坂田明/ジム・オルーク2daysの二日目はゲストにメルツバウの秋田昌美さんを迎えてのライヴ。秋田さん目当なのか前日の倍の動員があり椅子席は満席。私は整理番号3番でまたもや最前列。並びは左から秋田さん、クリス・コルサーノ(ds)、坂田さん、ダーリン・グレイ(b)、ジム・オルーク。
1stセットは秋田さん抜きのカルテットの演奏。冒頭のMCで「ちかもらち」の語源が坂田さんのお孫さんが「力持ち」を間違えて「ちかもらち!」と言っていたことだ、と明かされた。私の勘違いも間違いではなかったってこと。あとでダーリンに聞いたら「時差ぼけで眠れなかったけどエネルギーは溢れてるよ」とのことだったが、その通り前日よりもこなれた演奏を展開。突っ走るところはフル・パワーで駆け抜け、落ち着く部分ではグッと抑える、その対比が素晴らしい。2曲40分の演奏。
2ndセットは待望の秋田さんを迎えての演奏。秋田さんのリクエストでマーシャルのアンプがセットしてある。「高齢の方は耳栓をどうぞ」と坂田さん。秋田さんはフィルム缶にスプリングを張った自家製のノイズ・ジェネレイターを使用。最初は坂田さんのクラリネットで静かに始まったが、演奏が熱を帯びてくると秋田さんのハーシュ・ノイズが耳をつんざき、坂田さんのプレイを掻き消してしまう。音が聴こえない中激しく演奏する坂田さんの姿が幻惑的だった。クリスとダーリンは我が意を得たり、という感じでパワフルな演奏。オルークもアンプのヴォリュームを上げてアグレッシヴにSGをかき鳴らす。轟音のノイズ+ジャズで疾走するだけではなく、引くところは見事に引く。秋田さんのプレイは演奏の起伏に合わせた表情豊かなもので、さすが30年のキャリアと納得する。予想以上に豊穣な流れをもったセッションだった。60分の演奏。アンコールは無しだったが観客は充分納得したに違いない。
物販で購入したCDに4人のサインを貰った。これから坂田さんとちかもらちはモスクワ~ヨーロッパ・ツアーへ出発だ。11月9日に渋谷WWWでの再会を約束して会場を後にした。
メルツバウ
フリージャズとの
親和性
帰りに新宿JAMのGirls Sazanami Nightに出演していた原子力牧場のもよぽんに連絡して会場販売のCDR「Peciliar Crops」を入手した。今回もサランラップに包まれたしっかりした作りの作品である。内容は季節音源のリミックス/リマスター集。彼らは11月19日に下北沢GARAGEでライヴがある。月イチで東京でライヴ。いいペースだ。
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