ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

ホタルと言えば・・・。

2006年06月19日 | 季節の話題
 毎年六月の梅雨の晴れ間の夜を見計らって「ホタル」を見に行く。

 今年は、近くの小さな河川にも原生のホタルが育っていると聞いて、久しぶりに先週の夜、家族で見に行ったが、雨のせいもあってまばらに数匹のホタルを目撃したが、あまり元気そうでなくポツン、ポツンと光を放っていた。

 家から車で15分ほど走ると、隣町の田原川沿いの遊歩道に、結構ホタルが飛び交っていると聞いたので、今晩も夕食後の1時間ほどを「ホタル狩り」を愉しんだのである。

 「ホタルと言えば・・・」「北の国から」というドラマの主人公である吉岡秀隆くん演じるジュンの妹の「蛍」を思い出すのだが、実際の蛍が淡い光を点して、懸命に異性を呼んでいるのだとすると、蛍の一生も大変だろうなと思ったのである。

 ドラマ「北の国から」の蛍は、不倫のような恋をして子供を生み、しばらくして、その男性とは別れて故郷に帰って、ジュンの同級生の気のいい友達と全てを承知の上で結婚するのである。

 何故か「蛍」という小さな昆虫が、いかにも幸せとは縁遠く、結婚しても幸せが長続きしない、日本人の好きな「耐える女」というイメージとダブらせてしまうほどの薄命な姿と思えるのである。

 日本には45種類43亜種の蛍が存在しているらしいが、私達の目や心を愉しませてくれたり和ませてくれているのは、ゲンジボタルという種であり、全世界的には2000種もの蛍がいるらしい。

 私の大きな手のひらにいる蛍は、いかにも小さな昆虫なのだが、光を放ちながら悠々と飛ぶさまは昆虫の中でも優雅で楚々としている。

 そこで何でだろうと考えてしまうことになった。

 あの有名な卒業式の式歌として歌い継がれている「蛍の光」は、何故窓に雪があるような冬から春にかけての歌なのに蛍がいるのだろうと、素朴な疑問を感じざるを得ない。それは雪の明かりが、まるで蛍の光のようだからである。

 俳句や和歌や文学では、蛍は初夏のものではないのだろうか。ひょっとしたら冬から春にかけてのシーズンにも生息している蛍がいるのかも知れないので、季語としては冬や秋にも通じるかもしれない。。

 命をつなげて長い間、人間の生活圏に出没しては人の目と心を和ませてくれている蛍のことだから、ましてや全世界に2000種もいる蛍の中には、夏の風物詩としての姿、光、形だけでなく、冬から初春にかけての特異な蛍も存在しているのではないだろうか。

 いずれにせよ、「蛍狩り」という日本人の情緒や心の和みは、欧米人の感性に同じように響くのだろうか。やはり「侘び」「寂び」の情のわかる日本人ならではの愉しみ方の特有の姿ではなかろうか。

 己が火に 木々に蛍や 花の宿  (松尾芭蕉)

ゆく蛍 雲の上まで いぬべくは 
   秋風吹くと 雁に告げこせ  (伊勢物語、在原業平)
コメント
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