「はとちゃんの、長水浴び」

はとちゃんは、夏以外の季節では
短い水浴びで、切り上げてしまいます。

真夏は、そうはいきません。
しばらくたっても、洗面所から
出てきません。

「どうしたのかな」
と、思って、そうっと洗面所を
のぞきにいくと、はとちゃんは
めをつぶって、目を閉じていました。

人が温泉につかって目を閉じて
いるようです。

「ああ、いいあんばいだ。
気持ちいいなあ」
と、洗面器につかっているようです。

「真夏の水浴び」

梅雨が明けて、すっかり
真夏になりました。

はとちゃんは、水浴びが大好きです。
真夏には、週2回かならずします。

「あら、はとちゃんは
どこに行ったなのかな？」

探すと、はとちゃんは、暗い中
洗面所のふちにとまっています。

水浴びをするまで、梃子でも動きません。

洗面器に、水をためるのも
待ちきれないようです。

水がたまると同時に
「どっぼーん」
と、はとちゃんは、飛び込みます。
そうして、翼をばたつかせます。


「あわわわわ」
洗面所はみずびたしになりました。

「肩の上で寝込む、はとちゃん」

はとちゃんは、マウスに気づいて
下を
のぞきこんでいました。

「マウスをやらないの？」
といいながら、私がマウスを
操作するのを待っていました。

私は、また画面を、めちゃくちゃに
されるのがいやで、ただ画面を
見ていました。

「マウスをやらないんだ？」
と、はとちゃんは、あきらめました。

そのうち、なんとなく、肩が
重いな、と感じて、はとちゃんを
見たら、目をつぶって寝込んでいました。

「私に甘える、はとちゃん」

肩の上に飛び降りてきた
はとちゃんは「マウス」のことは
すっかり忘れていました。

わたしの頬を、しばらく
つつきました。
それから、私の後ろ髪に、もぐって
「くうく、くうく、くうく」ないていました。

それから耳の穴を、くちばしで
つつきました。

しばらくして、はとちゃんは
気づいたようです。

目の下に「マウス」がいたからです。
「マウスをやらないの？」
と、聞いてきました。