でんぱの神神
DVD第6弾発売記念イベント
止まない 止まない この胸の高鳴りが急かすよ
走り出せ あんぜんに!
交通安全ゲーム大会&神免許証交付会
アルバム『GOGO DEMPA』発売記念イベントを終え、夏のツアーに備えて雌伏中の時期にでんぱ組のみりんりさねむえいピンキーの5人は2週間の免許合宿で自動車運転免許を取得した。既に免許を持っているもがと合わせ、でんぱ組は全員運転免許所有、というアイドルには珍しいキャッチコピーが与えられた。とは言っても免許取得以来誰ひとりとして自動車を運転していないペーパードライバー予備軍、この日のゲームも散々で、えいたそ☆成瀬瑛美さんはマイナス10点というバラエティには有り得ない負の得点で異彩を放つ結果となった。
⇒免許取りたてでんぱ組.inc、恒例“神”イベントで交通安全ゲーム大会
ブロークン(ブレイク済み)アイドル「でんぱ組.inc」との接触の機会はほとんど有り得ないので、この日の特典会「神免許証交付会」は年に数度の貴重なコンタクトチャンスであった。地下アイドル(例:ネクロ魔)のような濃厚な接触を期待しても無駄なので、単刀直入にえいたそ論の次のキーワードを求めたところ、一瞬考えた成瀬さんの口から「えーと、ドライブ。うん、時代をドライブ!」。緊張と興奮で心臓バクバクだったが、その言葉をしっかりと胸に刻み、バイバイと手を振りその場をあとにした。交付された神免許証をパスカードに自分の免許証の隣に入れてほくそ笑みながら<ドライブ>をキーワードに世界(えいたそ)について妄想してみた。
●ザ・ビートルズ「ドライヴ・マイ・カー(Drive My Car)」
本作は1965年12月3日に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』のA面1曲目に収録された。実質的にはポール・マッカートニーの作品だが、ジョン・レノンも歌詞の部分で手助けしている。リード・ヴォーカルはポール。
免許を手に入れたら、まずは自動車を運転してみたい。「私の自動車を運転しなさい(Drive My Car)」と女優の卵に命令された男は最初は断るが、素晴らしい時間をあげると説得されて引き受ける。だけど女は自動車を持っていなかった。これから二人を待ち受ける輝く時間に想いを馳せよう。
Drive My Car-The Beatles
●RCサクセション「Drive my car」
RCサクセション83年の9thアルバム『OK』の冒頭のナンバー。タイトルからもわかるようにビートルズの「DRIVE MY CAR」へのオマージュ的作品。なお、忌野は同アルバム自体を「ビートルズで言うと、『ラバー・ソウル』や『フォー・セール』あたり、『リボルバー』まで行かないようにした」とインタビューで語っている。
忌野清志郎はロックの先達へのリスペクトにかけては人一倍想いが強い。強すぎてパロディや破壊を呼ばれることもしばしばあった。「君が代」とか(ロックじゃないが)。キヨシローにとって自動車は女体と同じ。お前に付いてるラジオ感度最高、こんな夜に発射できないなんて。ビビプビビーイエイ!というコーラスが女子の警戒心を緩める。
Drive my car / RC Succession 1983
●ザ・カーズ「ドライヴ(Drive)」
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン出身のロックバンド。バンド名は「全員、車好きだから」という理由から名付けられている。「ドライヴ」は84年の5THアルバム『ハートビート・シティ』(全米アルバムチャート最高3位)に収録。
アメリカ合衆国は車社会と言われるが、「ザ車」という名のバンドが6Xプラチナの大ヒットを放った80年代がそのピークだったに違いない。90年代以降はインターネットやソラーエネルギーに押され車社会は多少痛手を食ったかもしれない。しかしあまりに広大なアメリカ大陸で暮らすためには車と免許はライフラインである。
The Cars - Drive (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
●ピンク・フロイド「星空のドライヴ(Interstellar Overdrive)」
『夜明けの口笛吹き』(よあけのくちぶえふき、原題:The Piper at the Gates of Dawn)は、1967年に発表されたピンク・フロイドのデビュー・アルバム。サウンド的にはプログレッシブ・ロックというより、完全にサイケデリック・ロックである。発売時の邦題は「サイケデリックの新鋭」というタイトルであった。ほぼ全曲シド・バレットの作品であるが、「星空のドライブ - Interstellar Overdrive」は4人共作。ライヴでは長時間の即興演奏でトリップする。
車を運転するのに最も理想的なシチュエーションは何だろうか。輝く太陽の下、海辺や草原を走るのも悪くないが、ロマンチックなのは満天の星空の下、行き先も知れず走り続けることかもしれない。英国のサイケ兄ちゃんたちにとっては、それはドラッグに浮かれて意識が飛びそうな瞑想のようだ。
Pink Floyd -Interstellar Overdrive Video
●松田聖子「星空のドライブ」
80年代を代表するアイドル、松田聖子の1982年発表の第6弾アルバム『Candy』収録。作詞:松本隆/作曲:財津和夫。
80年代アイドルソングでは「星」は「花」や「涙」と並ぶ必須キーワード。永遠のアイドルSEIKOのレパートリーにも「星」ソングは少なくない。松本隆がピンク・フロイドの日本語タイトルをパクったかどうかは不明だが、彼が細野晴臣、小坂忠、柳田ヒロ、菊池英二と組んでいたバンド「エイプリル・フール」の69年のアルバムのサイケデリックな演奏を聴けば、ピンク・フロイドのアルバムの影響があることは間違いない。聖子ちゃんはシド・バレットを知っているのだろうか?
