A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ヘア・スタイリスティックス 無声映画LIVE「戦艦ポチョムキン」@吉祥寺 バウスシアター 2012.7.5 (thu)

2012年07月07日 00時41分40秒 | 素晴らしき変態音楽


昨年6月30日第4回爆音映画祭にてサイレント映画「極北の怪異」とコラボしたヘア・スタイリスティックスa.k.a.中原昌也氏が今年の第5回爆音映画祭では1925年に「第1次ロシア革命20周年記念」として製作・公開されたセルゲイ・エイゼンシュテイン監督によるソビエト連邦のサイレント映画「戦艦ポチョムキン」上映に合わせて生演奏をするライヴを実施。共演は前回同様キーボードの前田瑛未嬢。

21:30開演というレイト・ショーだったが100名以上の観客が集まりほぼ満席。普段のヘアスタのライヴではこんなに集まらないので、爆音映画祭人気のお蔭だろう。20~30代の若者中心。リハが押して開場が遅れ、暑い夜だったが皆不満も言わず大人しく待っていた。

ステージ右手に中原氏、左に前田嬢。観客が全員席に着くと中原氏がステージに上がり、そろそろ始めましょうか、と上映の合図をする。「戦艦ポチョムキン」は実際に起こった反乱事件を元に脚色された作品。戦前の日本では共産主義のプロパガンダ映画として上映が禁止されていたという。前半はポチョムキンでの兵士たちの生活を面白おかしく描く比較的和やかな内容。前田嬢が予め作曲してきたという物悲しいメロディをエレピで奏で、その上に中原氏の電子音が乗るというアンビエントな演奏。映像もメリハリに乏しく眠気が誘う。

しかし後半の「映画史上最も有名な6分間」と言われる「オデッサの階段」のシーンで演奏が一変。前田嬢の激しくスピード感のあるミニマル・ピアノに対峙する中原氏の轟音ノイズとこの日のために購入したというシンバルとタンバリンの連打、さらに久々に聴く絶叫が炸裂。兵士の容赦ない射撃に階段の市民が次々に殺されていくショッキングな映像と相まって衝撃的なエントロピーが放出される。さらに反乱軍のポチョムキンからの砲撃による市街の破壊シーンのカタストロフへと登り詰める。最高潮に盛り上がったところで突然映画・演奏が終了。余韻に浸る間もないエキサイティングな展開に観客も顔を高揚させて岐路につく。

正直言って前回の「極北の怪異」よりも数倍面白い映像との共演だった。次回の爆音映画祭ではヘアスタはどんな映画とコラボしてくれるのか楽しみである。

▼オデッサの階段のシーン/音楽:中原昌也+前田瑛未



落下する
乳母車
ポチョムキン

かなりの量のシンバル類を入手した中原氏、ますます移動が大変になるだろうな~。

★本日は待望の映画「ドキュメント灰野敬二」の公開日である。初日は白尾監督と灰野さんの舞台挨拶、先着ポストカード・プレゼントに劇場限定のサウンドトラックCD販売があるとのこと。残念ながら私はやむを得ぬ事情で初日には行けないが、行ける方は是非観に行っていただきたい。






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