ガリバー通信

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「誰も守ってくれない」

2009年02月08日 | テレビマスコミ
 今日大阪に母を訪ねて出かけたついでに、今年初めて劇場で映画を観ようと思い、偶然君塚良一監督作品、「誰も守ってくれない」を観た。

 佐藤浩市と志田未来が主演で、幼児殺人事件の容疑者の兄の逮捕から、それまでの平穏な日々がなくなり、「容疑者家族を守る」使命を帯びた刑事と共に、身を隠すように行動する、一人の15歳の女子高校生の物語であった。

 主役の少女を演ずる志田未来さんは、確かテレビドラマでも妊娠した14歳の少女役を演じて話題となった若き女優さんだと思うが、非常に複雑な設定でもある、殺人容疑者の妹役を見事に演じていた。

 佐藤浩市さんが演ずる中年男は、刑事として過去に責任を問われた前歴を持ち、プライベートでは同じ年頃の娘を持ち、妻との家庭崩壊の危機を迎え家族旅行を計画していたのに、仕事に没頭せざるを得ない状況になるという、見ごたえのある邦画となっていて、モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を受賞したらしい。

 実は、警察沙汰にもならなく刑法上で問われる事件ではないが、私が市議会議員をしていた10年近く前に、「暴力」という名の汚名を着せられ、数年間は針のムシロとでも言うべき犯罪者のように扱われたことがあった。

 ちょっとした行き違いから相手に当たった膝頭が、とんでもない「暴力」として問題にされ、「議員辞職勧告決議」に至り、全く弁解、弁明の機会もなく、一方的に「悪者」として、マスコミ、市民に晒されるという事態に至ってしまった。

 私は私自身の責任を痛感し最大限の謝罪と自粛や反省を行って、半年後に議員としての仕事のひとつである「一般質問」に立とうとしたら議員が議席から出て行くという抗議をされ、質問が行えなくなったこともあった。

 私自身は多様な誹謗と中傷で苦しめられたが、直接関係のない家人にまで、電話や葉書での嫌がらせや「町から出て行け!」などという脅迫めいた文まで送付されたり、メールでの批判、中傷も続いた。

 何処の誰だかわからない匿名のままで、こうしたメール、葉書、電話が私の家庭に忍び寄ってきて、「嫌な気分」に陥れられたのであった。

 新聞紙上でも一方的に「膝蹴り議員」などと書かれ、週刊誌の取材申し込みまであったが、テレビの取材記者などは、先入観や記事内容とは違った印象を感じて丁寧に感想を述べて帰って行かれた人もいた。

 いずれにせよ、一方的な誹謗、中傷が付和雷同的に津波のようにインターネット上の書き込みやサイトで炎上するという昨今の脅迫、名誉毀損事件のように、相手の人権や心情を度外視した「いたづら」や「嫌がらせ」がエスカレートするのである。

 「誰も守ってくれない」は地味なテーマだが、本当に怖い匿名社会の人権侵害や人間の知る権利と平静に生きる権利との競合を描いている。
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