A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

渋さ知らズ オーケストラ/MURCOF@国際フォーラム 2014.5.4(sun)

2014年05月06日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2014
テーマ:10回記念 祝祭の日 Jours de Fêtes
日程:2014年5月3日(土・祝)・5月4日(日・祝)・5月5日(月・祝)*前夜祭スペシャルイベント 5月2日(金)
会場:東京国際フォーラム、よみうりホール、よみうり大手町ホール 及び 大手町・丸の内・有楽町エリア

クラシックの祭典として10周年を迎えGWの風物詩となった音楽祭。以前張り切ってクラシックのコンサートに行って爆睡した経験があるので、暫く足が遠のいたが、昨年渋さ観戦で復帰。今年も天気がよく、国際フォーラム周辺にはフードブースが並び、屋外パフォーマンスが行われ、ワイングラス片手に多くの人が集まっている。残り少ない銀髪の年配男性が多い。かつてクラシック・ファンは音楽愛好家ヒエラルキーの上位グループに属していたが、下位レベルでも参画可能になったのは、この音楽祭の恩恵か、はたまた功罪か? 最上位グループのオペラ・ファンの聖域が侵されていないのがせめてもの救いである。


渋さ知らズ オーケストラ「舞曲の祭典」
今年は25周年。その音楽はジャズ、ロック、歌謡曲、フォークなどが混在し、既存のジャンル分けに収まらないという特異性を持つ。さらに舞踏、ダンス、美術など音楽以外の表現要素が加わり、渾然一体となる演劇的祝祭感のある空間を創出していく。日本以外でもヨーロッパ各国で高い評価を受け続ける。


音楽祭出演3年目。パートは「脱ジャンル音楽パフォーマンス集団」とされる。何でもありの雑食集団だから、どこに行ってもアウェーだが、限界を知らないお祭りパフォーマンスで魅了してホームにしてしまうのも事実。「舞曲の祝祭」と題された今回のプログラムは、ロマ(ジプシー)の音楽と民衆パワーをテーマにした演奏だったが、出自からして帰属場所のない渋さにとっては得意中の得意。トルコ行進曲やハンガリー舞曲、カルメン、ボレロ、新世界などが飛び出し、ステージは愚か客席をゴジラやシルバードラゴンが練り歩く非(異)常事態に、無意味の集積が触れるもの全てを巻き込む強引なエネルギーが会場を満たし、人類美学の粋を極めた1時間となった。




●MURCOF(マーコフ)「Beyond the Retrospective」
メキシコ出身のエレクトロニック・ミュージシャン。「フェルナンド・コロナ」名でも音楽活動を展開。電子音楽にクラシック音楽の要素を融合させた独自の音響世界は多数のファンを集め、グリニッジ天文台プラネタリウム、モントルー・フェスティバル、バルセロナ・ソナー・フェスティバルなどでのパフォーマンスが好評を博している。


数十人が奏で歌い舞った渋さから打って変わってぼっちエレクトロ。ステージにはPCを乗せた小さなテーブルひとつ。髭面の男が現れPAからブーンと低周波音が流れ出す。アンビエントなドローン空間は、コンサートホールの秀逸な音響装置により、理想的なオーディオ体験をもたらす。クラウス・シュルツを思わせる浮遊電子音の催眠効果で意識が遠のく瞬間もあったが、ミュージックコンクレート的にパーカッションやヴォイスがカットインする場面は感動的だった。クールなリズムを刻むパートはポストロックとの接点を明らかにした。場所柄学究的なムードが濃かったが、六本木スーパーデラックスで観たら違う感想だっただろう。



★譜面を読めない電子音楽家の企み:Murcof、クラシックの世界へ越境する⇒コチラ

お祭りだ
レッツ・エンジョイ
クラシック

「祝祭フリージャズ」、「エレクトロニカ」と続いたら来年は「ノイズ」しかなかろう。今思えば大友良英の『題名のない音楽会』出演はその為の布石だったのかもしれない。



聡明な読者諸兄はすでにお気づきのことと思うが、工事現場や壊れたラジオと大差ない演奏を、金額の大小に拘らずお金を払って鑑賞するノイズ・ファンこそ、音楽愛好家ヒエラルキーの頂点にいることは言うまでもない。かつてさる王妃が、「お金がなくてコンサートに行けないなら、ノイズを聴けばいいじゃない」と言ったと伝えられるが、ノイズを聴くには鋼鉄の覚悟と気高い自己犠牲と無限の慈愛が必要なのである。
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灰野敬二 生誕記念公演@高円寺ShowBoat 2014.5.3(sat)

