ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

『モンゴル』に拘って。

2009年07月09日 | ガリバー旅行記
 夏が近づくにつれて、私も「今年の夏休み」は、どこへ行こうかと思う季節となった。

 毎年の様に「モンゴルツアー」と称して、中国・内モンゴルへの旅を縁あって続けてきたけれど、昨年は中国北京オリンピックの騒動を避けて、久しぶりの一人旅で、念願のネパール、インドへと旅立った。

 今年はといえば、内モンゴルからの留学生B君と共に、日本人のルーツでもあると思っている「モンゴル族」が世界で一番多く住んでいる「中国・南モンゴル」から、あの朝青龍たちモンゴル人力士たちの出身地として名高き「モンゴル共和国」、そして、地球の臍と教わった、旧ソビエト連邦、現ロシア連邦のバイカル湖の周辺に住む「ブリヤート」と称されるモンゴル族を訪ねる旅を計画中である。

 ここ一週間の世界的なニュースは、先進国首脳会議というサミットがイタリアで開催されていることよりも、中国の北西部に位置する「親共ウイグル自治区」で起きた漢族とウイグル族との騒乱ではないだろうか。

 中国政府はウイグル族の暴動と称して、警察、軍を総動員して「鎮圧」にあっているというが、報道規制や事実認識の相違から、なかなかその真相が伝わってはこない。

 しかし、前にも述べたが、昨年春の中国チベット自治区周辺で起きた「チベット族の反乱」と同じく、歴史的にも長く、中国に併合統治されてきた「異民族の反乱」と言って過言ではないと思われるのである。

 チベット、ウイグルについで、この種の民族自決の火種がくすぶっているのが、モンゴル族ではないだろうか。

 日本人にはあまり知られてはいないのだが、ジンギスハーンの時代からユーラシア大陸を騎馬民族として縦横無尽に行き来していた「遊牧の民」である、蒙古族なのだが、近世になって、各地域の政治権力によって分断され、現在は主に先ほど記した「中国北部の南モンゴル」と、その北部に位置し長年ソビエト連邦の政治的、経済的支配下にあった「北モンゴル」、すなわちモンゴル共和国と、いまだロシア連邦のはずれに位置する「ブリヤート」モンゴル族に分断されているのである。

 ひとつの民族が全世界に自由に散らばっている例としては、中国人、韓国、朝鮮人、ユダヤ人など多種多様だが、自分たちの民族的自決が叶えられていない民族としては、モンゴル族も人口の多い民族である。

 ソビエトけ連邦の崩壊で、北モンゴル、すなわち「モンゴル共和国」は、独立を達成できたわけだが、いまだ「南モンゴル地域」である、中国・モンゴル自治区などは他民族支配の下で、民族自決権を剥奪されているのである。

 言うまでもないが、チベット族、ウイグル族をはじめ、中国の54を数える小数民族は、全て民族的自決を願っていると言っても過言ではないと思われる。

 中国の「漢族」による長年の政治的、経済的支配が、多くの差別や人権侵害とも言える問題を生じていて、言われなき「政治犯」として中国当局から「拘束」されている人が多くいるという。

 中国も故錦濤首席の指導の下、経済的開放だけでなく、民族的解放を果たさねば、国際的大国としてのリーダーシップは取れないのではないだろうか。
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