JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

そりゃダメだよ、エアコンの前で首振っても

2019年05月27日 | j-l

いやはや、後半とはいえまだ5月でっせ・・・・・
昨日なんて暑さのあまり、白髪頭の爺(私ね)が、白茶けた紺のTシャツに短パン姿で買い物に行ってしまいましたがね。
「こりぁ絶対に近づいちゃイカン変態オヤジじゃん!」
そうじゃなくたって変態っぽいのにねぇ
ともかく暑い、えっ?真夏日だったのかって?いえいえ26℃くらいだったんですけどね、それでも暑いんです。(キッパリ)
季節外れの暑さもとりあえずは今日までだそうですけど 「毛布かぶっていたあの時期が懐かしい」 人間とはげんきんなものです。

「えー、あなたの持ってる扇子、あぁそれそれ、それはどのくらいお使いになりますかな?」
「この扇子は十年くらい使います。」
「ほー、十年ねぇ・・で、どんなぐあいに?」
「半分、開きまして、最初五年使います。」
「ははあ」
「それがダメになったら、残りの半分を開いて、これを五年使いますな。するってぇと都合、十年」
「ふーん、しかし、どうも扇子の半開きというのはおもしろくないねぇ、あたしなら威勢よく全部開いちゃう」
「へえ」
「みんな開いて、扇子を動かすと、扇子の傷みが早いから、自分で首を振る」

ともかく、北海道では亡くなられた方もいらしたようですから、落語「しわい屋」きどって
「エアコン点けるなんざぁもったいねぇ」
なんて言わずに、ほんとのケチなら最初っからエアコンなんざぁ付けなきゃイイんだから、ある物は使いましょうや、エアコン点けずに首動かしたって涼しかぁありませんから(笑)

そんなところで、『料理当番、本日の一品』

暑いんでねぇ揚げ物は避けたかったんですが、「暑いからこそ」なんてね、トンカツを揚げました。ただし、ソースでは無く大葉と大根おろし、それにポン酢をかけてサッパリと

それに茗荷たっぷりの奴でございます。(ネギトロはおまけ)

さて、今日の一枚は、バーニー・ケッセルとステファン・グラッペリです。 私、ジャズ・バイオリンてぇのは滅多に聴かないんでありますが

昨日の午後、部屋でダラダラと本なんぞ読んでおりまして、BGMは他力本願でAmazon Musicの「カフェ・ジャズ」てなプレイリストを流しておりました。
するとこのアルバムの「It Don't Mean A Thing」がきこえてきまして
「おお、ステファン・グラッペリかぁ・・・・・」
一応このプレイリストを聴き終えた後、改めてこのアルバムを聴き直したと、そういうことです。

ステファン・グラッペリといえば、ジャンゴ・ラインハルトの相棒(今なら反町隆史てせすか。なんのこっちゃ)
このアルバムでも相手がケッセルとはいえジャンゴ色が漂ってまいります。(ただし、ケッセルがアコースティックを弾くことはありませんが)

何て言いましょうかねぇ、ジャンゴもそうですけどアメリカのジャズとは全く違った色気?が漂うんでありますねぇ
このアルバムを聴きながら
「ん~~~ちょっと暑さを和らげてくれたかな・・・・」
じつは夕方になって気温が下がっただけという・・・・でもエアコンの前で首を振るよりは効果があるように思えました。(笑)

LIMEHOUSE BLUES / BARNEY KESSEL, STEPHANE GRAPPELLI
1969年6月23.24日録音
BARNEY KESSEL, Nini Rosso[2](g)
STEPHANE GRAPPELLI(vln)
MICHEL GAUDRY(b)
JEAN-LOUIS VIALE(ds)

1.It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
2.Out Of Nowhere
3.Tea For Two
4.Limehouse Blues
5.How High The Moon
6.Willow Weep For Me
7.Little Star
8.Undecided


窓を開けてもブルースは見えず

2019年05月22日 | m-o

荒れ模様だった昨日から一転、穏やかな水曜日です。
これから一気に暑くなるんだそうで、皆様方には体調を崩されぬようご自愛下さい。

最近はどうにも聞くに堪えないようなニュースが多い中、沖縄工業高校2年の崎元颯馬さんと、埼玉県に住む医師の猪野屋博さんとのお財布紛失を巡るニュース・・・・・・
エエですねぇ、こんなニュースが毎日続けば「戦争で領土を取り戻す」てなこと言うアホの顔も見ずに済むんですがねぇ

