「はとちゃんとたまごの人生」その６「頬をつつく、はとちゃん」

私はテレビを見ながら、知らず知らず
うたたねをしてしまいました。

頬をつつかれる感触がありましたが
「ああ、これは夢の中かな」
と思っていました。
でも、いつまでも続くので、目を開けると
目の前に、はとちゃんがいました。

「だいじょうぶ？」
という、顔をしながら、私を
見つめていました。

「はとちゃんだったの。起こしてくれて
ありがとう。」
はとちゃんは、安心した顔になりました。

私が起きると、さっそく肩の上に
飛び乗ってきました。

「はとちゃんとたまごの人生」その５「たまごの間の2か月」

「はとちゃんは、いつたまごを生むのだろう？」
私には全く分からず、待つしかありませんでした。

はとちゃんは、私の肩に乗ってきて
甘えてきます。
わたしの頬をつついたりします。

つぎに、もっともするのが
小さな声で
「ぐるっく、ぐるっく、ぐるっく」
なきながら、後ろ髪に、頭を
もぐりこませて、こすりつけてくることです。

「はとちゃん、近頃やけに、あまえてくるな」
と、思っていました。

「はとちゃんとたまごの人生」その４『はとちゃんの巣づくり」

2個目のたまごを割ってしまったので
どこに産むか分かりませんが、
靴箱の上に囲いを作り、タオルを敷いて
巣を作りました。

すると、翌日の巣の中をを見ると
レシートが1枚ありました。
「あれっ、何かの拍子で、ポケット
から取り出したのかな？」
と思いました。

さらに翌日の朝です。
巣の中を見ると、紙切れが何枚か
増えていました。

「はとちゃん、巣作りをしてるの？」
とてもうれしくなりました。

「次に、いつ生むか分かりませんが
今度こそ、たまごを温めようね。」
とてもたのしみになりました。

それが2か月後になるとは、まったく
分かりませんでした。

「はとちゃんとたまごの人生」その３「2個目のたまご」

「1個目のたまご」を割ってしまい
ショックでした。今後どうしたらいいのか
考えていました。

しかし2個のたまごをうむことは
全く考えていませんでした。

「1個目のたまご」から2日後でした。
マンションのドアーを開けると
はとちゃんが靴箱の上で「こうばこ」を
していました。

「はとちゃん、どうしたの？」
といったら、はとちゃんが立ち上がりました。

なんと「2個目のたまご」がありました。
「ええっ、また、たまご」
びっくりしてしまいました。

どうしたらいいのか、右往左往している間に
たまごが床に落ちてしまい
またしても割れてしまいました。