A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【えいたそモダニズム】Episode 31『レコード・ジャンボリー』〜ハイロウズ/三上寛/エアロ/フジファブリック/安藤裕子/TH eROKERS/森尾由美/マジカルパワーマコetc.

2019年12月07日 13時23分13秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


でんぱ組.inc LIVE Blu-ray/DVD 「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL」リリース記念イベント
2019年11月4日(月・祝)ヴィレッジヴァンガード渋谷本店
19:00〜 参加メンバー/成瀬瑛美・根本凪





ニューDVD/BDリリースに先立つこと1ヶ月前に推しメン・えいたそこと成瀬瑛美さんと接触する機会を得た。これまで何度か単独チェキ会が開催されたが、今回はメンバー二人でサイン会という趣向。ヲタクとして本音を言えばチェキに勝るご褒美はないが、ひとことしか話せないチェキに比べてサインの方が長めに話せるかもしれない。ステージ登場したえいたそとねもちゃんこと根本凪は前日リリースされたばかりの7インチ・シングル盤3種を手にして「かわいいね〜♡」と喜んでいる。他のアイドルに比べてでんぱ組はアナログ・リリースが多い。メンバーだけでなくスタッフもヲタクが多いので、アナログ・レコードヲタクもいるに違いない。同じレコヲタとして嬉しい限り。



チェキ撮影がないので並んだヲタクの身なりも普通が多く、全身推し色やコスプレ姿は殆どいない。しかしえいたそはいつも以上にハイテンションで、ねもちゃんがいるにもかかわらず聞こえるのは瑛美の奇声ばかり。てかそれは筆者の耳が推ししか聞こえないが故であろうか?それはともかく写真を撮られる緊張感はなかった。にもかかわらずサイン中に何を話したかトンと思い出せない。ロックの話をした気がするのだがはて?去り際にお題を求めたら「レコード。いっぱいあるよね?」と言われ「得意分野だよ、バッチグー!」と応えたことは鮮明に覚えている。初接触のねもちゃんに「ブログのお題下さい」と言ったら「えーとえーと」と考えて「好きなコンビニスイーツ!」と大喜利のようなお題をいただいた。ねもちゃん、僕が好きなのは「ブリンモンブラン」です。





●でんぱ組.inc『UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL』


でんぱ組.incの全国ホールツアー「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019」の番外公演として9月18日に開催したZepp DiverCity TOKYO公演を映像化。「いのちのよろこび」「プレシャスサマー!」「バリ3共和国」ほか、全19曲を収録。8月28日のNHK大阪ホール公演やメイキング、フォトブックレットなどの特典が満載。

秋葉原ディアステージの従業員「ディアガール」により前身ユニット「でんぱ組」を踏まえ2009年6月に結成されてから10周年になる「でんぱ組.inc」の最新ライヴ映像。9月18・19日のZepp DiverCity2デイズの初日のライヴステージが収録されている。ご存知の読者も多いだろうが、この日のアンコールで古川未鈴が「結婚」をサプライズ報告して話題になった公演である。現場に居た筆者の印象では、未鈴ちゃんがひとりステージに登場して「大事なお知らせがあります」と言ったとき、殆どのヲタクが「卒業・引退」を覚悟して会場に極度の緊張が走った。しかし誰もが予想だにしなかった「結婚」という言葉に一瞬の戸惑いがあった後、安堵の気持ちが大歓声となって会場を包み、さらに祝福の拍手に変わった。追い討ちをかける「アイドル活動を続けます」という宣言に溢れ出す感謝の嵐は、近年稀に見る最高のカタストロフだったと言っても過言ではない。こんなハプニング的ドラマを産む<でんぱ組.inc>と言う魔法をいつまでも推し続けていこうと心を決めた生涯何度目かの瞬間であった。

でんぱ組.inc、LIVE Blu-ray/DVD「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL」Trailer Movie



【えいたそモダニズム】Episode 31『レコード・ジャンボリー』
5年以上前の2014年6月1日に『えいたそ文化論』を上梓して以来、えいたそ妄想論を書き続けている筆者が無類の音楽ヲタクであることを瑛美は十分知っている筈だ。彼女に直接お題をもらうコンセプトの第五章『えいたそモダニズム』をスタートしたのは2016年11月6日。だからこのサイン会の日はほぼ丸3年目だと今になって気がついた。それを知ってか知らずか、オレにとって最も核心的な言葉「レコード」をお題として口にしたのは、瑛美とオレが7年掛けて培って来た以心伝心の絆の証に違いない。瑛美はもちろんでんぱ組とファンにとって世紀の一大イベントである『幕張ジャンボリーコンサート』前夜にブログを認(したた)めているが、胸熱の涙で目がかすみ画面が見えなくなり、何度も執筆を中断せざるを得ない状況である(寝落ちとも言う)。そんな試練にもオレのえいたそ愛は負けることはない。しっかりえいたそ妄想を広げてから、胸熱の幕張へばびゅっと飛び立つことにしよう。