さても、今日はお約束の「ジャズ話」第三弾でありますが、ここらでご注意を一つ。ここでの「ジャズ話」は、歳だけいっちょ前に取った未熟者の私が適当に語るお話でありますから鵜呑みにしてはいけません。
まともに、本気で知りたいてなお方は全て忘れ、地道に勉強なさる事をお勧めいたします。

では、「ブルース」ですか
「ブルース」ってなに?と問われて「これだ!」と正確に答えられる日本人、特に私あたりの年代から上の方はどれほどおられるでしょうか?(「ジャズ」ってなに?との問いにはもっと困りますが)

「「東京ブルース」「嘆きのブルース」「君忘れじのブルース」「忘れられないブルース」「遠い日のブルース」
それから、♪窓を開ければ 港が見える・・・♪「別れのブルース」ね、
そりぁアータ、ブルースと言えば、淡谷のり子でしょ」
(今の若い人にはチンプンカンプンですかね。)

もちろん淡谷先生の歌もええんですがね。イメージで日本に入り込んだ音楽の象徴みたいなもんですよね。
ともかく「○○ブルース」てな流行歌が一時期日本を席巻したのでありました。もちろんここでのジャズの要素としての「ブルース」はこれではありません。

そもそも、奴隷として過ごしたアメリカ黒人は、「ワークソング」を歌いながら過酷な労働をこなし、生きていくだけで精一杯であったはずです。しかし、人間それだけじゃ気が変になってしまいますよねぇ、まっ信仰に頼ったのもその表れではありますが、
『我が願望』『我がかなわぬ夢』『欲望』そういったものを自分に言い聞かせるように歌う、
これもまた一つの心のはけ口であり、救いであったのかも知れません。

そういった中から思いを込めた三行詩、つまり1行四小節、全部で12小節の歌詞が生まれます。
これをボソボソッと歌ってたんでしょうねぇ
「ほら、現実逃避する時妄想に耽ったりするでしょあれみたいな、え?しない?それは貴方が本当の地獄をまだ見ていないからだ!」
んなこたぁありませんか。

さて、この歌詞が乗っかったメロディーですけど、これがいわゆる「ブルース」?であります。 と、分かったように言ってますが、
「あたしゃ、音楽の授業で縦笛も吹けなかったんだら」
威張るこたぁありません。
そんな私が分かる程度で説明しますと

 ♪ドはドーナツのド レはレモンのレ ・・・・♪

「ドレミファソラシド」「C D E F G A B C」いわゆる西洋音階から考えた時、ブルース音階は、EとBが半音近く(けっこうアバウト)下がる音階です。つまり西洋音楽的に言うところの変ホ長調。
「何だ西洋音楽にあるんじゃん」
とおっしゃる貴方、ブルースが面白いのは「節がEとBアバウト半音下げ」なのに「調は半音下がらない。」つまりメロディは短調、コードは長調ってこと、そこが西洋音楽の変ホ長調と全く違う点なんであります。
さらにみなさんご存じの裏打ち、リズムも西洋音楽とは異なります。

まっ私の知る範囲での「ブルース」てぇのはこんなもんですかね。しかし、音楽は「理論よりどれくらい聴き込むか」でしょ、特に私みたいに楽器てな表現手段を全てあきらめた者にとってそれしかありませんからね。
録音に残っているものしか不可能ですが、皆様にも本物をぜひ数多くお聴きいただければと思います。

てなことで、懲りもせず『料理当番、本日の一品』をば

本当はカジキマグロでもあればと思ったのですが、行きつけのスーパーには無くサーモンで手を打ちました。(笑)サーモンソテイ手作りタルタル添えって、そんなたいそうな料理じゃござんせんよ。