2014年05月05日 01時37分55秒 | 灰野敬二さんのこと


KEIJI HAINO BIRTHDAY LIVE
灰野敬二 生誕記念公演

灰野敬二ソロ/Hardy Soul:灰野敬二(vo) 、川口雅巳(g)、山崎怠雅(g)、宮崎理絵(b)、藤掛正隆(ds)



灰野敬二62歳のバースデイ・ライヴ。直前になって、昨年の年末公演でデビューしたR&B/ソウル・バンド「Hardy Soul」の出演が発表になり、興味深い聖誕祭となった。例年通り通常のライヴより2時間早い17時開演。開場待ちの列は階段の上まで続く。筆者を含め灰野のライヴはぼっち(ひとり)の客が多く、話し声が殆どしない静かな時間を待ち過ごす。洋楽ファンとも邦楽ファンとも違う独特の客層にどんな秘密があるか、いつか分析してみたいものだ。開場時間を過ぎてもサウンドチェックの音が続き、30分押しで会場。

リリース予定の不失者&ペーター・ブロッツマンの3枚組CDや灰野+オルーク+アンバーチの新作LPが物販にあるかも、と期待していたがまだ届いていないとのこと。Hardy Soulの宮崎リエが在籍するMarble Sheepのデッドストック7インチを購入。

●灰野敬二ソロ

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

第1部は灰野ソロ。ステージ前方右サイドに大きなテーブルが置かれている。暗いステージに灰野が現れ、テーブル上のエレクトロニクス機材を操作するとPAから硬質なノイズ音が放出される。パンする音響に合わせて脳漿が左右に揺れた瞬間が、灰野ワールドの旅の始まり。一挙一動一音一音になす術も無く翻弄されるまま。あなたが例え唯我独尊イエローだろうが、罵倒プレイマニアだろうが、無駄な抵抗は辞めてすべてを流れのままに任せるのがいい。灰野敬二という唯ひとりの男に数時間心を許しても取って喰われる訳でも魂を抜かれる訳でも無い。電子ノイズ~エアシンセ~ドラムマシーン~ギター~笛~タブラッカ~シュルティボックス~ブルガリ~ハーディガーディと変転する楽器の谷間に多彩な言葉が日本語で歌われ呟かれ囁かれる2時間半のサウンドジャーニーは、心地よい疲労と甘美な耳鳴りを残した。




●Hardy Soul


第2部は海外でも話題になった灰野敬二の新バンド「Hardy Soul」。2013年12月30日のデビュー以来、ことあるごとに灰野自身の口から語られたR&B/ソウル/ゴスペルへの想いのリアリゼーションがこのツインギター・クインテットである。前回は半分カヴァー・半分灰野のオリジナルという構成だったが、2度目となるこの日のステージ90分は全曲カヴァー。海外曲に混じり、かつて哀秘謡で取り上げた日本の歌謡曲が2曲歌われた。英訳の歌詞なので、言われなければ日本の曲とは気付かないほどR&Bクラシックに同化している。これらの歌謡曲の根本にゴスペルがあることを暴き出す解釈こそ灰野の真骨頂。川口と山崎の強烈なファズギターは、ソウル(魂)とサイケデリック(夢)を一元化して、人間存在のあるべき本来の姿に迫るものだった。僅か5ヶ月でここまでの進化は驚異的。なによりも灰野の歌でダンス出来ることが嬉しい。次回は是非ともオールスタンディングのライヴを望みたい。




Set List
1. マンズ・マンズ・ワールド It's A Man's Man's Man's World (James Brown)
2. インサイド・ルッキング・アウト Inside Looking Out(The Animals)
3. 孤独の太陽 In My Room(Walker Brothers)
4. ミッドナイト・アワー In The Midnight Hour(Wilson Picket)
5. ティン・ソルジャー Tin Soldier(Small Faces)
6. グリーン・オニオン Green Onion(Booker T. & The MG's)
7. ブーン・ブーン Boom Boom(John Lee Hooker)
8. 骨まで愛して(城卓矢)
9. 昭和ブルース(天知茂)
10. 男が女を愛する時 When A Man Loves A Woman(Percy Sledge)
11. オール・オア・ナッシング All Or Nothing(Small Faces)
12. トライ ・ア・リトル・テンダネス Try A Little Tenderness(Otis Redding)

★灰野敬二4DAYSライヴレポート@JAZZTOKYO⇒コチラ
★灰野敬二が伊・新進デザイナーのショーでパフォーマンス - イタリア大使館で前衛音楽を披露⇒コチラ




