A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【キルトが描く自由精神有機世界】ドン&モキ・チェリーのコスモポリタン最大主義(マキシマリズム)

2014年11月19日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


11月18日はトランペット奏者ドン・チェリーの誕生日。オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、アーチー・シェップ、ファラオ・サンダース等と並ぶフリー・ジャズのオリジネーターであるドン・チェリー本名Donald Eugene Cherryは、1936年11月18日アメリカ・オクラホマに生まれた。ロサンゼルスでR&Bバンドで活動していたが、1957年オーネット・コールマンと出逢い活動を共にする。1958年オーネット・コールマン『サムシング・エルス』でデビュー。以降60年代半ばまでに、先に挙げたフリー.ジャズの闘士たちをはじめ、ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズとも共演。69年にブルーノートよりファラオ・サンダースを含む自らのカルテットで『Where Is Brooklyn?』を、仏BYGレーベルからエド・ブラックウェル(ds)とのデュオ『Mu Part1』&『Part 2』をリリース。ジャズ・トランぺッターとしてのドンの魅力が全開したこれらの作品のジャケットを飾ったのが、パートナーのモキ夫人によるキルト・アートだった。



70年代に入るとスウェーデンに定住し、アフリカ、中南米、インド、汎ヨーロッパなど世界中の様々な音楽要素を吸収し、オーガニック・ミュージックの元祖となるドン・チェリーの世界を見事に視覚化したのが、ユーモラスでファンタジックでウィアードなキルトだったことは間違いない。フリーからスピリチュアル、そしてコスモポリタニズムへと向かうドンの最高の旅の伴侶はモキ夫人とキルト・アートだった。



特に『相対性組曲』という秀逸な邦題のアルバム『Relativity Suite』では、カーラ・ブレイ、ポール・モチアン、チャーリー・ヘイデン等18人編成のジャズ・コンポーザーズ・オーケストラを率いて一大エスノ交響楽を奏でた。1975年に日本の富樫雅彦が『スピリチュアル・ネイチャー』で繰り広げる自然派ジャズ組曲との以心伝心に注目したい。1974年に初来日しモキとふたりの子供ネナとイーグル・アイと共に車座になって歌い遊んだドン・チェリーのステージにゲスト出演した富樫の心に大きなインスピレーションを与えたのは間違いない。



キルトジャケの公式な最終作は1978年リリースのライヴ録音盤『ライヴ・イン・アンカラ』となるが、裏ジャケに回想録風の長いライナーノーツを認(したた)めたモキ・チェリーMonika Marianne "Moki" Karlsson Cherry は、1995年10月ドンの没後も生まれ故郷のスウェーデンで画家/キルト・アーティストとして活動を続け、2009年8月29日に66歳で亡くなった。



オーガニック
コスモポリターナ
マキシマリスト





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【バンドブーム30周年】聴い... | トップ | 【日本の冬・カレーの冬】冬咖喱特集... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

素晴らしき変態音楽」カテゴリの最新記事