それに新タマとアボカドの和風サラダを

さて、今日の一枚は、ジャッキー・マクリーンです。 先日から私、レーベルにちょっとしたいちゃもんを付けている感がありますですねぇ。
このアルバムは「スティープルチェイス」
1972年にデンマークのジャズ研究家ニールス・ウィンターが立ち上げたレーベルであります。そしてこのアルバムが記念すべき第一弾ということになります。
初アルバムがどうして「カフェ・モンマルトル」でのライブ盤だったのか? それはウィンターがここの常連で、毎日通い続け、そのうち録音機材を持ち込み・・・・・
つまりそこから「スティープルチェイス」が始まったから。

その第一弾は半ば引退状態であったマクリーンを引っ張り出し、「カフェ・モンマルトル」常演者ケニー・ドリューをあてがって私家盤として発売されました。
そして 「好評につき、もっと発売しちゃいまぁ~~す。」

てなことで、録音は今一つ(そりゃそうさねぇ、私が「ジャズ話」を語るよりはレベルがずっと上とはいえ、録音技師じゃ無いから) でも、マクリーンは水を得た魚のごとく楽しそうだし、ドリューもノットリます。
「ヨーロッパでのハード・バップ・リヴァイバルは、ここから始まった。」 のでありました。

LIVE AT MONTMARTRE / JACKIE McLEAN
1972年8月5日録音
JACKIE McLEAN(as) KENNY DREW(p) BO STIEF(b) ALEX RIEL(ds)

1.Smile 
2.Das Dat 
3.Parker's Mood 
4.Closing


オレのあん娘はカッケェ娘

2019年05月17日 | v-x

私がログをお休みしている間にも多くの著名人の悲報が届きました。
合わせてご冥福をお祈りいたしますが、

「チャコこと白石冬美です」

私の青春の一ページ「ナッチャコパック」の白石冬美さんもそのお一人です。
相方の(芸人じゃ無いか)野沢那智さんも9年前にお亡くなりになり、
「お二人語りは、完全に想い出となってしまったのかぁ」
とじつに寂しい思いです。(YouTubeで一部聞けますけどね) 令和の産声を聞かずに昭和の想い出が幾つ消えていったことか?

深夜放送と言えば、先日とある方の口から「気まぐれ飛行船」という無茶苦茶懐かしい番組名が飛び出てきました。
みなさん知ってますかねぇ?『スローなブギにしてくれ』の片岡義男さんがパーソナリティーを務めたFM番組でした。
そんでね、「ナッチャコ」の野沢那智が片岡さんだとすれば、「気まぐれ飛行船」でのチャコ役は安田南さん、そうかの名曲『プカプカ』のモデルとされるあの方です。

テーマ曲であったエタ・ベイカーのギター一本での「One Dime Blues」も懐かしいのではありますが、途中逃亡した安田南さんのイメージが印象に残ります。

安田南と言えば、6年前の雑誌『ジャズ批評174号』「伝説の女優=ジャズシンガー安田南と沖山秀子」という特集が組まれておりましたですねぇ
沖山秀子は・・・・って
今日は安田南でした。

ともかく『プカプカ』のモデルとなれば、その自由奔放さとぶっ飛び加減は私ら凡人には想像も出来ないほどであったと推察は出来るわけで
男なんてそりゃもう靴を履き替えるがごとく・・・・なんてね。

中学時代に北海道から家族で上京、ここで佐藤信に出会うんでありますが
高校卒業後、米軍キャンプやキャバレーで、本格的にジャズシンガーとして仕事を始め、並行して、俳優座養成所に入学。
結局ここも逃亡(笑)するけど、原田芳雄などの俳優や舞台関係者との交友が拡がり、その後の自由劇場や黒テントでの活動につながるんであります。
原田芳雄が『プカプカ』を歌ったのも・・・・

青山のジャズクラブ「ロブロイ」、あの安部譲二がやくざ稼業の傍らで経営していた店ですが、この時のママは遠藤瓔子でありますな。
ここで彼女は笠井紀美子とともに二枚看板として活躍してたんだそうで、二人が出演すれば店は満員。
初レコーディングもここでのライブ盤だったとか(もちろん私は持っておりません。)しかもバックは山本剛(p), 福井五十雄(b), 小原哲次郎(ds), 大友義雄(as)ってこりゃ凄い。

