「はとちゃんの、お見送り、その５」

はとちゃんが、あまりにさびしがって
お見送りをしてくれません。

そこで、早めに帰る支度をして
はとちゃんと、巣の中で遊ぶことにしました。

そうすれば、暗くなることを
心配しないですみます。

「はとちゃん、はとちゃん、はとちゃん」
と、巣のところから呼びかけると
やってきます。。

巣に入った、はとちゃんを、指先で
追いかけると、はとちゃんは大喜びです。

手を頭にかざすと
「すごごん」の連発です。
こうして、しばらく遊ぶことにしました。

「はとちゃんの、お見送り、その４」

「はとちゃん、もう帰るよ」
と、言っても、はとちゃんは
首の後ろに、かくれてしまい
出てきません。

そこで、腰をかがめて、
はとちゃんを、驚かそうとしましたが
はとちゃんは、腰の後ろのほうに
移動するだけで、私から
離れることはありません。

そこで、はとちゃんを、巣の中に
さそうことにしました。

しかし、はとちゃんは、出迎えの時
とは、違うのをわかっています。

「どうしたらいいのかな」」
思案に暮れてしまいました。

「はとちゃんの、お見送り、その３」

はとちゃんは、私の肩に乗って
てこでも動きません。

「はとちゃん、もう帰るよ」
と、はとちゃんを見ると
首の後ろにかくれてしまいます。

しばらくすると、反対の肩に
出てきます。

「はとちゃん、もう帰るよ」
というと、また首の後ろに
かくれてしまいます。

この繰り返しが続きます。
「はとちゃんは、本当に心配なんだな」

親と、慕ってくれる、はとちゃんが
本当の子供の様に、思えてきました。

「はとちゃんの、お見送り、その２」

はとちゃんは、暗くなると、動けなくなります。

マンションの中は、日没30分前には、
暗くなってしまいます。
そこで、1時間前には、
帰るようにしています。

帰り支度をする、私の肩に乗って
心配そうに、私を見ています。

「はとちゃん、また明日の朝、来るから」

はとちゃんは、心配でたまりません。
「本当に明日来るの。今日
帰らなくちゃいけないの？」

はとちゃんの気持ちも、よくわかります。
「はとちゃんしんぱいしないでいいよ」
このやりとりが、しばらく続きます。