中原昌也個展 ウィークエンド・ライヴ vol.2は蛍光灯を楽器化したオリジナル・インストゥルメントOptron奏者、伊東篤宏氏との共演。中原氏とは何度も共演しており旧知の仲。私が前回観たのは2010年11月恵比寿での伊東氏の個展のときだから1年半ぶり。
昼間の洋輔さんのコンサートからハシゴして開場時間にギャラリーへ行くと何のセッティングもされていない。中原氏が雨のため電車で機材を運ぶことが出来ず急遽タクシーで会場へ向かっているとのこと。展示を観たり、他のギャラリーを覗いたりして時間を潰していたら、開演時間ギリギリに中原氏が到着。慌ててテーブルを出して機材のセッティングを始める。セッティングの様子を見れるのは滅多にない機会だから面白かった。「あー、あれ忘れた」「これどう繋ぐんだっけな」などと独り言を呟きながら作業する中原氏。伊東氏は用意したエアシンセが電源コードの故障で使用出来ず。あたふたしているふたりの周りを観客が取り囲む。前回のウィークエンド・ライヴの時の倍近く50人程で満員。このブログで知って観に来た人もいるのかもしれない。
伊東氏のセッティングが終わり低いノイズ音を出し始める。中原氏は準備出来たものから順番にスイッチを入れ音を出し、そのままセッションに突入。Optronの効果を出すために照明が落とされる。伊東氏の演奏を初めて観たのは7年位前。サウンドが蛍光灯の光に呼応して変化するのが視覚的にも面白くて印象的だったが、さらに様々なエフェクターを使用してより多彩な音色が出せるようになった。中原氏は前回使ったリボン・シンセなどの飛び道具はなしで基本的にエフェクター/シーケンサーを使った正統派(?)ノイズ演奏。タンジェリン・ドリームを思わせるドローン音から次第に脈動するリズムの上に電子音を重ねてゆく。緩急に富んだストーリー性のある演奏で50分があっという間に過ぎた。演奏が一旦終了すると中原氏が「もう少しやりましょうか?」伊東氏「お客さんが辛くなければね」。「大丈夫!」という声が観客の中から上がり演奏再開。今度はリズムレスのアブストラクトな演奏を10分。ふたりの見事なコンビネーションで充実した時間を過ごした。
次回は4/7(sat)東野祥子嬢とカジワラトシオ氏との共演だが狭いギャラリーに満員の観客が押し寄せたら東野嬢のダンスを披露するスペースはあるのだろうか、といらぬ心配をしてしまう。
オプトロン
進化してます
新楽器
中原昌也氏が音楽を担当した映画「アノソラノアオ」が渋谷ユーロスペースで公開中。主題歌は坂本慎太郎氏だというから何を置いても観に行かねばなるまい。
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