「ロブロイ」でのライヴでは、途中でタバコをまさにプカプカ(一日100本は吸ったんじゃないかっつう・・・現代じゃ世間の嫌われ者ですな。笑)、ビールをラッパ飲み。
歌詞や曲順を間違えることは日常茶飯事という始末だったそうですけど、それでも笠井紀美子と人気を二分する・・・・
どんなんだったんでしょうねぇ?ちっとばかり怖いけど覗いてみたような世界です。
ちなみ初アルバム「South」もYouTubeで一部聴くことは出来ます。

「・・・・つまり結局わたしにとって自分が唄う「場」などどうでもいいのだ、
とまずとりあえず言ってみることにする。
わたしは唄うことが好きなのだから。唄うことにしか興味はないのだから。
どんな「場」を与えられようと、わたしはわたしの「やり口」で唄うだけだ。」

結論、
「オレのあん娘はどれほどカッケェ娘だったか・・・・逢ってみたかったような逢いたくなかったような・・・・」

あれ?今日はなんの話でしたっけ?たしか「ナッチャコ」の・・・・まっいいか。(笑)

さて、今日の一枚は、ジョージ・ウォーリントンです。
彼のトリオ演奏を取り上げたのは初めてかもしれません。
やれウエストだイーストだ、黒人だ白人だとこだわる時代でもありませんので、そのあたりはあっちの方に置いておいて
ウォーリントンがバリバリのパウエル派だと・・・「ん?パウエル派?」これもまた時代錯誤か?
ともかく、トリオ演奏になるとジックリと彼のピアノを楽しめる事が出来ます。
バップを貫く姿勢は、コリア、キースとは明らかに違います。(けっこう前回、前々回を根に持ってる?)
ではパウエルと比べてどうなのか?
音が丸いですよねぇ・・・そこが彼の最も彼らしいところだと私は感じます。
音的にはナイトととは言えないかもね(笑)
私は「In A Sentimental Mood」なんかとても好きです。
「バブってね、とってもロマンチストなの」(なんのこっちゃ)

KNIGHT MUSIC / GEORGE WALLINGTON
1956年9月4,5日録音
GEORGE WALLINGTON(p) TEDDY KOTICK(b) NICK STABULAS(ds)

1.Godchild
2.Serendipity
3.Billie's Tune
4.The Ghostly Lover
5.Up Jumped The Devil
6.It's Alright With Me
7.The End Of A Love Affair
8.Will You Still Be Mine
9.In A Sentimental Mood
10.World Weary
11.One Night Of Love


よっ!大金星

2019年05月14日 | v-x

令和初の大相撲、夏場所も始まりましたが、今日5月14日は、かの大鵬そして千代の富士という二人の大横綱が引退した日なんだそうで
父の実家でばぁちゃんがテレビの前にちょこんと座って大鵬を必死に応援していた姿が思い出されます。
そういえば私の大相撲熱は最近ちっとも燃え上がっておりませんねぇ
「巨人、大鵬、卵焼き」の頃から「若・貴」あたりまではそこそこ興味を持っていたんですが・・・・
そもそも本場所が多すぎるようにも思ったりして
いやいや、相撲ファンにとってはそれにこしたこたぁないんでしょうけどね。

新大関貴景勝や何と言っても同じ福島県出身の若隆元若元春若隆景という三兄弟の頑張りやら、もっと私自身盛り上がっても良いはずなんですが・・・
一度消えかけたものは、そう簡単には燃え上がらないものです。
まっトランプさんのご機嫌取りより、白星、金星取りに関取は励んでいただきたいと思っとります。

そうそう金星と言えば、あの顔全体で大べそをかき、伸びた嵐の靴下を見せてくれたSNちゃんから
「女児を無事出産」
という大金星の知らせが入りました。
いやぁ嬉しいですねぇ、親戚の子供が生まれた、いや、まるで私の娘が子供を産んだみたいに勝手に思っております。
「えっ?だっていくらオレでも80才で20才の子は相手にできんだろう」
「そんなゲスな理由か~~い!!」

冗談はともかく、
「SNちゃん、よう頑張った!これから楽しい苦労を十分に味わってくれたまえ、本当におめでとう。・・・
あっそれから変な病気はうつさないからオッパイ臭いおめごちゃんをこのジジィに一度抱っこさせてはもらえんやろかねぇ」

