先週は、台風の後に涼しい日が続きました。
お稽古は酷暑のお点前を予定していて、
濃茶は「名水点」、薄茶は「洗い茶巾」と「葉蓋」です。
あいにくそのお点前には似会わない、酷暑からは逃れた一日でしたが、
「寒いくらいですね」と言いながら、予定通りお稽古しました。
「洗い茶巾」
使うお茶碗は、ホタルの柄です。
ちょっと大ぶりで、お水がたっぷりと満たせるので、
決まったようにそれを使います。
でもこのお茶碗のホタル、微妙にトンボなんです。
皆さん初めは決まって
「とんぼのお茶わんですね」
とおっしゃいます。
「良く見てくださいな、お尻が光っているでしょ」
と言うと、納得されます。
ほらね。
ちょっとマンガチックで、可愛いホタルのお茶わんです。
お稽古をしていると、遠くでセミの鳴き声がしました。
今年初めて聴きます。
夏の盛りに聴くセミの声は、なぜか「もうすぐ秋」を感じさせます。
不思議な感覚です。
「今泣かないと秋が来てしまう」
と一生懸命鳴いているように感じるからでしょうか。
まだ鳴いてもいないのに、突然の寒さに、蝉もあわてたかもしれませんね。
まだまだこんなものでは終わらないはずの夏。
台風の置きみやげにとまどいつつも、
一息つけた二三日でした。