ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

雇用悪化で自殺者増加。

2010年05月13日 | 日本の課題
 今夕の毎日新聞の一面トップ記事の見出しは「失業で自殺65%増」であり、12年連続で全国の統計上の自殺者総数が3万人を超えている現実が厳しく悲しいのはもとよりだが、失業を原因の一因とする二十代、三十代の自殺者が急増しているという現実に、心が痛むのだが、国や行政の対策はほとんど見えない。

 先日も京都市内へ仕事で出向く際に伏見ハローワークの前を車で通ったのだが、老若男女の仕事を求める人たちでごった返していて、道路にまで人があふれていたし、帰りに通った宇治のハローワークも駐車場が満車の看板を持って警備員が出入りの人々の整理を行っていた。

 一昨年のリーマンショックと一般的に言われている国際経済のショックから一年半以上経過したが、一向に日本社会の雇用状況の改善は思わしくなく、昨年の完全失業率も5.1%と6年ぶりに5%台に悪化していて、有効求人倍率も何と0.47%という最悪の状況だという。

 私が知りうる知人、友人の中でも中高年齢の失業者も含め、なかなか仕事が見つからないと、日々の暮らしの支えにとアルバイトしかないと頑張っている人が数人いる。

 中には30代の男性もいて、正規雇用での社員としての雇用が見つからなければ、結婚もしたいが出来ないと嘆いている者もいて、全国的な実際の雇用悪化状況は、統計上の数値を上回っていると思われる悲惨な状況が続いている。

 そんな中で、発表された昨年2009年度の自殺者の動機として「失業」が含まれる人が前年からの七割増しの一千人を超えていることが判明したのだが、警察庁の推察での数値なのだが、景気後退による雇用状況の悪化が自殺の理由になったケースが増加している実態が明らかになったのである。

 原因、動機に「生活苦」が含まれる自殺者の数も前年よりより34%も増加しており、人口10万人に対する自殺者の人数で示す「自殺率」の推移においては、全体的には25.8とほぼ横ばいなのだが、年代別では20代が24.1、30代が26.2で過去最大であったらしい。

 こうした統計上の数値だけで全てを語るのは困難な面があることは承知してはいるが、自殺の原因、動機に関する現行の分類を採用した2007年度から、健康問題、経済・生活問題など7つの区分と細分化した「失業」「生活苦」「うつ病」「倒産」「職場の人間関係」「失恋」「いじめ」などがあり、警察官が三つまで選んだ結果としての統計なのだそうである。

 いずれにせよ、毎年3万人以上の人間が自殺する国、ニッポンで、失業や生活苦などの経済環境の悪化で自殺が増えている現実は、到底先進国や経済大国とは言えないお粗末な社会であり、政府のならず多くの自殺対策事業やカウンセリングやケア、サポートが必要な非常事態であることは間違いない。
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