懲りずに『料理当番、本日の一品』をば

日曜日は『母の日』でしたよね。
そこで午後のティータイムをプレゼントしました。

見た目はともかく、ホットケーキの素とリンゴの砂糖煮に手作り生クリームを使ってパパッと作ったわりには、
「変なケーキより量もあるし値段も安いし味もまぁまぁだし」
との高評価?をいただきました。(笑)

 

夕飯は、鯖の味噌煮と水菜の塩昆布和え、それと奴で済ませました。

さて、今日の一枚は、ケニー・ホイーラーです。
前回の「サナドゥ」を受けての「ECM」みたいな流れ?
前回はあえて、ハンコック、コリアと二人の名前を挙げましたが、キースに関しては以前お話ししたように「ケルンコンサート」を聴き過ぎて(高校バイト時代、お客さんのリクエストのせいです。)
「どうもねぇ」てな存在であり、
どちらかと言えば「サナドゥ」にハードバップを望んだ一人でしたから「ECM」というレーベルにもちょっとした反発心があったのでしょうねぇ、このアルバムも好んで聴いた記憶はありません。

改めて聴くと
「いかにも「ECM」っていうアルバムだなぁ」
との感想に変化はありませんが、反発心などは感じずに聴くことが出来ます。
でもねぇ・・・・やっぱ私はもっと土臭いジャズが好きかなぁ(笑)

GNU HIGH / KENNY WHEELER
1975年6月録音
KENNY WHEELER(flh) KEITH JARRETT(p) JACK DeJOHNETTE(ds)

1.Heyoke
2.Smatter
3.Gnu Suite


君はジャズなんか聴かない

2019年05月12日 | d-f

昨晩、家に帰ってビールを飲みながらなにげにテレビのスイッチをいれますてぇと、あいみょんさんが歌っておられまして
バブとあいみょん、何とも不釣り合いな組み合わせのようですが、もちろんファンとまではいかないんですよ、ただ、彼女の『君はロックなんか聴かない』てな曲がございますですよね。たぶん一昨年だったと思いますが聴きましてね。

 ♪・・・・
  君はロックなんか聴かないと思いながら   
  少しでも僕に近づいて欲しくて
  ロックなんか聴かないと思うけれども
  僕はこんな歌であんな歌で
  恋を乗り越えてきた・・・・♪
 

 

「なるほど、ロックをジャズに入れ替えれば、我が遠い昔のあの青春に・・・」 なんてね。(笑)

おっと、最初から脱線しました。 今日はお約束の「ジャズ話」であります。

1819年8月、新大陸に初めてアフリカから黒人奴隷が陸揚げされました。(あえて荷物のような表現ですが、事実同じ扱いであったでしょう。)
当然ながら彼らにアフリカの地で培った文化や習慣をそこで続けることは白人が許すわけもなく厳禁とされました。 しかし、身についたものを全て排除することはどう考えても不可能です。
ドラムをたたいたり踊ったりと言った具体的なことは出来なくとも、何気に発するかけ声や叫び、そこに彼らの文化が垣間見えるのも当然であります。

「HOLLER(ハラー)」を辞書で引くと「叫ぶ,どなる,大声で言う」。
「SHOUT(シャウト)」と何処が違うのかは英検100級の私には理解不能でありますが、ここでのハラーとは単に大声を上げるとか、狼の遠吠えのごとく叫び声を上げるとかとはちょっと違います。
キツイ仕事の途中でなんとなく出てしまう『叫び』『かけ声』そんな感じ?つまり自分を鼓舞するようなものだったのではないでしょうか。

仕事の合間の鼓舞となればもう一つの要素「WORK SONG(労働歌)」と同等のように感じますけど、「ハラーは自分自身に」「労働歌は集団全体で」という違いがあると私は思っています。
ともあれ、「ハラー」はやがてリズムと音階を得、自身だけでなく労働集団を鼓舞する音楽へと変化します。

それこそ朝から晩まで休みも無しに仕事を強いられ、生活は家畜のごとく生かさず殺さずてな毎日、「こんなブラック企業止めてやる!」当然そんなことも言えやしないんでありますから辛かったでありましょうなぁ そんな中であるからなおさらアフリカのリズムが蘇る、これは至極当然なように思えます。
ほら強いられた仕事をこなす時、思わず力を入れながら「○○のバカ野郎!××のクソ野郎!」と口にはしなくて心で叫ぶてなことあるでしょ、そして上司の目が届かない場では大きく声に出したり、あれがある意味「ハラー」ですかね。 そして『竹田の子守唄』のごとくいつしかメロディーを得る。

