ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「いのちの山河」上映会

2010年05月11日 | 地域の話題
 「豪雪、貧困、多病」という、全国的にも多数の社会的問題を抱えていた、山間の小さな村である「岩手県・沢内村」が、全国に先駆けて、幼児と老人の医療費の無料化を開始したというニュースが伝わってから、全国各地の地方自治体でも、住民の「いのちと健康を守る」ための行政としての自主的サービスが徐々に始まったのですが、この画期的な施策を始めた、当時の深沢村長の半生を描いた「映画・いのちの山河・日本の青空Ⅱ」がわが町、京田辺でも来る5月30日に上映される。

 深沢氏は青年期の大半を海外で暮らして、多くの夢を追い続けて辛酸をなめた多くの経験から、人生の後半は故郷の村に戻って、村と村人たちのために奔走し、適材適所に人を配置して、巧みに人材を育てて、皆で力を合わせて困難を乗り越えれば幸せになれると、教育長、村長として村民に自信と希望を与えました。

 つまり、深沢氏は勇気ある行動で日本で最初の医療保険体制の改革を行ったと言っても過言ではない有言実行者だったのです。

 強い信念と熱い気持ちを持って、貧しかった一つの村に力の渦が巻き起こり、どんどんと変わって行き、多くの人を動かし幸せに導いた「革命家」のようでした。

 「生命村長」と呼ばれた、当時の深沢村長は、「人間を尊重するということは、人間の生命と健康を尊重することに始まる」という信念で、生存権を既定した、日本国憲法第25条の精神を盾に、乳幼児と老人医療費の無料化に踏み切り、全国初の乳児死亡率ゼロを達成したのです。

 当時の岩手県、沢内村は現在は合併で西和賀町となっていますが、この村の取り組とは逆行している後期高齢者医療制度や格差社会、ワーキングプア、戦争、貧困、孤立、自殺、少子化になどにも大きなテンションを与える行政施策を、なんと1950年代後半からはじめていた小さな地域の物語なのです。

 現代の様々な「いのち」の問題を考える時に、いま一度、憲法25条の精神、つまり、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」を問い質さねばならないのではないでしょうか。

 一人ひとりの「いのち」と平和を守ることは、まさに人間の生きるための車の両輪と言ってもいいのでしょう。

 この映画は、どん底に喘いでいた小さな山間の村、沢内村の人々が力を合わせて大きな苦難に立ち向かい、打開していく姿を忠実に描いていて、憲法25条の具体化のための施策をクローズアップし、人間の命の大切さを訴え、現代から未来へ希望を見出せる社会づくりを目指すものです。

 監督、大澤豊、脚本、宮負秀夫、企画・製作は、前作青空と同様で小室プロデューサー、原作「村長ありき」(及川和男著/れんが書房新社)と「沢内村奮闘記(あけび書房)。

  「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」

 2010年5月30日(日)①10時、②1時、③4時の三回上映、京田辺市立中公民館ホールにて、「上映協力券・前売一般1200円、高校生800円
 
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