ガリバー通信

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「温故知新」

2009年01月15日 | テレビマスコミ
 昨夜のテレビを見ていて感じたことを「温故知新」というタイトルで考えてみたい。

 久米宏氏の司会による番組を垣間見ていると、あの元航空自衛隊幕僚長の田母神氏と今年の新成人の大学生が二十人ばかり出演していた。

 例の田母神氏は、「日本は自虐的な歴史、つまり戦勝国側から見た歴史観で育った過ち」についての持論を改めて主張していたのだが、周りの空気とは全く違和感があった。

 しかし、今年二十歳になった「新成人」たちに、日本の「戦争が終わったのは何時ですか?」と街頭ならびにスタジオで聞いたところ、なんと大半の若者が第二次世界大戦の終戦記念日である、「1945年、8月15日」を正確には答えられなかったのであった。

 ただ単に忘れたとか、覚えていなかったとか言った問題ではなく、全く関心もなく酷い答えでは「平成だったっけ」とか「182○年」とかいったとんでもないいい加減な回答まであったのである。

 社会科の試験に出るとか出ないとか、また日本史で教えてもらっていないとかいった話は論外なのだが、全く関心もなく考えたこともないといった感じの若者たちが多かったのである。

 別のチャンネルでは、私は観てはいないが、1968年の東大安田講堂の闘争とその結末についてのドキュメンタリー的フィルムやビデオとドラマ仕立ての番組が放映されていたのであった。

 いずれにせよ、今から約60数年前に敗戦という形で、日本の戦争は終わりを告げたのだが、いまだに最終的に全土が戦場と化した沖縄本島では、その時代の不発弾が出てきて、その撤去に莫大な税金や私費が必要だとのニュースも流れていた。

 私たち昭和の戦後の世代だけでなく、現代日本に生きる日本人として、イデオロギー的な発想や思想ではなく、現代日本の戦後の繁栄と戦争なき平和な時代が続いていることに対して、歴史的な背景と政治ならびに国民の努力と願望が、いろんな形で問われてきた結果としての現在であることを改めて確認すべきである気がする。

 というと、またいろんな方々の考え方と違う場合もあると思うが、これからの我々の生き方、生きる方向性を考える時に、第二次世界大戦の敗戦と共に、その後に誕生した「日本国憲法」の偉大さと尊さを知って、まさに「温故知新」の思いである。

 つまり、私たちは歴史に学び、真摯に歴史を反省することなくして、「古きをたずねて新しきを知ること」にならないのではないだろうか。

 いまだに戦前の日本軍の考え方や思想を受けついでいるとしか思えない「田母神氏」だけではなく、二十歳に限らないのだが、じっくりと古きに学ぶことをしない若者たちや「知らんわ」で済ませてしまう人たちが如何に多いことだろうと嘆きたくなるのである。

 改めて、「温故知新」という論語からの四字熟語だが、「子曰く、故きを温ねて、新しきを知らば、以って師と為る可し」は、現代に通じる大切な教訓である。

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