A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ジェームス・チャンス&ザ・コントーションズ@青山ブルーノート東京 2016.1.24(sun)

2016年01月26日 01時03分17秒 | 素晴らしき変態音楽


JAMES CHANCE & THE CONTORTIONS
ジェームス・チャンス&ザ・コントーションズ


フリージャズ + JBのファンクネス
ポストNYパンクのカリスマ5年ぶりに来日


『NO NEW YORK』の衝撃が今、クラブに解き放たれる。痙攣と爆発を繰り返すヴォーカルとサックス・プレイ、そしてトレードマークのリーゼント姿で音楽シーンを唖然とさせたジェームス・チャンス&コントーションズが初めてブルーノート東京に登場する。ウィスコンシン州に生まれ、’75年N.Y.へ移住。’77年にコントーションズを結成し、ブライアン・イーノのプロデュース作品『NO NEW YORK』に、アート・リンゼイを擁するDNAらと共に参加して音楽シーンを揺るがした。2010年リリースのコンピレーション・アルバム『Twist Your Soul -The Definitive Collection』もロング・セラーを続けるジェームス。今なお尖り続けるコントーションズ・サウンドを全身で浴びようではないか!

James Chance(vo,as,key)
ジェームス・チャンス(ヴォーカル、アルトサックス、キーボード)
Mac Gollehon(tp,vtb)
マック・ゴルホン(トランペット、ヴァルブトロンボーン)
Tomas Doncker(g)
トーマス・ドンカー(ギター)
Eric Klaastad(b)
エリック・クラースタッド(ベース)
Richard Dworkin(ds)
リチャード・ドゥオーキン(ドラムス)



80年代初頭にポストパンクやフェイクジャズでフリージャズに目覚めた筆者だが、ジェームス・チャンスは特に好きだった訳ではない。当時サブカル誌で話題になっていたコンピ『NO NEW YORK』もちゃんと聴いたのは90年代になってからだったと記憶する。その代わりにレジデンツ/クローム/タキシード・ムーン/MX80サウンドによるコンピ『サブタレニアン・モダーン』を愛聴していた。82年に日本盤が出て購入した『BUY』に対する印象は、NYアート界にキッチュに味付けされた紛いもの、という身も蓋もないものだった。



しかし21世紀になって当時のバンドやアーティストが殆ど現役引退する中で、ひとりしぶとく活動するジェームス・チャンスに心を惹かれ、どのレコードを聴いても変わらないペラペラの捻れサックスが快感になった。海賊盤まで買い漁るうちに、2005年に初来日、初めて訪れた代官山UNITで観たパフォーマンスは、興奮していて余り覚えていない。その5年後2010年に再来日。会場は恵比寿リキッドルームと広くなり、対バンにフリクションを迎えてエンターテイナーぶりを発揮した。
ジェームス・チャンス&ザ・コントーションズ他@恵比寿リキッドルーム 10.5.29(wed)
James Chance & The Contortions を観てきたよ(2005.7.16)

それから更に5年経ち、今度はブルーノート東京に再来日。NYのダウンタウンの元チンピラがセレブクラブへ出演するとは世も末だ、絶対行くもんか、と(真の理由はチャージ8500円と高額のため)シカとを決め込んでいたら、昨年12月に上原ひろみを観に来た時に50%割引クーポンを貰ったので、ラッキー!とばかり予約した。

JAMES CHANCE & THE CONTORTIONS : BLUE NOTE TOKYO 2016 trailer


一昨年のサン・ラ・アーケストラもそうだったが、ブルーノートの客筋には前衛ジャズはすこぶる人気が低い。坂本龍一や渋谷系とリンクしてお洒落系の支持を得たアート・リンゼイならともかく、エスタブリッシュに背を向けて極道を歩む痺れサックス吹き目当の客は決して多くはない。八代亜紀、サン・ラ以来の最前ブロック中央の特等席をゲット。比較的若い客層が多い気がした。

開演時間が過ぎると、客電がついたままの通路をダボダボのブラックスーツでチャンス御大が登場、おもむろにピアノの前に座りソロで「ブラウン・アイズ」、そしてバンドを交え「酒とバラの日々」をカラオケっぽく歌う。ウッドベースとセミアコギターがフェイク感を醸し出す。「ブルーノートだからって、まさかこのままジャズライヴにならないよね」と一抹の不安を感じたが、二曲やりきると気が済んだとばかり立ち上がり、マイクの前に立つ。メンバーもホッとしたように楽器を持ちかえる。

「デザイン・トゥ・キル」から本気のコントーションズがスタート。ハイピッチのトランペットの高揚感、ここぞと臭いオカズを入れるドラム、顔を見合わせながらキメるベースとギター。バンドの只者じゃない感がハンパない。そして何よりも、酔ったステップ、よれたシェイク、痙攣するサックス、迸るオルガン、檄するシャウト、JC印のオンパレードが目の前で演じられる快感に心が悶える。こんな間近でJCを観る日が来るとは夢にも思わなかった。

JAMES CHANCE & THE CONTORTIONS @BLUE NOTE TOKYO (2016 1.22 fri.)


自作オリジナルナンバーにフランク・シナトラとジェームズ・ブラウンの曲を交えた80分のステージは終始歓びと自信に満ちた享楽の世界だった。また5年後に来日してくれることを楽しみにしていたい。

【ライヴ写真多数】ブルーノート東京ライヴレポート

激情歌
捻転サックス
虚飾症



ジェームス・チャンスから巻上公一生誕祭へまわしたのだが、巻上のライヴレポートは2月下旬公開「JazzTokyo #206」に掲載予定。
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1 コメント

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Unknown (RQ)
2016-01-30 23:03:48
JC よれたじいちゃんだったけど、かっこよかった。
遠征したかいあり。
TV 呼び屋が中止・延期連発する迷惑極まりないところ
なので行かず。
モノクロームセット・スリーオクロックも延期。
企画したライブの開催率いくらよ?
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