ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

失言ではなく確信犯!

2007年01月30日 | とんでもない!
 とんでもない発言が、柳沢厚生労働大臣から飛び出して、自民党だけでなく、各党が大騒ぎとなっている。

 「女性」を「産む機械」と称したということだが、人口統計上、わかりやすく理科系の人間なので説明しようとしたら、そういう表現になってしまったと弁明しているらしいが、全くの本音が出たとしか言い様のない確信犯である。

 女性議員が超党派で、柳沢大臣の辞任を要求し、民主党、社民党、共産党は、こぞって国会の予算審議を、大臣辞任が成されるまで出席しないことを決めたらしい。

 確かに失言などという次元ではない、全く驚くべき発想の言葉であるが、たぶん柳沢大臣の世代では、多くのお偉い男達は、似たような考え方を持っているのかもしれないと思うほど、「人権」や「ジェンダー思想」には乏しい面々が、国会だけでなく、地方議会の議員の中にも大勢いるのが現状である。

 この「産む機械」発言も、とんでもない事件だが、その陰に隠れそうな事件が、もうひとつ報道されている。

 それは今から6年余前になるが、NHK教育テレビで放送予定だった「戦時中の日本の従軍慰安婦」を扱った、国際女性フォーラムに関するドキュメンタリーの番組内容に、当時の安倍官房長官と中川農林水産大臣が、「放送の中立性」という建前で事前鑑賞した上、圧力をかけたという事件に対する、裁判の判決が出たことである。

 当時のNHKのディレクターや番組制作会社の社員らは、放送直前に番組内容の改変を迫られて、大変な苦労を余儀なくされ、ついには自主規制的な部分も含めて、中国大陸における日本軍の従軍慰安婦として、朝鮮人、中国人らが強制連行されたなどという部分がカットされたというのである。

 現自民党中川政調会長は、「私は被害者である。今も闘っている。」とぬけぬけとテレビのインタビューに答えているが、全く信じられない欺瞞であり、全く関与していないとすれば、何故事前に放送内容を知って、NHKの報道番組制作関係者と会う必要があったのだろう。

 決して「どうこうせよ」と指示していなかったとしても、自民党内閣の中心的人物である安倍晋三氏と中川氏が別々に、NHK幹部と会うこと自体が圧力であり、大いなる力なのである。

 被害者は中川ではなく、下請けも含めた制作会社と社員たちであり、改ざんされた番組を見せられた、国民聴視者なのである。

 安倍晋三首相は、このことについては、殆どコメントされていないが、安倍、中川両氏だけでなく、自民党の右翼政治家の中には、南京大虐殺を否定し、従軍慰安婦を歴史から抹消しようとする、とんでもない輩が多数存在しており、「女性は子どもを産む機械」だと言った柳沢厚生労働大臣と同等の意識と、自分の都合でのみ考える「歴史的歪曲」をも厭わない政治家達がいるのである。

 
コメント (1)
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