ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「うそかまことか」

2012年10月16日 | テレビマスコミ
 ノーベル医学生理学賞を受賞した、京大のiPS細胞の研究者である山中教授の功績と栄誉が日本国中に喜びの嵐のように爆発した直後に、何と東大特別研究員?と称する男が、このiPS細胞の臨床的手術を昨年に6例もアメリカで行ったと公言したのを、読売新聞がスクープ的特報として朝刊のトップで報じたことから大騒ぎとなった事件が、ほぼ全面的な「嘘」であったことが漸く判明した様である。


 そもそも、山中教授をはじめとするiPA細胞の研究は6年前に発表されて以来、地道な日夜の努力と数多くのマウスなどによる臨床実験などは経ているものの、まだ人体に直接関わる病気や症状に対する利用には至ってはいないのだが、それを人間の心臓移植に応用したなどという、一見画期的と思える臨床がなされたという戯言に、何故に大手新聞社が踊らされてしまったのか、その背景には新聞業界やマスコミ報道でのスクープ的報道を競う様な精神があったのではないだろうか。

 「相田みつお」の言葉にもある様に、「そんかとくかは人間のものさしだが、うそかまことかは仏さまのものさし」とある様に、よーく見つめて実際に起きたことなのかどうか、所謂裏を取るという取材をきっちりとしてさえいれば、テレビ報道に登場する御仁が自称研究者と称してはいるが、いい加減な怪しき人物であったことは一般の素人視聴者でも一目瞭然といった感じの事件であった。

 何故に、人間は騙されるのか、また嘘を見破ることが出来ないのか?

毎日報道されている新聞、テレビを中心とするマスコミ報道を垣間見ていると、ともかく他人を信じてしまって判らなかったとか、いつのまにかそういう言葉に騙されてしまったとかという、信じられない様なプロセスが多すぎるような気がしてならないのは、私だけではあるまい。

 先の相田みつお氏の言葉ではないが、人間は損得に振り回されている場合が誠に多いようだが、もうひとつはマインドコントロールと称される様な雰囲気の中で、気がつけばそうなっていたといったケースであり、振込め詐欺や多額の投資話で儲かるといった誘いにのったものなどである。

 今回の嘘を演出した輩は、いったい何が目的だったのだろうかと疑いたくもなるようなケースだが、山中伸弥教授のノーベル賞受賞にあやかって、自分もマスコミの寵児として取り上げてほしいと思った幼稚な名誉心からだったのだろうかとさえ思うのである。

 人間にはいろんな欲があって、特にお金持ちになりたいとか人から評価されたいとか、素朴な夢や関心が悪いとは言えないのだが、それにはそれなりのプロセスや努力、段階があってしかるべきであり、突然宝くじやひょうたんから駒といった感じの栄誉が得られるわけではないのだが、せっかちなのか短絡しているのか、ともかく自分の意のままに行かないケースで、身近な人を殺したりなぐったり、またはののしったりするケースが異常に増えている様に感じている。

 もっと人間の良さ、つまり正直に生きることを通じての多くの出会いや出来事を素直に喜ぶことの出来る感性を育むことが、今は一番大事な気がするのだが、日々の日常生活の中でささやかでも喜びや楽しみを感じる感性、つまり心が感動したり感激したり出来る出来事に遭遇した時に、感謝と生きてて良かったと思える自分でありたいと思うのである。

 たとえ、小さな嘘や本当?なのかと疑ったり迷ったりすることがあっても、感激する心、感性があれば他人が不快になったり、妬んだり攻撃したりしたくなる様子にはならないのではないかと自問自答しているのである。 

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