一週目（１）

はとちゃんはかごの中を歩くようになりましたが、食欲もあまりなく
右目はつぶったままでした。そして、右の翼は３日経っても４日経っても
床を引きずったままでした。
「先生が言った様に翼を支える筋肉がすっかりやられてしまったのだろうか。
もしそうだとしたら、はとちゃんはこれからどうやって生きていったら
いいのだろうか。」
私は暗澹たる気持ちになりました。はとちゃんがたとえどうゆう状態になろうとも
面倒を見るつもりでいました。が、はとちゃんが飛べないと分かったとき
どう思うだろうか。
でも私は思いなおしました。いまは目も開けられないほど、痛みと闘っているんだ。先生だって１週間をめどにと云ってたじゃないか。
「かならず、はとちゃんは飛べるようになれる。」
私はその事を心から祈りました。