世情が騒がしい
昔は鎮護の国といった。鎮は「しずまり」あるいは、人の逝去を「鎮す」といった。
騒ぐことと,鎮まることは、考えることでも結論が逆になることがある。
そんなことを沈考すると、大船の行き先が見えてきた。
あの時、畏まって記した。
日本国憲法前文 (私案)
四方(よも)蒼海(そうかい)の鎮まり(しずまり)に在(あ)る我国の美風は、国家創
立の礎(いしずえ)として顕示(けんじ)されている古代律令にある矩(のり)を範(はん)
として、人間の尊厳を祈護(きご)する心を継承したものである。
その意思は万物(ばんぶつ)隣邦(りんぽう)の共存と安寧(あんねい)を謳う皇道(こ
うどう)の祈念を国維(こくい)として、国民に於いては等しくその目標のために勤め
るべく、志操の涵養と相(あい)慈(いつく)しみあう姿を願うものである。
それは人々の連帯と調和を司(つかさど)るために古人が宗(しゅう)とした我国の
徳目である、勤勉、正直、礼儀、忍耐を基礎とした人格による徳(とく)威(い)の修練
を求め、歴史の栄枯盛衰に標(しる)された内省を鏡として、地球史に普遍的な恒
心(こうしん)の自得(じとく)に他ならない。
この憲法は人間の尊厳と、それを扶ける綱目を表し、我国の清新な国民意思を
次代に継承祈念すべく公布するものであるとともに、諸外国との善隣好誼(こうぎ)
において有効な日本国民の意思として掲げるものである。
平成17年2月9日 謹撰
矩……十七条憲法
万物隣邦……精霊、全ての生き物、異なる民族や国々
皇道……スメラギ、他を思いやる心
国維……複雑な要因をもって構成されている国なるものの縦軸
徳威……善ある自発行為によって他に働きかける姿
標された内省……顧みる正邪の峻別を促す心の省(はぶき)
自得……他に促されることではない心の覚り