[ ROCK JOINT GB 6th ANNIVERSARY~69 Paradise]
The YUTARO Band / コロボックルズ / hotspring
3月1日ワンマン以来のコロボックルズ、しかも筆者の地元・吉祥寺でのライヴ。3バンドなので演奏時間も比較的長めだろう。対バンをググってみたところ、想定外のオレ的”ネ申イベ”であることが判明。奇しくもこの日梅雨入りした東京は滝のような大雨。初めて行くROCK JOINT GBは、東急デパートの裏のお洒落なビルのB1にある、広くて気持ちのいいハコだった。開店6周年記念イベントシリーズ企画ライヴ。大雨にも拘らず、熱心なファンが集まった。
●hotspring
(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)
温泉天国・九州でもダントツに温泉宿が多く存在し、湧出量も群を抜く温泉大国大分県にて2007年に結成された4人組ロケンローバンド。2010年に上京し浅井健一のSEXY STONES RECORDSからデビュー。今年設立されたレーベル内レーベルFLICK FILLY LABELから2月に2ndアルバム『THREE MINUTES GOLD』をリリースした。レーベルメイトには筆者が惚れたオルタナ女子バン魅起法則(ミキノルム)がいる。この世代のバンドには四つ打ビートやオルタナ系が多いが、この温泉(hotspring)カルテットは威風堂々と直球のロケンローを発射する。温泉の湧き湯が溢れ出すように、途切れ無く飛び出すR&Rスピリットの飛沫が横溢する。メンバーの顔つきに、90年代のミッシェルガンやブランキーにあった腹ぺこ狼の如き壮漢さがあり爽快至極。チバユウスケがDrop'sや爆弾ジョニーを可愛がるように、hotspringはベンジーの寵愛を受けているのだろう。
●コロボックルズ
3月渋谷BURROWでのワンマン以来、この小人(コロボックル)トリオは休むこと無く「TOUR 2014 かざぐるまセレナーデ」を敢行。九州から北海道まで吹き抜けたかざぐるまロケンローツアーは、7月13日大阪 TIME BOMB RECORDSでファイナルを迎える。ROCK JOINT GBに出演するのは二回目だが、前回も台風の日だったと言う。対バンにも心当たりがあるようだから、誰が雨男(女)かなんてゲスな詮索は辞めておこう。
⇒コロボックルズ@渋谷BURROW 2014.3.1(sat)~メロディー中枢の快楽
ステージが広く天井が高いので、コロボ(*)メロディとコロボビートが遮断されることなく全速力で炸裂する。特にぬまこ(rina)のドラミングの凄まじさは観ても驚愕・聴いても驚愕、ハードコアパンクやスラッシュメタルに一歩も引けを取らないスピード感。そこにいしもん(石本幸景)の月の直径よりぶっといベースと、寺田恵子の血管ブチ切れギターが重なるスリリング且つケイオティックな音の大嵐のど真ん中を、真っ直ぐなヴォーカルが太陽の光のように突き抜けるのだから、外の豪雨も彼らの演奏中は退散する勢いかもしれない。例え雨が降り続こうとも「ロックンロールは鳴り止まない、どんなときも」(満月ロックンロール)。祝福の歌が雨のジョージの夜に鳴り響いた。
注)*コロボ:身体は小さいのにマキシマムにハイテンション&エキセントリックであることを表す筆者の造語。
●The YUTARO Band
このバンドのプロフィールをググってヴォーカルのYUTAROこと羽原裕太郎の名前を見た時、松田聖子ではないがビビビッと来た。もしやと思って過去ブログを検索し正体が判明。30年前筆者が一度だけ練習に参加したポジティヴパンクバンド「幻覚マイム」の幽太郎その人だった。2012年にブログ記事を書いた時に「いまも活動中ならいつか会えるだろう」と思ったのだが、2年後にコロボックルズの導きで再会することになるとは、やはり彼らはコロボな幸せの小人である。
⇒幻覚マイムの思い出~乞CD化!
スリーマンライヴだからそれぞれのバンドのファンが来場している。hotospringは如何にもロッカー風のブラックレザーにハットの男子。コロボックルズはお祭り好きなノリのよい男女。そして最後に前列を占めたのは圧倒的に女子。裕太郎のバンド「プロペラ」は90年代後半に大きな人気を博したから、それ以来のファンもいるかもしれない。The YUTARO Bandは裕太郎が人間椅子やネモトラボルタのメンバーと共に結成したバンド。当然ながらポジパン時代とは全く異なるポジティヴなお祭りロック。スタートからステージを降りて「ROCKフラッグ」を客に配るパフォーマンス。裕太郎はステージ狭しと唄い踊り走る。テクニシャン揃いのバンドが見事な演奏で盛り上げる。客席はダンス大会に。終演後に聞いたら、元々ブルースやファンクが好きだったのが、面白がって別の方向にチャレンジしたのがポジパンの幻覚マイムだったとのこと。演奏スタイルは変わっても、根本に熱いロケンロー愛が溢れているのが素晴らしい。
1.踊ろう!(ショートver)
2.ROCKが好きなオマエに
3.歌とダンスで
4.エネルギー(新曲)
5.Baby , I'm sorry
6.Hug! Hug! Hug!
7.love song
8.It's a Small World
(アンコール)
9.ミラーボール
10.ROCKが好きなオマエに(end ver)
ロケンロー
色んなカタチが
あっていい
▼アカペラもばっちり!
*2年前のブログ記事で「色々セッションした結果(いいギタリストが見つからず)、幻覚マイムはずっとトリオで活動した」という内容を書いたが、裕太郎の話では、ベーシストの幼なじみがギターで加入して4人組になり、裕太郎自身はヴォーカルに専念したとのこと。彼は元々ベーシストだったが、変わったことをやろうと幻覚マイムで弾けないギターに挑戦したという。