ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「日本」はニッポン!

2012年01月04日 | 感じたこと
 昨年に始まったわけではないのだが、東北地方を中心とする東日本大震災の被災者や被災地に対して、「がんばれ、ニッポン!」という支援の呼びかけ、義援金や寄付と共にボランティアによる救援活動や、アーチストやスポーツ選手などによるチャリティ活動を通じて、「元気、勇気、絆」などを確認したりエールとして送ろうとする日本人たちの思いは全国的に広がっているし、世界中からも「がんばれ日本!」という多くのエールや支援活動が続いている。

 未曾有の災害に対して、こんなにも多くの人たちやグループ、団体が「復興」に向けての支援を続けるという活動、すなわち日本人としての絆を確認しつつ、できることから始めようと冷静に落ち着きながら多種多様な行動や救援のアイデアを活かしている我々日本人たちに、欧米諸国をはじめとする諸外国の人々から、改めて驚きと感心の声が多く聞こえてきたのであった。

 そんな被災地と被災者に寄せる多くの思いがそれぞれに立ち上がって、多様な支援の活動が始まって数ヶ月経った昨年夏に、女子サッカーのワールドカップで、「なでしこジャパン」が奇跡的な優勝をもぎ取ったものだから、日本中で「なでしこ」ブームが巻き起こったのだが、男子サッカーの「ザック・ジャパン」もそうなのだが、何故に日本チームに対して「ジャパン」という英語を使用しなければならないのかと、少し疑問に感じることがあるのであった。

 確かにグローバルな世界観の中にあって、どんな言語で日本を語ろうが自由なのだが、敢えて「ジャパン」と英語の呼称を定着化させる必要は私はないのではないかと異論を少し唱えたい気持ちなのである。

 そもそも、「日本」の国名は、もともとは「やまと」だったのですが、和語「やまと」は、実に多彩な漢字表記がされていたらしいのですが、万葉集では、「倭」、「和」、「日本」という漢字表記に「やまと」の読みをあてていました。

 三世紀中頃と言われている女王卑弥呼で有名な邪馬台国についての中国のけ歴史書「魏志倭人伝」では、日本は「倭」という国名で呼ばれていたのですが、この「倭」という漢字は同音の別な漢字で「背が曲がって、たけの低い小人」という意味があり、中国の中華思想から見て、日本は周縁の国であるが、「倭」は蔑称として称されていた様なのです。

 そこで、その意味を知った当時の日本人たちが中国王朝からの屈辱的な漢字を国号とすることを次第に嫌うようになって、日本人は「倭」と同じ音で意味の良い漢字である「和」を国号とするようになったそうです。

 現在では「やまと」を「大和」と書きますが、757年(天平宝字元年)に、「和」に尊称の「大」をつけたもので、「やまと」と読ませ、その後「日本」を国号に使用する例が続日本書紀などにも登場し、徐々に「やまと」という読み方から離れて、幹事の訓読み近い「ニチ・ホン」「ニッポン」「ジッポン」と称されることも出てきて、漢音の「ジッポン」は、「ジャパン」の語源と関係があると考えられてもいます。

 マルコ・ポーロの口述を筆記したものといわれている「東方見聞録」(13世紀)では、日本のことを「ジパング」と紹介していますが、これは「ジッポン国」の変化したものとも推定されている様です。

 漢字音での「日本」の読み方は呉音では「ニッポン」ですが、後に「ニホン」という語形も現れ「ニッポン」と「ニホン」の両形が並立するようになった様です。

 17世紀初期の「日葡辞書」では、Nfon、ニホン、日本。とNippon、ニッポン、日本、そしてFino moto、ひのもと、日の本も記載されていたようです。

 聖徳太子(6世紀後半)が遣隋使に持たせた国書には、日本のことを「日出処」と称していることが、随書(656年)に記録されていて、これは「日の本」と同様に、「日本」の美称であり、日の本は大和の国の枕詞でもあった様です。

 万葉集、源氏物語、枕草子などに記されている日本は、「ひのもと」と称されていますが、長い日本の歴史の変遷の末、明治22年に制定された「大日本帝国憲法」では、ニッポンが正式な読み方としての国名とされ、戦後の「日本国憲法」では「日本」の読み方を日本政府は「ニッポン」でも「ニホン」ともどちらにも定めていないのが現状なのですが、一般的には「ニッポン」よりも「ニホン」の方が比較的良く使用されていると言った印象もあります。

 しかし、敢えて「ニッポン」という響きや発音の元気さが感じられるために、特にスポーツ関連の応援とかには「ニッポン・チャチャチャ」と言う風な国際的大会での声援が多く、「ニホン、チャチャチャ」では、すっきりリズムに乗れない感じで、「ニッポン・チャチャチャ!」に軍配が上がりそうです。

 とにかく、「ジャパン」という英語表記や発音ではなく、日本人としての母国の「国名」を「ニッポン」として語ったり、応援したいと考えています。

 「がんばれ、ニッポン!」。
コメント
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