ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

破れかぶれ解散!

2009年07月21日 | 日本の課題
 やっとこさの解散である。

 昨年9月に頓挫した前首相の安部晋三氏の後を受けて、選挙管理内閣と称された自民党総裁の麻生太郎氏が首相となって以来、「解散、総選挙」を要請する民主党をはじめとする野党の攻勢だけでなく、自民党内での「麻生おろし」が吹く中で、ほとんど衆議院の任期満了直前の解散となった。

 あの若さと甘さで「お坊ちゃま宰相」と言われていた麻生太郎氏も、髪も少なくなり皺も増え、苦虫つぶしたような顔立ちで、今日の両院議員懇談会に出席し、その後、河野衆議院議長が「解散証書」を読み上げ、何故か「万歳、万歳」で、総選挙へと気勢をあげた。

 何と言っても、国民、有権者のことを考えての「解散、総選挙」というには、あまりにも勝手すぎる、自民党内部の権力闘争と自分の議員としての地位を如何に繋ぎとめられるかしか考えていない「先生方」の烏合の衆としか思えない「解散シーン」であった。

 今期をもって国会議員を引退すると決意していた、小泉元首相や河野衆議院議長、津島派会長などにとっては、晴れて「卒業」の待ち遠しかった日がやっと来たという感じであった。

 早速、各テレビ局や新聞各紙は、来月18日公示、8月30日投開票の衆議院選挙の前哨戦の幕が切って落とされたとして、立候補予定者や各政党の幹事長、党首などの、今回の選挙戦でのテーマやマニフェスト、政策、目標議席数などをインタビューしているが、国民の多くは「やっとこさの解散、総選挙」に少しはうんざりしているのである。

 「オオカミ少年」よろしく、幾度となく「しかる時に私の決断で解散する」と言い続けてきた麻生太郎首相が、あの満面の笑みが消えて、疲れ果てた老人の顔になって、「一致団結して戦う」とコメントしていることに違和感すら感じたのである。

 しかし、麻生おろしの急先鋒とも見られていた中川元幹事長や加藤の乱と称された時の人ともなった加藤元幹事長らの麻生批判は、何故か急に収まってしまい、麻生首相と握手するというパフォーマンスまで演出しても、なんら自民党の「一致団結」なんて伝わってこないのだ。

 一方の民主党も、「早期解散」を主張し続けていたが、やっと解散、総選挙に対して、いまだ「政権担当能力」がありやなしやと吹聴されている始末で、まだまだ「一枚岩」とはいえない、「寄り合い世帯」丸出しの実態のままである。

 公明党の「生活を守る」も、社民党の「平和憲法遵守」も、共産党の「政治の中身を変える」も、全く新鮮味のない前宣伝であり、一体この国の将来を誰に、任せばいいのやらと言ったところが、ほとんどの有権者の偽らざる心境ではないだろうか。

 でも、衆議院は解散されて、40日後には、小選挙区の候補者と比例代表での政党を選ぶ、国民の権利と義務を慎重に考えて実行しなければ、この国の将来を期待することは出来ないのである。

 今回の「解散、総選挙」は、麻生首相による「破れかぶれ解散」としかいい様がない。

 
コメント (1)
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