ガリバー通信

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鶴巻温泉「陣屋」に一泊!

2006年06月28日 | ちょっと可笑しいよ
今日は神奈川県秦野市にやって来た。あの「となりのトトロ」で有名な宮崎駿監督の一族が経営されている、由緒ある江戸時代からの400年にも及ぶ建物も現存する旅館である「陣屋」に一泊することとなった。

宿の女将によれば、「千と千尋の神隠し」も、「ハルルの城」のモチーフも宮崎監督が若い頃に遊んだ、この陣屋と周辺の緑の影響が大らしいのである。

また、ここの旅館は将棋や囲碁の名人戦などの舞台に昔から何度も使われて、私達が知る大山康晴名人を初め、升田、谷川、最近では羽生名人などが熱戦を戦わせた場所らしく、夕食を食べた部屋の床の間には、原田九段が書かれた「堂々と勝ち、堂々と負け」の書があった。

 実は、市議会の建設経済常任委員会の管外視察で、秦野市に出向き、「まちづくり条例」並びに「景観まちづくり条例」策定へのプロセスと現況、また市民参画による条例策定を学んだのである。

 秦野市の担当職員のレクチャーによれば、この旅館周辺の「鶴巻温泉」地域が、昔はひなびた丹沢山系への登山口上り口としての温泉場だったのに、小田急線「鶴巻温泉」駅が出来てバブル経済の勢いの中で、周辺のみどりの里山や竹林、雑木林を造成してマンション建設が始まり、「まちづくり条例」の必要性が生まれたのだそうだ。

 旅館の女将の話でも、一万坪のお庭と静寂の自然環境、すなわち「トトロの森」や環境を守ろうにも、現在の都市計画や地区計画などでは、ほとんど守れない現状を憂い、結局すぐ傍に7,8階建てのマンションが建ってしまったと言う。

 わが市でも、室町時代に「とんちで有名な一休さんが晩年に建立した禅寺」として有名な「酬恩庵、一休寺」があり、近年その周辺が多くの開発業者の手で用地買収され、宅地開発のための造成が始まったのである。

 由緒ある禅寺の方丈から見ることのできる「枯山水」のお庭は、借景と呼ばれる周辺の緑の環境をも含み、大切な歴史と文化と自然のマッチした保全すべき環境なのである。

 しかし市街化区域であるため、「開発指導要綱」という開発を前提とした規則、指導しか出来ない市政、すなわち行政の姿勢では経済的利益を優先する開発事業者の思いのままで、里山や雑木林も造成、開発されてしまう危険性が迫っているのである。

 「秦野市のまちづくり条例及び景観まちづくり条例」の制定のプロセスと内容に多くを学び、わが市でも早急に(仮称)「開発まちづくり条例」の検討が始まっている。

 同行した建設部長も、この歴史と文化を感じさせられる秦野市の鶴巻温泉の緑に包まれた旅館「陣屋」に一泊し、その環境の尊さと共に、周辺に隣接した高層マンションの現状を見られ、多くの示唆を感じられたことだと確信する。

 宮崎駿監督作品の「トトロの森」を連想する「陣屋旅館」の一泊は、我々にも多くのインパクトを与えてくれたはずである。
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