ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

2・26事件と昨今。

2008年02月26日 | 日本の課題
 全国的に寒さが増し、明日もマイナス6度の寒気団が関西地方上空1500メートルに降りてきて、寒さが続くという今朝、「二二六事件」を突然思い出した。

 今から72年も前の昭和11年、2月26日未明に、大日本帝国陸軍の皇道派の影響を受けた一部青年将校らが、「昭和維新・尊皇討奸」をスローガンに、武力で重臣たちを殺害すれば、天皇親政が実現し腐敗が収束すると考え決起して、岡田啓介総理大臣らの殺害を企て、軍と政府に「叛乱軍」として武力鎮圧された。

 その数年前の昭和6年に「満州事変」が勃発し、翌年の5・15事件で犬養毅首相が殺害されたり、昭和8年には一方的に国際連盟を脱退したり、傀儡政権を満州国として設立したりと、どんどん軍部と共に政府は戦争非常事態に突入していく時期であった。

 この「2・26事件」の良し悪しはともかくとして、日本帝国の右傾化とでも言うべき、戦時体制への道が加速度的に進んだ時代を象徴する事件であったわけで、一般民衆にとっても「不満、不平」が充満しつつある時代であったのである。

 今も健在な年配の方々にとっては、「帝都不祥事件」とか呼ばれた未曾有のクーデター未遂事件だったのだが、多くの謎と軍部の自作自演的事件の様相も裏には秘めているらしい。

 すなわち、時の権力にとって都合のよい事件を起こすことで、国民、マスコミをも動揺させて、益々「国益」を優先すべく国家権力が突き進むという、ある種の「国家的演出」をももくろみ、一般大衆は乗せられていくのである。

 現代日本の民主主義的社会にあって、しかも「日本国憲法」のある「主権在民」の時代ではあるが、果たして同じような「国民の不満、不平」があったとしても、こんな「演出」による事件や騒動は起こり難いと思われるが、どうだろうか。

 やはり現代日本社会にあっては、政府、自衛隊、財界などの大きな権力や財力を持っている組織や権力者が、どの様な行動や言動で、この国ニッポンを国民が真に幸せに生きられる社会、国へと導いてくれるのかが、やはり心配だし不明、不安である。

 どこか226事件の前夜に似ていると言わざるを得ない昨今のご時勢の中で、多くの一般の庶民、国民は、自らの個人的な「幸せとお金儲け」に精一杯に頑張っているわけで、この国の行く末を、どこかで憂いながらも、「叛乱軍」や「抵抗勢力」にはなり難いのである。

 うっすらと積雪した白一色の道に、自分の足跡をつけて歩くことさえ控えようかと思う様な、一般庶民の「心の中の国に対する多くの不満、不平」をしっかりと表すことをしないと、またやとんでもない「国策的戦争」への道を辿っていく危険性を孕んでいるのが現代であると感じている。

 自作自演の「ごまかし」や「隠蔽」が自衛艦の漁船との衝突事故でも垣間みられることは、寂しくまた危険な兆しである。
コメント (2)
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