松田聖子 星空のドライブ (1983)
●サニーデイサービス「星空のドライヴ(Interstellar Overdrive)」
サニーデイサービスが94年にMIDIレコードからリリースしたメジャーデビューミニアルバム。「星空のドライヴ」「クイズアカデミー」「ミラー・ミラー」「アニヴァーサリー・オブ・ラヴ」「クイズアカデミー(インスト)」の5曲収録。
コチラはもちろん確信犯。下北沢を拠点にした渋谷系なので、洋楽への憧れを何の衒いも無く表現している。この頃の彼らはマンチェスターやシューゲイザーなどUKロックのフォロワー的なサウンドだったが、半年後はっぴいえんどに傾倒した和風ロックに様変わりし、時代の寵児となる。洋楽へのオマージュはその後も続いた。
サニーデイ.サービス / 星空のドライヴ
●エリオット・マーフィー「真夜中の暴走(Drive All Night)」
ニューヨークのストリートロック詩人として73年にデビューしたエリオット・マーフィーの77年の4thアルバム『アメリカン・ヒーロー(Just A Story From America)』に収録。ロッカーの生き様を歌った自伝的内容で、数多くのロッカーにカヴァーされるアンセム。
オールナイトでぶっ飛ばせ!と歌うエリオットは90年代以降はフランス・パリに居を定め、ヨーロッパ的エレガントさを身につけながらも街の吟遊詩人として活動を続けている。「エリオット・マーフィーっていうロック歌手が昔いたよね。今はどこでどうしているのか誰も知らない」と自嘲気味に歌ってから「エリオット・マーフィーはココにいるぜ!まだまだ元気にロックを歌い続けているんだ!」と誇らしげにシャウトするのがお約束。
Elliott Murphy - Drive All Night - 4/22/1977 - Capitol Theatre (Official)
●ブルース・スプリングスティーン「ドライヴ・オール・ナイト(Drive All Night)」
72年デビュー、アメリカを代表するロックンローラー。愛称「ボス」の80年の2枚組5thアルバム『ザ・リバー(The River)』に収録。8分半のアルバム中最長のナンバー。映画のサウンドトラックで何度か使われている。
エリオット・マーフィーと同期で、"第二のボブ・ディラン"と呼ばれたロック・シンガーのひとり。結果的にブルースが「ボス」になった一方で、エリオットは「ルーザー」かもしれないが、2010年代にパリを訪れたブルースとセーヌ川の橋の上で会い「エリオット、どうしてるんだい?」「俺は元気で楽しくやってるよ」「それはうらやましい」という会話がエリオットのライヴMCで再現される。
Bruce Springsteen - Drive All Night
●シンディ・ローパー「涙のオールナイト・ドライヴ(I Drove All Night)」
78年デビュー、80年代アメリカを代表する女性シンガー・女優。グラミー賞、エミー賞、トニー賞の受賞経験がある。「涙のオールナイト・ドライヴ」(89)は元々はロイ・オービソンのために書かれた曲で、ロイのレコーディングも1987年に行われていたが、シンディのバージョンが先にリリースされた(ロイ・オービソンのバージョンはロイの死後、1992年にリリースされている)。2003年にはセリーヌ・ディオンがダンス・ポップアレンジでカバーしている。
一晩中運転し続けるのは男だけじゃない。女も走り続けるわ、とばかりにファンファンファンと元気なダンスを魅せるシンディは今でもおてんば娘。女性ヴォーカルに「涙の〜」と邦題を付けるのは相当年配のA&Rに違いない。
Cyndi Lauper - I Drove All Night
●尾崎豊「Driving All Night」
83年17歳でデビュー、92年26歳で突然の死。ヒーロー伝説を生んだ破滅的シンガーソングライター尾崎豊の85年の5thシングル。シングルは1985年8月25日に行われた大阪球場でのライブで録音されたライブバージョンとなっている。
尾崎豊といえば夜中雨の中ひとりで走り回るイメージがある。燃える身体のPVはイメージ通り。ブルース・スプリングスティーンからの影響を隠さない尾崎なので、ボスへのアンサーソングの意味もあるに違いない。徹夜で走って先にあの世に逝ってしまった。
Driving All Night PV ビデオクリップ 尾崎豊
●kors k feat.古川未鈴「Drive Me Crazy」
Drive Me CrazyとはBEMANIシリーズに収録されている楽曲である。初出はbeatmaniaIIDX 19 Lincle(以下IIDX)。アーティスト名義の通り、作詞・作曲はkors k、ボーカルは古川未鈴。Lincleのテーマに合った、とてもかわいらしい楽曲である。
免許を持っていないメンバーが多いからかもしれないが、ドライブを歌った最近のアイドルソングは見つからない。もちろん免許取得前の時代のでんぱ組にも自転車以外のドライブナンバーはない。ところがYouTubeをググっていたら、なんとセンター赤色みりんちゃんこと古川未鈴さんがDRIVE曲を歌っていたことを発見。みりんちゃん得意のゲームミュージックで歌われるDRIVEとは、"自動車の運転"の意味ではなく、"あなたに夢中"という意味だが、ドライヴつながりには違いない。
kors k feat.古川未鈴 - Drive Me Crazy
以上の検証から、えいたそが口にした「時代をドライブ」というキーワードは、「時代を乗りこなせギャロップ」(でんでんパッション)というえいたそ担当フレーズを意識したことが判るだろう。つまり運転免許を取得したことで、ギャロップしなくても時代を乗りこなす(ドライヴする)ことが出来るようになった訳である。ただしくれぐれも野性のママにスピードを出し過ぎては逝けませんぞ。
ドライブは
楽しいけれど
気をつけて
Eimi,You Drive Me Crazy!!!!
でんぱ組.inc 「でんでんぱっしょん」 カッコイイ!その1