいました。

家族から「元気になったら、外に
放したほうが、いいわよ」
と言われていたこともあり
迷っていた時でもありました。

「よし、一度放してみよう」
はとちゃんを公園に
連れていくことになりました。

「はとちゃんの大試練」
が、はじまりました。

はとちゃんの思い出（６）闘病生活、その３

はとちゃんは、1日一日、食欲も出てきて
元気になってきました。

けがした翼も、1センチづつ、あがって
きました。
もちろん、けがしてない、翼の様に
戻ることは、ありません。

数週間、たったころです。
かごの中を、のぞいていた時です。

「なんと、はとちゃんが、初めて
羽ばたきをしました」

「はとちゃん、やったね。はとに
戻ったんだね」
本当に、感激しました。

この時、「はとちゃんが、飛べるように
なること」を確信しました。

はとちゃんの思い出（５）闘病生活その２

はとちゃんは、一進一退の状態が
続きました。
食欲もありませんでした。

「痛みに、じっと耐えているような
感じでした。

5日ほど、たったころ、ふとかごの中を
見たとき、はとちゃんの、けがをした
翼が、床から1センチ浮いていました。

「はとちゃん、やったね！、これで
良くなるよ」
めのまえが、いっぺんに青空の様に
開けました。

「はとちゃん、よくたえたね。」

この日から、1日1日と、うすかわをはぐように
回復していきました。

はとちゃんの思い出（３）闘病生活

この日から、はとちゃんの
闘病生活がはじまりました。

大きなかごの中で、はとちゃんは
うずくまるように、じっと
動きませんでした。

ようやく、水と、えさを
少しづつ、取るようになりました。

しかし、けがをした方の翼は
床に垂れたまま、引きずったままでした。

「ああこれは、飛べるようには
ならないな、でも生きていればいい。
はとちゃん、なんとかしてあげるよ。」

絶望的な気持ちと、なんとかしてあげる
という、気持ちが交差する、日々を
ふたりで過ごすことになりました。

はとちゃんの思い出（２）

翌日の朝、かごの中をのぞくと
はとちゃんは、ぐったりと元気が
ありませんでしたが、生きていました。

さっそく、病院に連れて行きました。

「よかったですね。実は、他に深い
刺し傷がありました。そこは治療が
出来ないところでした。
もう、これで命は助かりました。
元気になるまで、しばらく時間が
かかります。元気になったら
放してあげてください」
と、先生に言われました。

「はとちゃんよかったね。命が
助かったよ。元気になろうね。」

この日から、はとちゃんとの12年間の
生活がはじまりました。