精魂のリズム
精霊のブルース
精神のゴスペル

<灰野敬二 ライヴ・スケジュール>
2014年
5月5日(月)新宿Nine Spices JAM FES

5月12日(月) 渋谷TSUTAYA O-nest NISENNENMONDAI presents ” souzousuruneji 9 “
KEIJI HAINO (voice & electronics solo)/NISENNENMONDAI/【DJ】YOU ISHIHARA

5月29日(木)東高円寺UFO CLUB 『3.11後の世界、音楽の虹の橋「轟雷破」雨のまえにすること』
灰野敬二×久下惠生(FLYING RHYTHMS,マヘル・シャラル・ハシュ・バズ), 友川カズキ×坂本弘道(cello,electronics/パスカルズ)

6月18日(水) 六本木Super Deluxe 3.11後の世界,音楽の虹の橋「天竺箔」
灰野敬二 × 太田惠資 × U-zhaan

6月28日(土) 六本木Super Deluxe MERZBOW+石橋 / 灰野+O'ROURKE
メルツバウ + 石橋英子 デュオ/灰野敬二 + ジム・オルーク デュオ
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TADZIO/HAIR STYLISTICS/KIRIHITO/オシリペンペンズ@渋谷TSUTAYA O-nest 2014.5.2(fri)

2014年05月04日 02時00分05秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


TADZIO “TADZIO II” RELEASE PARTY

LINEUP:TADZIO/HAIR STYLISTICS/KIRIHITO/オシリペンペンズ
【DJ】COMPUMA/37A (PANTY) 【VJ】IROHA



3年ぶりの2ndアルバム『TADZIO II』をリリースした女子ハードコア・ポップ・デュオ「TADZIO(タッジオ)」レコ発。2010年結成間もない頃に観て暫く熱愛したが、いつしか疎遠になっていた。久々の再会は何ともユニークなゲストを交えた円山町のビル6F。

オシリペンペンズ

(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

大阪アングラロック界のガキ大将、石井モタコ率いるトリオは今年結成15周年。東高円寺UFO CLUBで何度か観たが、別の会場で観るのは初めてかも。5年前に映画出演のためロングヘアーをバッサリ切って野球少年風になったモタコの髪は再び伸びたが、昔のエキセントリックな雰囲気では無く、ロッカー風の穏やかな風貌。最近オリジナル・ドラマーが脱退し、PA担当だった道下慎介(LSD-March)が今年2月からドラマーに昇格(byモタコ)した。満員のUFO CLUBでこパフォーマンスはケイオティックな印象が強かったが、音響のせいかドラムが変わったせいか、スッキリした風通しのいいロックに聴こえた。中林キララの変態ギターと道下のストイックなドラムが同期するサウンドは、ドロドロした怨念ではなく、ポストロック的なクールなグルーヴを生み出す。新しい何かが始まる予感がする。




KIRIHITO


オシリペンペンズもそうだが、KIRIHITOも対バン目当のイベントで遭遇することが多い。極めて個性的で観るたびに強烈な印象が残るが、敢てCDで聴こうと思わないのは、彼らの魅力があくまでライヴにあると感じていから。仮面のギターヴォーカルのギタープレイはペンペンズの中林に負けず劣らず変態的。石川浩司似のスタンダップ・ドラマーの叩きっぷりが潔い。ふたりきりなので、ペンペンズ以上に求心力があり、祝祭感が高い。ペンペンズが火をつけた導火線が、KIRIHITOで燃え上がった。これでもか!と繰り出す弾丸ビートに会場全体が揺れた。




TADZIO+HAIR STYLISTICS


いよいよ主人公の登場。ニューアルバムのテーマと言える仮面をつけての演奏は、1年前に観たときより遥かにパワフルで遥かにキュート。特に部長のドラミングは「あらゆる邪念を振り払った感」に溢れている。彼女たちの魅力は普通っぽさにあると思う。メイド服やボンデージを着るわけでも、派手なメイクをする訳でもない。髪を染めることすらしない。ルックスは確かにグラビア美少女級だが、佇まいは街を歩く女子と変わりはない。自分の恋人・娘・友人・学友・部下でも不思議はない普通女子に「バカ!死ね!ファックユー!」と罵られる快感。少なくとも筆者にとっては、それがTADZIOの最大の魅力といえる。今回の「仮面罵倒会」では、今までにないアブノーマルな法悦感に酔った。ヘアスタこと中原昌也の乱入は、秘事の真っ最中に他人に踏み込まれるスリルか第三者を加えてのご乱行か、会場の熱はマキシマムに高まった。




イベントの主旨に沿ってこの日はベース不在バンドの祭典だった。炎上覚悟で「ベース不要論」を繰り広げようかと思ったが、ベース女子好きの筆者としては、嫌われては困るので辞めておくとしよう。

ベーシスト
やっぱり必要
普通なら

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Pudra(プードラ)/mimic./BAND-MAID(R)/NIHONGI/Chu's day@渋谷eggman 2014.5.1(thu)

2014年05月03日 00時36分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界

『Girl’s UP!!! vol.124』
supported by GIRLS ROCK MAGAZINE
出演:Pudra(from ロシア) / Chu’s day. / BAND-MAID(R) / NIHONGI / mimic.



