A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

マサカー@下北沢 GARDEN 2013.4.28 (sun)

2013年04月30日 02時57分26秒 | 素晴らしき変態音楽


英国音楽/VINYL JAPAN presents
【MASSACRE】

FRED FRITH, BILL LASWELL & CHARLES HAYWARD 3大巨頭来日!!
直近では2009年のFRED、"Tokyo Rotation" (東京回転)でのBILL、そして"V 4 VICTORY"でのCHARLESと個々での来日も記憶に新しい彼等が遂に【MASSACRE】として最強トリオで初来日公演を行います。まさに狂気乱舞!! Avant-Rock/Experimental-Rockファン待望の来日公演!!

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GWプログレ天国第二夜「殺戮トリオ」の来日公演。彼らが巻き起こした偶然性の輪廻転生地獄の顛末は過去ブログを参照いただきたい。前日のアンジュに続きプログレ伝説を体験できる喜び。32年ぶりに観るフレッド・フリスは年相応の体型になったが演奏の意欲と冴えはまだまだ現役そのままである。ドラマーがチャールズ・ヘイワードになった再結成後の作品は聴いていないが全編インプロ中心だと予想されるので曲を知らなくても問題ない。ツイッターで初日のライヴが素晴らしかったことと1stアルバム「キリング・タイム」の曲はやらなかったことを知る。この3人なら期待はずれに終わることは無いと確信。


マサカーはヘンリー・カウ解散後1979年にニューヨークへ移ったフリスが現地のロック/クラブ・シーンに刺激され大音量でエネルギッシュな演奏をするために実験ジャズ・ファンク・バンド、マテリアルのビル・ラズウェルとフレッド・マハーと共に1980年に結成したパワー・トリオ。結成のきっかけは元スラップ・ハッピーでヘンリー・カウにも在籍したピーター・ブレグヴァドのヴァレンタイン・コンサートに出演依頼されたことだという。そのハイエナジーな実験ロックはBBCに「シャドウズとキャプテン・ビーフハートとデレク・ベイリーとファンカデリックの邪悪な統合」と評された。アメリカとヨーロッパをツアーし1981年に唯一のアルバム「キリング・タイム」をリリースし同年7月にマハー脱退により解散。同年のフリスのソロ・アルバム「スピーチレス」のB面にホーン・セクションを交えたトリオの演奏が収められている(現在リリースされている「キリング・タイム」CDのボーナス・トラックとして収録)。短命に終わったが影響力は多大なものがあった。

フリスとラズウェルは元フィーリーズ/ラウンジ・リザーズのドラマー、アントン・フィアが結成したゴールデン・パロミノスに参加。1985年にトリオで日本ツアーを行い「キリング・タイム」の曲も披露している。1998年に元ディス・ヒートのチャールズ・ヘイワードを迎えマサカー再結成。スタジオ録音「ファニー・ヴァレンタイン」(1998)、ライヴ盤「メルトダウン」(2001)「ロンリー・ハート」(2007)をリリース。1999/2008年のライヴ録音「ラヴ・ミー・テンダー」がリリースされたばかり。


観客は普通のプログレ・ファンとは違いオシャレな若者が多く女性客が目立つ。3人とも純プログレというよりはジョン・ゾーン、大友良英、吉田達也などアヴァン・ジャズとの繋がりが濃いのでその客層なのだろう。またこの日は川崎クラブチッタのイタリアン・ロック・フェスのアレアと被ったのでプログレ・ファンはそちらへ流れたとも考えられる。アンビエント音響が流れる開演前に聞こえた会話によると二日連続参戦の猛者がかなりいるらしい。今年2月のユニヴェル・ゼロも全公演参戦者がかなりいた。レコメン系アーティストが来日する機会は多くないのでファンの情熱度は高い。

▼フレッド・フリス


▼チャールズ・ヘイワード


貫禄たっぷりのフリスの眼光の鋭さは30年前と変わっていない。無表情なラズウェルと茶目っ気あるヘイワードの対比が面白い。ラズウェルのコーラスエフェクトした重低音とヘイワードのタイトなロック・ドラムが変幻自在のグルーヴを創り出しその上でフリスの時に靴ブラシや刷毛や金属缶を使ったトリッキーなギターが暴れるスタイルは結成時のコンセプト通りだが、短い曲が連射された「キリング・タイム」と違い長尺演奏の中で変調転調を繰り返すステージはアティテュードよりミュージックへの傾斜を示している。80年代は鬼の形相で掻きむしっていたに違いないフレーズもテン年代には笑顔を交えて余裕の演奏で繰り出される。これが成熟なのか退行なのかわからないが観ていて気分がアガったことは間違いない。特に初日は封印した「キリング・タイム」収録曲を演奏した時の観客の熱狂ぶりはクリムゾンが「21世紀~」「太陽と戦慄」を演奏する時と同質のものだった。




殺戮は
笑顔浮かべて
にこやかに

現在のところマサカーとしての活動は海外では予定されていないが3人ともそれぞれのプロジェクトやセッションで忙しい日々が続く模様。まだまだ音楽への情熱の炎は燃え盛っている。ファンとしては昔のバンドの再演を望みたいところだが新しい活動に挑戦する彼らへの敬意と愛情を持って待つとしよう。

●CHARLES HAYWARD solo live
=tokyo=
2013 April 30(tue) & May 01(wed) 高円寺HIGH
=kyoto=
2013 May 03(fri/holiday) 京都UrBANGUILD
→All informations:ロクス・ソルス;03-3952-2590
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