ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「いざガネ」って何?

2006年04月15日 | 感じたこと
子ども達の何気ない疑問や会話を聞いていて、ハッとすることが幾度もある。

 八百屋のお客様である年配の奥さんのお孫さんの、耳寄りな面白い会話のエピソードを聞いて笑ってしまった。

 小学1年生になる女の子のお孫さんが、おばあちゃんとの会話で「いざガネ」と言う聞きなれない言葉を使って話したのである。

 「いざガネ」とは、孫の家庭でのお父さん、お母さんの造語なのだが、「いざと言う時に必要なお金」の略であり、緊急かつ突然にお金が必要になった時に備えられた「へそくり」の様な予備費のことなのだそうである。

 七歳になったばかりの女の子は、この「いざガネ」に、自分がお正月にもらったお年玉が含まれているのではないかと疑問に感じたので、自分の母親に聞けずに、おばあちゃんに尋ねたのである。

 いつも「内はお金がないのだから」と言っている自分の母親が、みんなの同意を得てペットの子犬を買ってきたのだが、この代金に「いざ金」が使われたらしいのである。

 かわいいワンコが家に来たことは嬉しいが、もしかして自分のお年玉にもらったお金が使われてたら、私のお金が犬に化けたことになるので、自分のお金が無くなっていたのでは困るというのである。

 つまり自分の預けたお金が「いざ金」になっていないかどうか、母親には直接聞けないので、母親の親である、おばぁちゃんに、それとはなしに問うたのである。

 幼い女の子の頭の中では新たに家族の仲間入りをしたペットの愛犬Sの代金が、自分の親に預けたお年玉のお金かどうかが心配になって仕方が無いのである。

 おばぁちゃんは、「大丈夫だよ」と孫をなだめたものの、孫のお母さんに確かめなかったみたいだが、子どもの心の中での不安と葛藤を想像すると、大変な心境なのだろうと察することが出来るのである。

 若い夫婦の会話の中の「いざ金」を子どもが聞き、自分のお金の行方を心配する経済感覚と親への信頼感が揺らぐ中、おばぁちゃんは母親に確かめることなく、「大丈夫だよ」と孫をかばって話されたのである。

 いくら何でも家族のための「いざ金」に、まさか子どもたちのお年玉が使われてしまうことはないだろうが、ちょっと一時的に拝借することはあるだろう。

 でも子どもたちには、「大丈夫だよ」と安心できる様に言っておいてやらないと、子ども達は小さな心で心配してしまうのである。

 とにかく家族のための「いざ金」としての予備費を、どう捻出するかはお母さん、お父さんの知恵と工夫によるのだが、時には子どものための積み立て金や預かり金が化けてしまうこともあるだろうが、借りた金は子ども達の将来のために返しておく必要があるだろう。

 幼い女の子が「いざガネ」の出処の心配と家庭の経済を通して、お金の大切さを知る機会となり、「お金がなければ銀行に行って出せば」と思っていた子どもからの成長を面白ろ可笑しく聞いたのである。
コメント (1)
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