「はとちゃんの、お出迎え」その２

「ぐるっく、ぐるっく、ぐるっく」
はとちゃんは、巣の中をかけまわります。

ときどき、とまってわたしを見上げます。
私が何もしないで見ていると
またかけまわります。

はとちゃんんは、頭や背中を
なぜてもらいたいのです。

「はとちゃん、わかった、わかった
わかった」
頭の上に、手をかざしてあげると
はとちゃんは大喜びです。

頭をすごい勢いで、てのひらに
ぶつけてきます。

「すごごん」の、はじまりです。

「はとちゃんの、お出迎え」その１

はとちゃんの、お出迎えは熱烈です。

マンションのドアーを開けると
奥の部屋のたなのうえから
すっとんできます。

「遅いじゃないの、もう
明るくなってから、だいぶたつよ」

はとちゃんは、うれしくて、うれしくて
あたりを飛び回ります。

やっと、巣の中に落ち着いたらと
思ったら
「ぐるっく、ぐるっく、ぐるっく」
大きな声で、なきながら
巣の中をかけまります
にぎやかなこと、にぎやかなこと
はとちゃんは、とまりません。

「はとちゃんの、お見送り」その６

だんだん日没の時間が、せまってきて
薄暗くなってきました。

これ以上、遅くなると
暗くなってしまい、はとちゃんには
危険です。

そこで、意を決して、勢いよく
「えいっ」
と、思い切って、背をかがめました。

はとちゃんは、靴箱の上にある
巣に飛び降りました。
ちょっとびっくりした顔をしていました。

「はとちゃん、明日の朝来るから、
後ろ髪をひかれる思いで
マンションから帰りました。

「はとちゃんの、おみおくり」その５

「そうだ、前にかがめば
はとちゃんは、背中から飛ぶかも」
と思いながら、背をかがみました。

なんとなんと、はとちゃんは
うまくバランスを取りながら、
背中から、はなれません。

何回繰り返しても、はとちゃんは
そのままです。

「これは、困った。
どうしよう」
考え込んでしまいました。

「はとちゃんの、お見送り」

いよいよ、日没が
近づいてきました。

外が薄暗くなると
部屋の中は、真っ暗です。

「はとちゃん、さあ帰りますよ」
といいながら玄関に向かいます。

「はとちゃん、はとちゃん」
といいながら、はとちゃんを
見ると、はとちゃんは首の後ろに
かくれてしまいます。

「さあ、どうしようか」
考えてみましたが
いい案が浮かびません