既報の通りロシア女子バンド「プードラ」が来日中。「ニコニコ超会議」や「HARAJUKU KAWAii!! WEEK 2014 feat .Ameba 10th anniversary」に加え、女子ロックWEBサイト『GIRLS ROCK MAGAZINE』主催イベントに出演。会場の渋谷eggmanに来るのは10数年ぶり。普段筆者が通う新宿LOFTや東高円寺UFO CLUBとは系統が異なるこの老舗ライヴハウスは、いわばメジャーへの登竜門的な聖地である。中央線周辺にタムロするアングラ臭漂うバンドではなく、山手線左半分(目白~浜松町)~東横線系列のしゃれ乙な洗練された若者が集う。女子バン好きにも拘らず、124回を数えるイベント『Girl's UP!!!』のランナップにはプードラの他に見覚えのある名前は見当たらない。未知の女子との出会いを求めて公園通りの坂を足取り軽く駆け上がる。

開場したばかりで観客はまばらだが、何となくアウェーな場所へ迷い込んだ気がする。ステージ前には首タオル・物販Tシャツの男子が数人。後方で腕組みをした年配者は見るからに事務所風。関係者スペースでは「久しぶり」や「よろしく」の挨拶が交わされる。噂のプードラ目当てのギョーカイ人もいる模様。並んだテーブルに出演バンドが物販コーナーを設けているが、プードラ・コーナーは見当たらない。

Chu's Day(チューズデイ)


時間通りに客電が落ち、小柄なメンバーが登場。ギターが大きく見える。童顔のドラマーは男子だった。弾けるビートに元気いっぱいの歌。眩しいほど前向きな歌は、コチラの下心を見透かすようで、顔が火照る。前方に並んだ5・6人の男子が腕を振り上げて盛り上がる。先日観たSCANDALのライヴでの観客全員OiOiコールを思い出す。彼らは恐らく女子バンヲタ。ドルヲタに似ているが、ミックスやケチャやサイリウムはない。女子バン・シーンはあくまで音楽を楽しみつつ萌えに浸るストイックな現場である。


Pudra(プードラ)


昨年6月に「ファッションモンスター」の日本語カヴァーで出会って以来、何度か中断しながら追いかけてきた二次元バンドが目の前に三次元化。きゃりーぱみゅぱみゅの海外ツアーに押し掛けた現地ファンが味わうのと似た感慨だろう。プードラ推しは予想ほど多くなかいが、関係者を含め全員が興味津々で見守る。ラーシャ15歳(guiter/vo.),ゲーリャ16歳(bass/vo.)、サ-シャ14歳(drums)、マリーナ14歳(key)の4人は、YouTubeで観るより年相応のあどけなさ。演奏はまだまだ荒削りながら、激しくヘドバンしながらの堂々とした日本語の歌には、新鮮な息吹とROCK'N'ROLLの悦びが溢れている。プログレ風のインスト曲に於ける先輩格のラニェートキ・ガールズ譲りのベースをドラムスティックで叩く技が微笑ましい。4人のスマイルは日本もロシアもROCKに関しては差異がないことを証明した。




NIHONGI(ニホンギ)


ステージに登場したのは5人の女子。超絶テクのベーシストと原宿ガールの鍵盤奏者、アーバンギャル風ギタリストはサポート・メンバー。気風のいいギターヴォーカルと壇密似のドラマーふたりでNIHONGIである。ほんのりビアン風味の二人の掛け合い(合いの手)が萌えポイント。




BANDMAID(R)(バンドメイド)


バンド名のWKTK予感が的中。「ご主人様お嬢様お帰りなさいませ。お給仕始めます!」とメイド姿で言われたら、心がトロけない男子はおるまい。萌えコスに似合わない硬派女子ロックに二度びっくり。最前列を占拠した若きご主人様たちが一斉にジャンプして盛り上げる。この日のバンドの中で最も萌え指数が高く、バンド化したPASSPO☆に似てるな、と思ったら同系列の事務所だった。




mimic.(ミミック)


