「なんども、あまえる、はとちゃん。」

はとちゃんは、最近、私に
とても、あまえているようです。

靴箱の前に出てきて、
「ぐうぐ、ぐうぐ、ぐうぐ。」
私を呼びます。

パソコンを操作していたり、テレビを
見ていたりしながら、はとちゃん
の、ところにいかないと、行くまで呼び続けます。

はとちゃんの、背中を、なぜてあげると
「くうく、くうく。」小さな声で
なきながら、ひらぺったく、なってしまいます。

しばらくなぜて、戻っていると
また、ないて、私を呼びます。

午前と午後に、なんかいか、必ず
なぜたあげます。

テレビで、せっかくいいところなのに
じゃまをされてしまいます。

しかし、はとちゃんには、かないません。

なんか、マッサージの人に
なってしまったようです。

「ちょっと、しかと、してみようかしら？」
と、思っています。

「気分や、はとちゃん。」

いつもの、朝のように、靴箱の上を
そうじしながら、はとちゃんに
こぶしを見せて、戦いをしました。

最近、なかなか、くちばしで
すぐには、つついてきません。
まわりながら、ないてばかりです。

「はとちゃん、やらないの？」
と、なんどかいうと、
やっと、つついてきます。

そのあと、部屋に戻ろうとすると
大きな声で、なきながら、追いかけてきて
私の、肩に、飛び乗りました。

「あたっ、あたっ、あたっ。」
はとちゃんが、思い切り、首と頭をつついて
きました。

あまりに痛いので、
「こらっ。」
と、本気で怒って、背をかがめて
はとちゃんを、おろしました。

「ええっ、どうしたの？」
はとちゃんは、きょとんとして
私を、見つめています。

はとちゃんとしては、戦い（遊び）の
えんちょうだったようです。

私が、本気で怒ったのが
不思議だったようです。

こちらとしても、あまりに痛かったので
仕方ありません。

すぐに、この騒動は、おさまりました。

「たまごをうまなくなって、１８か月」

はとちゃんは、１昨年の６月を最後に
たまごをうんでいません。

それは、通算３６回目でした。
その翌月の７月に、大病を
発症してしまいました。

その年までは、毎年
６かい、たまごをうみ続けました。

７月以降は、たまごどころでは
なくなりました。
生死の、境目にいたと思います。

年末に、やっと治りましたが
すっかり体力を落としたと思います。

「もう、たまごは無理かもしれないな。」
という、思いが的中しました。

でも、それで、ほっともしています。

毎月、はとちゃんが、たまごを
あたためるのを、気遣いながら
世話をしていたのを、なつかしく
思っています。

はとちゃんは
「こんどこそは、ひなが
うまれるかも。」
と、願いながら、あたためていました。

「はとちゃん、あのころがなつかしいな。
また、もどりたい？」
「いいえ、けっこうです。
このまま、健康に、過ごしていきたいです。」

と、はとちゃんが、いっているように
おもえます。

「おおごえで、私をよぶ、はとちゃん」

はとちゃんは、水浴びを、したくなると
洗面所の、ふちにとまって
私をまちます。

「あれっ、はとちゃんは、どこに
いったのかな？」
と、洗面所を、見に行くと
はとちゃんが、ふちにとまって
私を待っています。

このあいだは、しばらく、気づかずにいました。

そうすると、はとちゃんは、
わたしのところに、飛んできました。

そうして、また、洗面所に
戻っていきました。

そのままにしていたところ
はとちゃんは、大きな声で
なきはじめました。

「なにしてるの？」
「まだ気づかないの？」
と、おこっているようでした。

「はとちゃん、ごめん、ごめん
ごめん」
洗面器を、もって、洗面所に
私が、とんでいきました。

はとちゃんは、洗面器に
水がたまるのを、待ちきれずに
飛び込んで、水浴びを、
はじめてしまいました。

「わっ、わっ、わっ。」
私の、ズボンは、あっという間に
びしょぬれになってしまいました。