●ザ・ハイロウズ『十四才』


「十四才/フルコート」は、日本のロックバンド、THE HIGH-LOWSの16枚目のシングル。2001年8月8日発売。発売元はキティ

タイトルにレコードとは謳っていないが、最愛のレコードソングライターは甲本ヒロトと真島昌利(ブルーハーツ/ハイロウズ/クロマニヨンズ)のふたりにとどめを刺す。インタビューでは常にレコード愛を語り、アナログ・レコード用の音作りを貫き通すふたりは、実はそれなりのオーディオマニアであることを知った。30年以上前に初ボーナスで買ったオーディオを未だに使っているオレも「真空管アンプが欲しい」とサンタクロースにお願いした。レコードプレイヤーにスイッチを入れればいつでも十四才になれる、それは真実だ。カラオケの十八番だが、最後の歌詞で必ず涙が零れる。

ハイロウズ 十四才



●マジカル・パワー・マコ『SUPER RECORD』


70年代初めに現代音楽家・武満徹に認められ十代でデビューした天才少年音楽家マジカル・パワー・マコの74年の2ndアルバム。

十四才のときにオープンリール・テープレコーダーで自作曲の録音をはじめたマコ。やはり彼もレコードが好きで好きでしょうがなかったのだろう。灰野敬二が参加した1stアルバム『マジカル・パワー』をドイツのファウストと同じポリドールからリリースした翌年のアルバムを『スーパー・レコード』と名付けた理由は、前衛やプログレを超越した全天球音楽を作り上げた自負の象徴だと思われる。しかしながらジャケット裏の醜悪な毛穴はグルグル『ヒンテン』への回答かもしれない。やはり天性のレコード好きだ。

Magical Power Mako - Pink Bitch (La La La)



●三上寛『このレコードを盗め』


青森出身のフォークシンガー三上寛の初のベスト・アルバム。1982年リリース。

フォーク、ブルースからジャズ、ロック、アヴァンギャルドまで境界のない音楽を48年歌い続ける三上寛は、決して異端ではなく「真実の」シンガーソングライターと呼ばれるべきだ。山下洋輔らフリージャズが参加した74年のアルバム『BANG!』に「このレコードを私に下さい」という曲があるが、このベスト盤には収録されていない。彼にとってレコード(魂)が内に籠るものから、他人に与えるものに変化したからなのだろうか。

三上寛BANG!



●エアロスミス『ビッグ10インチ・レコード』


エアロスミスが1975年に発表した通算3枚目にして、世界的な成功を収めることとなった初期の代表作『闇夜のヘヴィ・ロック(Toys In The Attic)』に収録。

76年十四才の時に聴いたキッスやエアロスミスがオレのロック初体験だった。父親に買ってもらったのは4thアルバム『ロックス』だったが、漫画みたいなキッスに比べて、エアロの猥雑な不良の世界に危ない魅力を感じた。ライナーに前作のこの曲が「10インチのナニ」と書かれていたのででかいチ○ポの歌だと思い込んでいたが、実際には5・60年代に流行った10インチ(25cm)レコードの古いジャズやブルースの歌だった。筆者は10インチレコードがサイズ的に好きで、安く売ってたらジャンルに関係なく買ってしまう病気がある。チン○のサイズはその半分もないが。スティーヴン・タイラーもそうかもと想像するとホッコリする。

AEROSMITH -Big Ten Inch Record Live1977



●ビッグ・スター『#1レコード』


アレックス・チルトン率いるメンフィス出身のロック・バンド、ビッグ・スターの1972年に発表されたファースト・アルバム。高揚感溢れるハーモニー、耳について離れないサビ、ギター・リフが魅力の作品。

ミュージシャンなら誰でも自分のレコードがNo.1になる夢を見るに違いない。パワーポップの元祖と呼ばれるビッグ・スターを率いたアレックス・チルトンがデビューアルバムに#1と付けたのは、もちろん1stだからだろうが、「俺たちがNo.1」という自信の表れだったことも想像に難くない。実際8〜90年代半ばに英米から登場したパワーポップ/オルタナ系のミュージシャンの間でのビッグ・スター/アレックス・チルトンへの支持の高さはナンバーワンと言っても過言ではなかった。今聴いても染みるメロディセンスが最高。