ステージに現れたのはイマドキ男子トリオ。もしかして男の娘?と思ったら、イントロでロングスカート女子が飛び出してきてひと安心。流石男子の骨太な演奏に、女は度胸のパワフル・ヴォイスが突き抜ける。ジュディマリを思わせるが、しきりにスカートをたくし上げる仕草にTKMK(トキメキ)。メジャー感たっぷりの熱演に、会場全体でOiOiコールが炸裂した。



女子バンは
元気と度胸だ
Спасибо
(スパシーバ=ありがとう)




(写真撮影についてはスタッフの許可を得ています)

<Pudra Japan Tour 2014>
5月3日(土) 「HARAJUKU KAWAii!! WEEK 2014 feat .Ameba 10th anniversary」
15:30 Start KAWAii HIGH SCHOOL@ラフォーレ原宿 

5月4日(日) Pudra presents.『ロックでつなごう!日本とロシア』 supported by GIRLS ROCK MAGAZINE
16:00 Open/16:30 Strat 渋谷CLUB CRAWL 

★Pudra公式ツイッター⇒コチラ


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ジェイク・バグ@ZEPP TOKYO 2014.4.30(wed)

2014年05月02日 00時15分15秒 | ロッケンロール万歳!


JAKE BUGG
<ジェイク・バグ>
JAPAN TOUR 2014


ストライプスと並ぶ新世代UKロッカー、ジェイク・バグ初の単独日本ツアー。昨年5月のショーケースライヴから1年経ち、二十歳になったジェイクの性徴(成長)ぶりと、バンド形態での演奏をたっぷり楽しめるステージだった。2回程の曲名紹介と、エンディングのサンキュー・メッセージ以外MCは殆どなし。内気なのか傲慢なのか、表情からは伺い知れない。エレキギターを弾くのは初めて観たが、手クセだらけだがツボにハマるペンタトニックスケールがカッコイイ。ニール・ヤングの「ヘイヘイマイマイ」の青臭いカヴァーも馴染んでいる。ジェイクの歌には音楽的に新しい要素は殆ど無いが、ロケンロー60年の歴史のエッセンスを凝縮したスタイルは、迷うこと無く新世代のROCKだと断言出来る。暴言かもしれないが、ROCKの未来に新しいモノは必要無いと言い切りたい。現在、音楽芸術に拘らず全ての文化・社会が、過去と断絶した進化よりも、歴史の追体験を求めているように思える。伝達手段や表現媒体が変わるだけで、コンテンツ自体は過去の反復と言って良かろう。無理して新奇珍奇なものを求めるのは辞めて、歴史と伝統を掘り起こす方が有意義だろう。R&R伝承派ジェイク・バグが歌う希望はそこにある。



満員のオーディエンスはジェイクと同世代の若者に加え、ロック歴数十年の年配者や外国人が多く、音楽好きには極めて居心地のいい空間だった。前回来日時のモノも含め物販Tシャツ姿が目立つ。開演前のBGMのオアシスに合唱が起ったり、MCひとつせず、盛り上げ要素に乏しいパフォーマンスに温かい手拍子で応じる。英語が苦手でも関係なくサビを唱和する。撮影黙認にも拘らずステージ前方でスマホを掲げる者は少ない。強引にダブル・アンコールを求めず客電が点いたら大人しく退場する。開場前・終演後会場周辺で大騒ぎすること無くスムーズに帰宅の途につく。同行者との会話は今日ライヴの感想と次のライヴの相談。音楽好きばかりよく集まったものだと感心する。先日のウィルコ・ジョンソンやリンゴ・デススターでもつくづく思ったが、洋楽アーティストのワンマンライヴの観客の質の高さは特筆に値する。



以下は、筆者の主観による、独断と偏見に満ち、差別的表現を含む意見である。気分を害される方も多いと思うので、特に夏フェス参戦予定の方は読まないことをお薦めする。

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洋楽来日アーティストのチケット代は大抵4500円以上。ジェイク・バグは6000円だったし、一万円を超える場合も多い。それに比べて邦楽は殆どが2500円~5000円。当たり前だが洋楽は邦楽よりもチケットが高い。アメリカの片田舎のぽっと出の新人でも邦楽の武道館クラスよりチケット代は高い。つまり、ある程度の収入がないと洋楽のライヴには行けないのだ。この日ジェイク・バグのライヴに集まった観客は6000円という邦楽なら2公演分のチケット代を払い、さらにはJ-POPより若干高めのTシャツなど物販まで購入出来るリッチな人ばかりである。



