A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【地下アイドルへの招待】第3回:ムジカ・エレクトロニカ・ガールズ〜sora tob sakana/amiinA/HAMIDASYSTEM

2018年01月07日 02時09分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


クラフトワーク、ディーヴォ、YMOの世界的成功によりテクノポップブームが巻き起こった1980年代筆者も電気カミソリでもみあげを剃りテクノカットにしていた。音楽シーンではピコピコ電子音とリズムボックスのテクノ歌謡が流行。P-Model、プラスチックス、ヒカシューがテクノ御三家として喧伝された。その後バンドブーム~90’s地下音楽へと進んだ筆者は、テクノイズよりもバイオニックノイズが好きで、現代音楽に於ける電子音楽とミュージックコンクレートに目がいや耳がない。エレクトロニカという単語の響きはクラバーとかユーチューバーとかに似ていて尻が軽そうでいけ好かない。だからその手のジャンルはほぼスルーしてきたが、テン年代にアイドル沼で出会うこととなった。この沼には何でもあるが、金の斧銀の斧には気をつけなければなるまい。

●sora tob sakana(ソラトブサカナ)


2014年7月21日結成。通称「オサカナ」。風間玲マライカ(16)、神崎風花(16)、寺口夏花(17)、山崎愛(14)の中高生4人組。グループ名には「未完成が完成に近づけるように、空に飛び立っていけるように、一歩ずつ空を目指し成長して行く」という思いが込められており、月面ライブをすることを夢としている。アイドル育成ゲームを思わせる設定だが、ポストロック、エレクトロニカ、ミニマル・ミュージックなどに影響された楽曲は百鬼夜行のアイドル・シーンでも前回紹介したブクガと並ぶ最変態拍子組。Art Spaceここからでアンビエント/現音系ファンに聴かせたところ最も評判良かったのがオサカナだった。“ロリコンだけどリアル子供はNG”がモットーの筆者にとっては、我が子の晴れ舞台を眺める保護者の気分になるので引いてしまうが音楽性は推したい。

sora tob sakana/魔法の言葉(MV)



●amiinA(アミーナ)


2012年結成。amiとmiyuによる高校生ガールズユニット。ポストロック、エレクトロニカ、北欧サウンドなどジャンルを越えた楽曲群とタイプの異なる2人の少女が織り成すパフォーマンスで唯一無二の世界観を作り上げる。飛び出すジャケットや9面ジャケットといったアートワークへのこだわりは音だけではなくヴィジュアルやコンテクストを表現の核とする総合芸術志向の現れだろう。年齢的にはNGだが、ジャングル大帝やライオン・キングを思わせる壮大な大自然を尊重するコンセプトは、学芸会より東京ディズニーランドのアトラクションに近く、エンターテインメントとして成熟している。メンバーが二人だけなので、好色家の心の中を見透かされる危惧は少ないが、完全に無いとは言い切れないのが辛い。

amiinA『Callin'』MV



●HAMIDASYSTEM(ハミダシステム)


2016年11月3日結成。「今の自分からはみ出すために、新しいシステムを作ろう」という想いから結成された。合言葉は「はみだす勇気をあなたにも!」。当初はアイドルの枠をはみだそうとして激しいロックやマグロ解体ライヴなど試行錯誤していたが、2017年後半から「メロディック・エレクトロニカ」を打ち出しはじめる。シルエットしか見えない逆光照明、手拍子困難なスローモな曲調、露出度過少衣装、無表情なパフォーマンス。低血圧な存在感には経血という女子特有の現象へのオマージュを感じる。絶対盛り上がらせまいと透徹したコールド・ウェイヴ路線はアイドル界のThis Heatと呼んでいいだろう。AMEBA、SODA、BEET、FLAMEとメンバー名も時計仕掛けのオレンジっぽい。FLAMEのキュートなしっかり者ぶりに惚れた。

HAMIDASYSTEM - 蝉の声 (Official Music Video)


エレクトロ
セレクト女子の
テロリスト

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【えいたそモダニズム】Episo... | トップ | 【爆裂女子-BURST GIRL-】デ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Deep Listening to Female Sounds (haragaki)
2018-01-07 06:56:45
いや、ムジカ・エレクトロニカの世界こそ、フィメール・アーティストの跳梁する現場じゃないですか! ポーリン・オリヴェロス、エリアーヌ・ラディーグ、エリゼ・マリー・ペイド 、ダフネ・オラム、デリア・ダービーシャー・・。
クセナキスやシュトックハウゼンのマッチョな電子音楽より、これら女流作家たちのフェミニンな音宇宙に心魅かれます。
あー、エリアーヌ・ラディーグ、来日しないかなあ・・。
返信する
追記 (haragaki)
2018-01-08 16:45:44
ついでといっては何ですが、日本のムジカ・エレクトロニカ・ガールズの始祖といえば、やはりこれですね。

https://www.youtube.com/watch?v=2bji3K4de7k

79年にこの音! 日本のアン・スティール!
まさか矢野誠が日本のロベルト・カッチャパーリアだとは御釈迦様でも気づきませんでしたが、ジャパニーズ・ポップスにおける矢野誠の功績はいま以上に評価されてしかるべきだと思う次第。
返信する

コメントを投稿

ガールズ・アーティストの華麗な世界」カテゴリの最新記事