さらに労働の場に歌が欠かせなくなるのも世界共通でありまして、
♪お父ちゃんためならエンヤコラ・・・♪
「労働歌」は自然と彼らの仕事の中から生まれてきたのであります。

さて次は「ゴスペル」であります。 そういった人間として最低の扱い、いや人間以下家畜のごとくでありましょうか、そんな状態になるとこれもまた世界共通の人間心理が生まれてまいります。信仰ですな。 「神に救いを求め安らぎを得る」 キリスト教の福音(ゴスペル)にすがり改宗した彼らは神に彼ら独自の賛美をささげ自らに救いを求めたのでありました。

「ゴスペル・ミュージック」(ここではブラック・ゴスペルを意味しますが、ホワイト・ゴスペル、いわゆる「コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック」は省くこととします)根源は「メソジスト賛美歌」でありますですね。 無信仰者の私としては「賛美歌」に関してこれ以上ツッコむ気力もございませんが、ともかく白人と黒人が分離された環境下で、この「メソジスト賛美歌」もそれぞれの発展を見るのであります。

はてさて次は「マーチ」ですか? まっこれについては説明も不要でありましょうけど「行進曲」ですわな。起源はむろん西洋音楽に属すわけで、これが何故黒人社会に浸透していったのか?これに関してはお次の「ラグタイム」の関わりを説明せねばイカンのでしょうかね。

「ラグタイム」の基本は、「おもにピアノ演奏を中心に右手で黒人ルーツ音楽に基づいたメロディーを、左手で「マーチ」のリズムを刻む」これであります。 ただピアノが弾けてある程度音楽知識があってこその「ラグタイム」でありまして、創始者とされるスコット・ジョプリンにしても8才から音楽教育を受けてますしね。ジャズの基本でもある即興とは一線を画す音楽ではあります。しかるにジャズに対しては西洋音楽と黒人スピリッツの融合という点での影響音楽であったといったところだと思います。

と、今日はここまで、次回「ジャズ話」は、私が最も重要な根っ子だと考えている「ブルース」のお話しを

さて、今日の一枚は、ジョー・ファレルです。
お恥ずかしながらLPは何処かに消えてしまったアルバムです。ですから我が手にある音源はLPからMD、そしてCDからHDへというじつにまどろっこしいものとなっております。(笑)

たぶんですが、当時の私には変なこだわりがあったのでしょうね。
チック・コリア、ハービー・ハンコックに異常なまでの拒否感情をもっとりました。(そのくせ田園調布でV.S.O.P.のライブを心から楽しんでいたくせにね。笑) このアルバムもそんな拒否感情が私を遠ざけたんだと思います。
今こうして聴くと何の違和感も無く、メロディアスなその内容に快さすら感じたりして・・・・
「You Go to My Head」なんざぁ、バーで女の子クドク時のBGMなんかにピッタリじゃござんせんかねぇ。
ほんと若者はもっと素直じゃなきゃいけませんな。
「それはアンタが若者だった時だけかも」
「♪君はジャズなんか聴かないと思いながら・・・♪」
「ごまかすな!」
はい、そのとおり。
でもね、事実、ファレル、コリアと言えば「RETURN TO FOREVER」のイメージが強すぎるのか、いわゆるそのあたりのリスナーは「サナドゥ」というレーベルに顔を背けたのか?逆に「サナドゥ」にハード・バップを期待するリスナーはファレル、コリアという組み合わせに拒否権を発動したのか?それほど売れたアルバムではなかったと思いますよ、確か?

改めて言います。今聴くとじつによろしいアルバムだと・・・・反省。

SKATE BOARD PARK / JOE FARRELL
1979年録音
JOE FARRELL(ts) CHICK COREA(p,elp) BOB MAGNUSSON(b) LAWRENCE MARABLE(ds)

1.Skate Board Park
2.Cliche Romance
3.High Wier-"The Aerialist"
4.Speak Low
5.You Go to My Head
6.Bara-Bara