【警告】この先危険度80%!差別発言あり。
つまり、洋楽ファンは邦楽ファンより「高収入」=「生活レベルが高い」=「社会的地位が高い」のである。洋楽ファンの殆どが大卒でホワイトカラー。一方邦楽ファンはそうとは限らない。地方で洋楽アーティストの公演が少ないのは、都市部との生活水準の格差により、洋楽ファン足りうる富裕層が少ないことが大きな理由である。数少ない地方在住の洋楽ファンは、コンサートを観る為に新幹線や飛行機代を払えるだけの余裕がある特権階級に限られる。洋楽のライヴには金持ちのエリート階級ばかり集まるので、知的で礼儀正しいのは当然である。



【再警告】この先危険度120%!炎上必至。
洋邦交えたロックフェスは様相が異なる。レベルの高い洋楽ファンと高いとは限らない邦楽ファンに加え、第三階級=フェスファンの存在である。フェスはチケットさえ買えば、本番はテントや野宿なので金はかからない。つまり貧乏人でも参戦可能。彼らは必ずしも音楽好きではないが、集まって大騒ぎするのは大好き。音楽知識に乏しいから、出演者の殆どの名前を知らずに参戦し、大音量で音が鳴っていれば誰だろうと関係なく熱狂的に盛り上がる(ただし8ビートしかノレないので変拍子を嫌う傾向あり)。日本で知名度が低いマニアックなバンドが多い中型ステージに入場規制がかかることが多いのは、貧乏なフェスファンが大挙して押し掛けるからである。だから「フェスで盛り上がった」というネタは一応TLに上がるとはいえ、バンド自体の人気や評価には結びつかないのが現実である。筆者がフェスを避ける理由は、ずっと前から好きで来日を待望していた個性派アーティストの貴重な初来日ステージが、たいして音楽が好きでもないF*CKな連中のバカ騒ぎで穢されるのを観るのが忍びないからである。また、以前問題になったように、大物邦楽アーティスト目当の地蔵現象に気分を害されたくないからでもある。地蔵派は金はあるが知的レベルは最低である。



ハッキリ言わせてもらおう。
音楽愛好家ヒエラルキーの上位にいる洋楽ファンを、それ以下の連中と一緒くたにしないでいただきたい。
・・・・って炎上するかも知れんな。



ドルヲタと
ロケンローヲタは
別格よ






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【えいたそ文化論】その参『イエロー』後編~ビートルズ/初音ミク/ドノヴァン/桜田淳子/ザッパetc.

2014年05月01日 00時30分47秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


えいたそ文化論・その参『イエロー』前編の考察により、バンド名にイエローを冠するのは、 a)黄色人種(YMO、イエモン)、b)夢世界(バルーン、愛なき世界)、c)ドラッグ(マシンガン、ページ、イエロー)の象徴として黄色を身に纏うことで、自我(アイデンティティ)確立の武器とする為だと云うことが実証された。イエローは保護色ではなく警告色・警戒色・危険色であり、他者に譲れない「わたしだけ」の世界を守る要塞・甲冑なのである。つまり、イエローで武装した者は決して世間の波に流されること無く唯我独尊、我が道を行く自立精神を有する勇者なのだ。

それでは自らイエローを名乗りはしないものの、自己の創造物もしくは排泄物たる作品即ち楽曲に黄色を引用する行為の裏にどんな秘密が潜んでいるのか、精査してゆくことにしよう。

●イエロー・サブマリン/ザ・ビートルズ


73歳になっても精力的に演奏活動を続けるリンゴ・スター最大のヒットにしてコンサートのハイライト・ナンバー「イエロー・サブマリン」は、ファブ・フォー1966年の7thアルバム『リボルバー』に収録。ポール・マッカートニーが子供の歌として作ったナンバーで、歌詞の一部を後述するドノヴァンが手伝っている。2年後ビートルズ自身が主人公となるアニメ映画『イエロー・サブマリン』が計画され、サントラ盤も企画されるが、インドでの瞑想体験にハマっていた4人は当初乗り気ではなく、駄作を集めてサントラにしようと考えていたらしい。が、インドから帰国し試写を観て意識が変わった。『サージェント・ペパーズ』をモチーフに、おとぎ話やサイケデリックやシュールリアリズムなどがミックスされ "All You Need Is Love(愛こそはすべて)" のメッセージで統一された作品だったからである。一念発起して新曲を提供し、ラストシーンにカメオ出演したアニメ『イエロー・サブマリン』は映画作品自体が注目され、本国イギリスにましてアメリカでも好評を博し、マスコミから高く評価された。この作品のおかげで、テレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の失敗の汚名を返上したと言われている。黄色はファブ・フォーの起死回生の一撃だったのだ。また、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケットではジョン・レノンが黄色であることにも注目したい。




