FREAK SMILE vol.5
2023.10.13 fri 吉祥寺NEPO
Line-up
細井徳太郎x武田理沙x林頼我
玉川太福+玉川鈴
igloo
『FREAK SMILE』はライターの町田ノイズが「大好きな方々の表現をいっぺんに体感できたら幸せだなー、という一心で続けているイベント」とのこと。今回はジャズとロックと浪曲とインプロを一度に楽しめる好企画。会場を埋めた観客は、顔見知りのジャズ/インプロ好きから、ロックファン、浪曲ファンまで、あまり交わることのない客層だったが、自分を含めて多くの人が最後まで楽しんでいたのが印象的だった。
●細井徳太郎x武田理沙x林頼我
ギタリストの細井徳太郎、ドラマーの林頼我、どちらも噂は聞いていたがライヴを観たことはなかったので、武田理沙とのコラボは最高の機会だった。それぞれデュオでは共演したことがあるが、トリオでやるのは初めてとのこと。普通のライヴであれば「初顔合わせとは思えない絶妙なコンビネーション」などとありきたりな評価をするところだが、完全即興に於いては逆に「何度共演しても毎回初めてのような驚きのあるパフォーマンス」であることに意義がある。その意味では三人がお互いのコンビネーションを意識することなく唯我独尊の演奏を繰り広げたこの日のステージこそImprovisationの醍醐味と言える。武田のプログレ風味のスペーシーな演奏はもちろん、足元に多数のエフェクターを並べシューゲイザー然とした細井の非ギターサウンド、(ルックスが)山下洋輔トリオ時代の森山威男を思わせる林のパーカッシヴなドラミング、三者三様の個性のアマルガムを堪能できる至福の時間だった。
●玉川太福+玉川鈴
まさかのNEPOで浪曲とは。冒頭で「浪曲は即興と同じ」と語った通り、語り芸に切り込む三味線の即発的なプレイは単なる合いの手ではなく、真剣勝負のインプロヴィゼーションに違いない。それ以上に「笑いの浪曲師=玉川大福の話術の妙には詩吟と浪曲の区別も覚束ない筆者も完全に惹き込まれた。得意の「男はつらいよ」のネタが時間制限のために途中までしか聞けなかったのが残念。機会があれば浪曲公演に足を運んでみたい。
●igloo
THE FOOLSのサックス奏者若林一也を中心に、taku tajima (g)、takuma okabe (b)、KAZI (ds)からなる4人組。パンクに通じるタイトなファンクビートに乗せてサックスとギターが自由自在に絡みあうスタイルは、ノーウェイヴやポストパンクを高速化したハイブリッド・ジャズファンクと呼べばいいだろうか。しかしそれだけにとどまらないスピード感と逸脱感がiglooの魅力である。熱演のあまりコンタクトマイクを投げ捨てて客席に乱入してブローする若林の姿にパンクロック・スピリットを感じた。ジャズであれロックであれファンクであれ熱量の高さが人の心を魅了することは間違いない。それを再認識させるステージだった。
これまで「ジャンルの異なる出演者を集めたイベントは動員が難しい」という声を聞くことが多かったが『FREAK SMILE』の盛況ぶりに励まされる思いがした。
自分の企画イベント『盤魔殿』やMOGRE MOGRU主催DIVE DEEPも今後いろんなアイデアを出していこうと心に誓った。
異種混合
実は同じ
仲間です
▼次回モグモグ主催イベント詳細決定!
2023年11月15日(水) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents
DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy(ガラクティック・ギャラクシー)
open 18:30 start 19:00
adv/door 2500yen + 1 order
streaming 1000yen
出演:
Aural Fit
gloptin
isei ben
MOGRE MOGRU
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