私を、おこしてくれる、はとちゃん

巣を離れて
私の様子を
みにくる、はとちゃん。

はとちゃんは、たまごをあたためながら
私の様子を見ています。

ずいぶん離れているのに、ちょっと
したことにも、反応してきます。

ときどき、テレビを見ながら
うたたねをしてしまいます。

このことが、はとちゃんには
心配のようです。

私はテレビの前で、いすに座って
頭を下げて、すっかり寝込んでいます。

意識もなく寝込んでいると
ほほをつつかれているような
感じがします。

最初は、夢の中かと思いました。
しかし、つづけて、ほほを
つつかれます。
「あっ。はとちゃんだ。」
と、思いますが体が動きません。

おきよう、おきようとしますが、
昼寝とくゆうの感じで体が動きません。

はとちゃんは、つついても私が
動かないので、
「どうしたの？だいじょうぶ？」
と、心配しながら、さらにつついてきます。

やっとのことで、完全に眠りから覚めて
目を開けると、目の前に
心配そうに私のことを見ている
はとちゃんの、どあっぷの顔があります。

「はとちゃん、ごめん、ごめん。
つい、ねてしまったんだ。」
と、はとちゃんにあやまります。

「そう、よかった。ただ、
ねていたんだね。」
と、はとちゃんは、安心しながら
巣に戻っていきます。

これが、例外なく毎回ですから
本当に感心します。

はとちゃんも、目をつぶって
寝ていることはありますが
たぶん、ぐっすり寝込んでしまう
私の姿が不思議なのかもしれません。

こんなふうに、心配してくれる
はとちゃんを、私のほうも
不思議に思います。