●黄昏のレンガ路(グッバイ・イエロー・ブリック・ロード)/エルトン・ジョン


サー・エルトン・ハーキュリーズ・ジョン CBE(Sir Elton Hercules John CBE、旧名:レジナルド・ケネス・ドワイト/Reginald Kenneth Dwight、1947年3月25日 - )。ポール・マッカートニーと並ぶサー(勲爵士)であり、芸名は彼がソロ・デビュー前に参加したバンド、ブルーソロジーのメンバーだったソフト・マシーンのエルトン・ディーンとロング・ジョン・ボルドリーの二人の名前から取った。両性愛者としても知られるエルトンの最大のヒット作のひとつが2枚組LP『黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)』(1973)。邦題は「黄昏の~」とあるが、「イエロー・ブリック・ロード」とは、LGBT=「女性同性愛者:レズビアン Lesbian」+「男性同性愛者:ゲイ Gay」+「両性愛者:バイセクシュアル Bisexuality」+「性転換者・異性装同性愛者:トランスジェンダー Transgender」のアイコンであるジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画『オズの魔法使い』の中の、オズへ続く「黄色いレンガの道」を指している。イエローは黄金を意味しており、「イエロー・ブリック・ロード」とは黄金で舗装された芸能界の出世街道のことである。歌詞のほかの部分では、芸能プロモーターへの皮肉もこめられており、「さようならカネまみれの芸能界」と解釈することもできる。邦題や、曲調から想起されるような「黄昏の夕陽に黄色く染まったレンガ道」とは歌詞の内容は異なっていることを肝に銘じて欲しい。





●メロー・イエロー/ドノヴァン


ドノヴァン・フィリップス・レイッチ(Donovan Philips Leitch, 1946年5月10日 - )はスコットランド出身の吟遊詩人歌手。デビュー当時は”英国のボブ・ディラン”と呼ばれたが、1966年にジミー・ペイジがギターで参加した「サンシャイン・スーパーマン」が全米1位・全英2位の大ヒットとなり、”サイケの貴公子”、”フラワーチルドレンのアイドル”となる。続いて放った全米2位ヒットが「メロー・イエロー」。今度はジョン・ポール・ジョーンズがベースとブラス・アレンジで参加。ポール・マッカートニーも、ドノヴァンの「イエロー・サブマリン」への協力に対する返礼として、レコーディングに参加している。まさかレッド・ツェッペリンのLEDをREDと聞き違えて「赤い」飛行船と訳す愚か者がいるとは思えないが、黄色繋がりが生んだサイケの果実であることは間違いない。同名の柑橘系炭酸飲料の綴りは「Mello Yello」。





●ビッグ・イエロー・タクシー/ジョニ・ミッチェル


現在70歳のカナダ出身の女性SSW、本名はロバータ・ジョーン・アンダーソン。1968年にデビューし、69年『青春の光と影』の成功で世界的に知られるシンガーとなる。CSN&Yの「ウッドストック」や、ジュディ・コリンズの「青春の光と影」の作者としても評価が高い。「Big Yellow Taxi(大きな黄色いタクシー)」は、70年の3rdアルバム『レディ・オブ・ザ・キャニオン』に収録。カリフォルニアのローレル・キャニオンでCSN&Yと一緒に暮らしていた頃の作品で、「ウッドストック」や映画『イチゴ白書』の主題歌としてバフィー・セントメリーがカバーした「サークルゲーム」も収録。「ビッグ・イエロー・タクシー」はハワイのワイキキに旅行した経験から生まれたという。ワイキキでは美しい自然を破壊して、道路を舗装し、ホテルや駐車場やバーやレストランを建てていた。カリフォルニアに目をやればリンゴ農園は農薬塗れ。生物学者レイチェル・カーソンが1962年に発表した『沈黙の春』で描かれた現代工業社会による環境破壊を目の当たりにしたジョニの脳裏に、愛しい人を連れ去る故郷トロント警察の黄色いパトカーが浮かんだ。「失くしてから初めて大事だったと気づくもの」は自然だけじゃない。自由もまた同じだ。





