「昼寝する、はとちゃん」

はとちゃんは、すっかり昼寝モードに
入っています。

体力の回復をはかっているようです。

私がパソコンのマウスを操作していると
早速やってきます。

以前ですと、操作する、手の甲を
くちばしでつついて、じゃまを
するのですが。

今回は
「なになになに」と言いながらやってきて
パソコンの前で、寝そべってしまいました。

「はとちゃん、マウスの操作ができないんだけど。
といっても、そのまま寝てしまいました。

「やれ、やれ、やれ」
です。

「飛び回る、はとちゃん」

すっかり元気になった
はとちゃんは、部屋の中を
飛び回っています。

玄関の靴箱の上にある巣から
リビングの棚の上を、往復します。

その翼の音は、びっくりするぐらい
大きなものです。

はとちゃんは、よく窓から
空をながめています。

「はとちゃん、外を飛んでみたい？」
と聞いてみると、ちょっと微妙な
表情をします。

「飛んでみたいけど、またカラスに
おそわれたら困るので」
はとちゃんは、この部屋にいるのが
いいようです。

「たまごに見向きしない、はとちゃん」

はとちゃんは、やっと前のように
元気になりました。

私の肩の上にも、たびたび
乗ってくるようになりました。

乗ってくると、頬をつついたり
後ろ髪に、頭をこすりつけてきます。

でも、たまごを生む前の様に
熱意のこもったものではありません。

はとちゃんが、玄関の靴箱の上にある
巣のふちに止まっていましたので
「はとちゃん、はとちゃん、はとちゃん」
といいながら、巣の中に、たまごを
おきました。

しかし、はとちゃんは、たまごを
見向きもしませんでした。

「はとちゃんの、お疲れモード」

はとちゃんは、いつもしていたように
私の肩に乗ってきません。

棚の上にいる、はとちゃんを見上げても
いつものように「なに、なに、なに？」
という反応がありません。

そこで最終手段です。
「はとちゃん、はとちゃん、はとちゃん」
と言いながら、手のひらで肩をたたきます。

はとちゃんは、やっと
「なあに？」と私を見ています。

よっこらしょ、言う感じで
肩の上に、飛び降りてきました。

しかし、わたしの頬をつついたり
後ろ髪に、頭をもぐらせたりはしません。

「はとちゃん、まだ、ぼうっとしている
みたいだね。そりゃそうだよね。
たいへんだったんだから」
はとちゃんは、肩から飛んで行ってしまいました。