ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

ある居酒屋で・・・。

2006年04月27日 | 季節の話題
 私はほとんど酒を飲まない。いや体は大きいのに酒が飲めないのである。

 学生時代には、成人したら少しは酒が飲めるようになり、親父とも時には酒を酌み交わして議論したり、駄弁ったりしたいなぁと思っていたが、その親父が私が21歳の時に亡くなってしまい、大学時代の学生仲間と酒を飲み交わすこともほとんど無かったのである。

 自分が社会に出て、仕事仲間と食事をしながら酒を飲む機会は結構あったが、実は二十歳そこそこの頃に、大先輩とある駅前の安酒場で一緒になり、当時の安酒で、たぶん合成酒を飲まされて、自宅まで普通は電車で三十分ほどで帰れるのに、気分が悪くなり駅に停車する度に降りてはもどし、最悪の気分を経験し帰宅したのは二時間後という体験をしたのである。

 それ以来機会ある毎に、場数を踏んだら飲める様になるよと言われつつ、少しは練習もしたが、やはり体に合わず、飲食を共にする機会は多くあっても、主に食べることに専念するようになったのである。

 若い頃はウイスキーを水割りで、あまり美味いとは感じなくても、かっこつけて薄いのをお代わりして飲んだりもしたが、現在は美味しいと思える酒はビールくらいで、生ビールを一杯いただくのが精一杯なのである。

 前置きが長くなったが、私の母と家人の母を車で誘って、桜見物に実家の近くの子どもの頃よく遊んだ池の傍の公園を散歩していたら、高校時代に出会って以来のI君が遠くからやってきて、仲間達と桜観会をやっているのに遭遇したのであった。

 その時はちょっと挨拶を交わしただけだったが、彼のホームページを観ていたら、行きつけの居酒屋らしき店が紹介されていて、私の実家に近い場所だったので、その居酒屋に彼を誘って、ゆっくり話したいと思ったのである。

 酒がほとんど飲めない私が、友達を居酒屋に誘うことは、めったに無いのだが、何となくそんな気分になって、大阪の下町の小さな居酒屋に出かけたのである。

 何と高速道路の高架わきの角地にある、十人程度で一杯の小さな居酒屋だったが、何とも誰もが以前から友達だったと思える様な空間であり、ママさんと言うべきか、粋のいいお姉さんが独りで切り盛りしている素敵な居酒屋だったのである。

 私は店に入るなり初めての店なのに、昔からの鋤簾客の様に生ビールを注文して、友人と大きな声で喋り、女将さんとも昔からの知り合いの様に話し出していたのである。

 何とも居心地のいい居酒屋であり、大変気に入ってしまったのである。

 ろくに酒も飲めない客ではあるが、気持ちよく喋って一時間余を過ごし帰り際には、友人の隣に座っていた同年輩と思われる優しそうな男性に、いつのまにか相談事を持ちかけられていて、彼の母親の介護の問題に私の経験と知識から応答していたのである。

 女将さんに勘定を済ませて、大根がまだ十分煮えていない「おでん」を食べそびれたので、金曜日に宅急便で送ってやと解らない冗談を言いながら、とってもご機嫌で帰途についたのである。

 ありがとう。久しぶりの友人との談笑の場所となった居酒屋さんと女将さん、そう言えば、あの花見の時のメンバーにちゃんと友人の傍に座っていた人が女将さんだったことを思いだした。

 また、きっと行くと思います。とっても居心地のいい小さな空間で、気持ちはホットに、やさしくなりそうです。ありがとう。
コメント (3)
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