●ドント・イート・ザ・イエロー・スノー/フランク・ザッパ


Frank Zappa 腐乱苦雑派の1974年のソロ名義アルバム『アポストロフィ (')』の一曲目が「黄色い雪を喰うな(Don' Eat The Yellow Snow)」。アメリカン・コメディの常套句であり「黄色い雪は犬がおしっこした後だから食べるな」という意味。70年代前半のザッパは、ジョージ・デューク、ジャン・リュック・ポンティ、エインズレー・ダンバー、ブルース&トム・ファウラー等実力派ミュージシャンと共に、最高にテクニカル且つスラップスティックな万物同サイズの音宇宙を創世した。セールス的に頂点を極めたのが『アポストロフィ (')』であり、全米10位のヒット作となった。おしっこ色のイエローにザッパが籠めた真意は米国人にも解らないという。ザッパは1993年に『イエロー・シャーク』というオーケストラ・アルバムも残している。マザーズ・オブ・インヴェンションの1968年の3rdアルバム『マザーズ・オブ・インヴェンションのおかしな世界(We're Only in It for the Money)』で『サージェント・ペパーズ』をパロった黄色ジャケを提示した変態ロック王だけに、イエローへの執着心は強い。





●イエロー・バナナ/ハング・オン・ザ・ボックス


1998年にデビューした北京の女子パンクバンド「挂在盒子上(Hang on the Box)」が2000年にロリータ18号を擁する弁天レーベルからリリースしたデビュー・アルバムが『黄色香蕉(黄色いバナナ)』。女子パンク界のバナナソングと言えば、元祖女子バン・少年ナイフの「バナナチップス」や「バナナフィッシュ」が有名。前編で黄色いバナナはアシッド・フルーツと書いたが、パンク以降はロケンロー女子のキュートなマスコットになった。HOTBは香港・米国・日本をツアーし、中国本土で最もポピュラーなバンドだったが、2005年に解散。ボーカルの王は現在GIRL KILL GIRLというバンドで活動中。






●黄色いリボン/桜田淳子


14歳でオーディション番組『スター誕生』最優秀賞を受賞、1973年にデビュー、3rdシングル「わたしの青い鳥」でレコード大賞新人賞を受賞、74年「三色すみれ」に続く6thシングル「黄色いリボン」で紅白初出場、と当初から色ソングで人気を伸ばした淳子ちゃん。92年の合同結婚式以降ほぼ隠遁状態で、ジュンコ界の首領の座をマル非JUNKOに譲ったが、デビュー当時小学生だった筆者の最初のアイドルだった。弟が推していた山口百恵とは「花の中三トリオ」仲間。実は百恵の方がお色使いが上手く、73年「青い果実」の『青い性路線』、74年から「赤い迷路」「赤い疑惑」「赤い運命」「赤い絆」等の『赤いシリーズ』といった色仕掛けでステップアップを果たし、ついには菩薩となった。結婚を機に人生が変わったのは両者とも同じだが、現在の待遇の格段の差の元凶は、もしかしたら百恵が触れなかった危険色の黄色を、淳子が蹂躙したからかもしれない。因みにお色気戦略に与しなかった中三トリオのもうひとり森昌子の健在な活躍ぶりから察するに、色と交わることは女子芸能人にとって諸刃の剣なのではなかろうか。




●Yellow/初音ミク


なぜ世界を変えたのか、と問われる通り、現代カルチャー革命の象徴が初音ミクであることは疑いない。ミクを起用して数多くのコンピュータプログラマーが「ボカロP」としてヒットチャートを賑わせることになるとは、ビートルズもザッパも想像だにしなかっただろう。ボカロシーンから生まれたアーティストの最右翼「livetune」のkzが2010年に手掛けたゲームタイアップヒットが「Yellow」と名付けられた事実こそ、サード・サマー・オブ・ラブのシンボルカラーが「イエロー(黄色)」であることの証明に他ならない。




イエローは
すげぇドリーミン
色だなあ

太陽」「マキシマム」「イエロー」について徹底的に分析した結果、成瀬瑛美さんの解析は大きく前進した。えいたそ文化論の最終章は、これまでの研究成果の科学的・哲学的・衒学的解析とともに、未確認要因の炙り出しが必要になるだろう。6日後に迫ったでんぱ組.inc「ワールドワイド☆でんぱツアー2014 in 日本武道館~夢で終わらんよっt!~」に備えて筆者はこれより臨戦態勢に突入する。5月6日まで毎晩ライヴ参戦し、ライヴWKTK指数のピークを日本武道館で迎える為の調整期間である。GWの行動は全てでんぱ組@日本武道館の予行演習に過ぎない。精神状態がマキシマムえいたそ化する場合もあるかと思われるがご容赦いただきたい。

●成瀬瑛美(えいたそ)(ノ∀`*)☆ドッヒャーーーン☆

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