A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

浜崎容子「BLACK OR WHITE」@渋谷Mt.RAINIER HALL 2019.7.4(thu)

2019年07月09日 01時34分40秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


浜崎容子「BLACK OR WHITE」@渋谷Mt.RAINIER HALL 2019.7.4(thu)
2019/7/4(木)
会場:Mt.RAINIER HALL
会場/開演:18:30/19:00
タイトル:「BLACK OR WHITE」
チケット代金:¥5.500.

トラウマテクノポップバンド「アーバンギャルド」のボーカルにして絶対的アイドル、よこたんこと浜崎容子のソロ・ワンマン・ライヴ。今から8年前の2011年8月に初めてライヴを観て衝撃を受けて以来、熱心に通い詰めたアーバンギャルドの対バンででんぱ組.incと出会い、地下アイドルにハマるきっかけをくれた大恩人であるが、女子アイドル沼の深みに嵌るにつれて、アーバンの現場に赴くことはめっきり減った。最後に観たのは2016年10月青森での夏の魔物だったと思う。タマにYouTubeで動画を観る程度でアーバン熱は醒めていた。しかし1ヶ月ほど前にYouTubeのおススメに出て来た浜崎容子の新ビデオを観て、身体の下の方から熱いモノがこみ上げて来た。一見大人の女性、しかし声はショートケーキで、私生活は引きこもりまで行かなくともかなり非社会的に違いない。そんな影のある女性の歌を聴きたくなって、『BLIND LOVE』『Film noir ultime』2枚同時リリース記念ライヴに出かけることにした。


アーバンギャルドの欝フェス@渋谷club asia 2011.8.10(wed)

Mt.RAINIER HALLは「真夜中のヘヴィロック」で頭脳警察や非常階段、灰野敬二などを観た会場。意外なことに会場を埋めるのは落ち着いた雰囲気の初老〜中年男性と、サブカル女子OBとお見受けする個性的な女性が半々。アーバン現場を埋め尽くす血玉セーラーアーバンギャルやアーバンギャルソンは皆無である。中堅シャンソン歌手のリサイタルの雰囲気であろうか。身体が埋まりそうなフカフカのシートは座ると立ち上がる気がしなくなるが、今日のコンサートは総立ちになることはなく、ゆっくりと歌を堪能するには最適の環境だった。



ブラックまたはホワイトというコンサートタイトル通りに前半は黒のミニのワンピース、後半は白いロングドレスで登場。アーバンギャルドのキーボード奏者おおくぼけいを含む4人組バックバンドは派手さはないが、比較的少ない音数の絶妙なアンサンブルで歌をバックアップする。真ん中に立つ長身の浜崎容子の存在感は圧倒的。前半は時折後ろを向いて水を飲むだけで、とにかく歌に専念している模様。最新アルバム『Blind Love』は角松敏生のプロデュース。サブカルの歌姫とシティポップ/フュージョンの貴公子がどこでどう出会ったのか不思議だが、洗練されたプロデュースにより、浜崎のマニアライクな個性がオブラートに包まれ、万人が楽しめる普遍性を得たことは確か。かといって流行りのシティポップに迎合することなく、心の闇が透かしてみえる奥の深さを内包した文化系ポップワールドが描かれている。ライヴで聴くと闇と光がより接近して表裏一体になるが、あくまで黒か白で、決して交じり合って灰色になることがないゾロアスター的な二元論が展開される。ジキルとハイドではなく、浜崎容子と浜崎容子、同じ二人が一人になろうと睦み合うマジックが無限の色彩を描き出す浜崎容子の魅力である。

浜崎容子「バイブル」


後半の最後から2曲目に披露した「これは涙じゃない」のコケティッシュな言葉の内に秘められた悲しみが、甘いメロディに溶けてレイニア山脈の湧き水となって溢れ出す風景を幻視した。アルバムジャケットの暗闇に目を凝らせば浜崎の瞳が潤んでいることが分かるだろう。それは悲しみの涙ではない。その証拠に年末に東京大阪ONE MAN LIVE TOUR『Before dawn』(夜明け前)開催が発表された。喜びの涙は大歓迎である。涙は飾りじゃないのだから。

浜崎容子 FORGIVE ME


聴いてると
裸になりたく
なる歌声

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