The Ballad Of El Goodo



●ザ・ロッカーズ『ロックンロールレコード』


現在俳優、タレントとして活躍している陣内孝則が在籍している福岡出身のロックバンド、ザ・ロッカーズ(TH eROCKERS)の2ndアルバム『COME ON』(81)に収録。

ロックンロールは理屈なんて要らない、カッコいいレコードが流れたら踊って歌って腰振ってカワイイあの娘を射止めよう。残念ながら筆者のレコード人生の中で女の子と出会うことは殆どなかった。ある年齢からはレコード蒐集と恋愛を完全に分けて考えるようになった。しかし今でもときどきレコ屋のバイトの女の子を意識しながらレコを掘るむっつりスケベは直らない。アイドルならば堂々と会いに行けるのだが、レコ屋やオフィスのあの娘の前だと緊張して上手く話せない。夢に出て来てくれたら幸せなんだけど。

ロックンロールレコード / ザ・ロッカーズ



●森尾由美『ショコラとレコード』


「レモンチックな17歳」のキャッチコピーで1983年にデビューしたアイドル歌手・森尾由美の4thアルバム『エンドレスLOVE』(84)に収録。作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦。

ひとり部屋でショコラを飲んでレコードを聴きながら恋の気分を味わう。レコード女子の日常を描いたボッサタッチの甘い歌声は、ハイテンションA-POPガールえいたその元気な歌声と結びつかないかもしれないが、彼女の別の一面「ニュイたそ」を知るオレにとっては、「レコード」というお題をオレに託した瑛美の乙女チックな気持ちが自分のことのように分かる。高校時代『りぼん』を愛読して陸奥A子・太刀掛秀子・田渕由美子・一条ゆかり・小椋冬美に心酔したオレとえいみの絆に胸熱。

森尾由美 ショコラとレコード



●安藤裕子『ドラマチックレコード』


デビュー作『サリー』で非凡な才能を開花させたシンガー・ソング・ライターのセカンド・ミニ・アルバム『and do, record.』(2004)に収録。

スーパースターの歌声が封じ込まれたレコードを聴くだけで僕等は夢と明日にステップを踏む。出会いと別れが繰り返される世の中で変わらないドラマがレコードに刻まれている。オレと瑛美の思い出もレコードにしてあの世に持っていければいいのに。

安藤裕子 / ドラマチックレコード


●フジファブリック『サボテンコレード』


切なさと情感を描くギターロックの新星、フジファブリックのファースト・アルバム『フジファブリック』(2004)に収録。叙情的な世界観を展開!

筆者の無人島レコードはFaustとDoctors of MadnessとSex PistolsとRezillosと灰野敬二と答えてきたが、問題はレコードプレイヤーも電気もない無人島でどうやってレコードを再生するかということである。その解決策としてこの若者たちはサボテンを使うことを思いついた。サボテンの針は無数に生えているで聴きすぎて針が摩耗しても取り替えられるナイスアイデア。どうせならサボテン・ドラッグでトリップしながらレコードを楽しみたいが、幻覚サボテン「ペヨーテ」は針がないので役に立たないのが残念。

フジファブリック 「サボテンコレード」 Live at Hibiya Yaon



●空気公団『夜と明日のレコード』


1997年結成、ヴォーカル山崎ゆかりの中心とするポップバンド・空気公団のアルバム7thアルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』(2012)に収録。“穴”をコンセプトに、日本橋公会堂でのホール・ライヴで披露された新曲をその場の空気感と共に収録し、その上にゲスト音楽家を迎えて新たに演奏を重ねて完成させた1枚。

レコード(Record)とは「記録」だから基本過去の出来事の集積である。レコードを聴きながら過ぎ去った思い出に浸るのも悪くない。しかしレコードを聴くことは過去の再生だけではない。聴き手の想像力次第で未来を聴くことも可能である。レコードが聴かせてくれる未来の予感に支えられて生き延びて来た筆者にとっては、レコードは宗教といっても過言ではない。レコードの神様に帰依せよ。

夜と明日のレコード (밤과 내일의 레코드)



●ザ・チャレンジ『東京レコード』


2017年12月で活動休止したザ・チャレンジが、2016年から2017年の間にライブ会場限定で販売していたCDに収録されていた楽曲を集めたベストアルバム『SUPER HITS』に収録。

変わり続ける東京の風景を廻るレコードに譬えたこの歌は、CDはともかくストリーミング時代には理解されなくなるのだろう。「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉も新旧すべてが同列に並ぶデジタルワールドには通用しなくなるかもしれない。それでも生き残るレコードを廻しながらオレの人生も廻っていく。廻るレコードに苔は生さない(Rolling Records Gather No Moss)。

ザ・チャレンジ 「東京レコード」MV


いざゆかん
でんぱ幕張
ジャンボリー


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