ぴょんと壁に乗った
はとちゃんは
「なあんだ、ここからは丸見えだ」
と、ほこらしげでした。
「はとちゃん、マウスの邪魔をしては
だめだよ」
と、言っても、はとちゃんは
どこ吹く風です。
「壁を2段にしようかな?」
2段にしても、すぐにぴょんと
飛び乗られてしまいます。
「どうしようかな?」
と、考え込んでしまいました。
はとちゃんから、マウスを守るため
ティッシュペーパーの箱を並べて
壁を設置しました。
「なんだ、なんだ、なんだ」
最初、はとちゃんは警戒して
壁をとうまきにしていました。
そのうちに、壁に近づいてきました。
「なあんだ、これは動かないぞ
なんでもないんだ」
まったく警戒しなくなりました。
しばらくしてから、はとちゃんは
ぴょんと、壁に乗ってしまいました。
はとちゃんは、無関心を装って
デスクの隅のほうにいます。
「じゃあ、だいじょうぶかな」
と、思ってマウスを操作し始めました。
しばらくたっても、はとちゃんは
近づいてきません。
「なんか、近づいてきたな」
と、感じましたが
はとちゃんを見ると、
そっぽを向いています。
「これならだいじょうぶ」
と、パソコンの画面を見ていました。
「いてててて」
突然、はとちゃんに、手の甲を
くちばしで、つままれてしまいました。
はとちゃんは、マウスに
全く興味を示しません。
しばらくそのままにしていると
はとちゃんは
「なあんだ、何もしないのか」
と、デスクの隅に、離れてしまいました。
これが、まったくのフェイントでした。
「これで、だいじょうぶかな」
と、マウスの操作を始めました。