クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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10-09 No.3-2

2010年09月02日 18時59分53秒 | Weblog
8.572368
ボッケリーニ:6つのチェロ・ソナタ(A.ピアッティ編 )
1-3.チェロ・ソナタ第1番イ長調 G.13/4-6.チェロ・ソナタ第2番ハ長調 G.6
/7-9.チェロ・ソナタ第3番ト長調 G.5/10-12.チェロ・ソナタ第4番変ホ長調
G.10/13-15.チェロ・ソナタ第5番ヘ長調 G.1/16-18.チェロ・ソナタ第6番
イ長調 G.4
フェドール・アモソフ(チェロ)/スン・ジェンル(ピアノ)
1771年にロンドンで発表されたこの 6曲のソナタは、本来チェロと通奏低音の
ために書かれていました。それを1870年代にイタリアの名チェリスト、アルフ
レード・ピアッティがチェロとピアノのために編曲。彼自身が素晴らしい技巧
の持ち主だったせいもあり、もともと聴き応え(弾き応え)たっぷりの原曲が、
一層輝かしい作品へと変身しています。ボッケリーニ特有の滑るようなパッセ
ージはそのまま、竹を割ったような決然とした響きが耳にも新鮮です。ここで
演奏するロシア出身のチェリスト、アモソフは、2007年クヌシェヴィツキー・
コンクールを始めとした多くの国際コンクールの覇者。若々しく溌剌とした音
色で聴き手を魅了します。

8.572425
アルウィン:室内楽作品集
1.クラリネット・ソナタ/2-4.オーボエ・ソナタ/ 5-8.ヴィオラ・ソナタ…
世界初録音/ 9-11.オーボエとハープのための組曲/12-15.弦楽三重奏曲/
16-23.対話(前奏曲/ロマンス/コラール/フゲッタ/アリオーソ/カリヨン/イン
テルメッツォ/カプリッチョ)
ロバート・プレーン(クラリネット)…1.16-23/ルーシー・グールド(ヴァイオ
リン)…16-23/ソフィア・ラーマン(ピアノ)…1-8.16-23/サラ・フランシス
(オーボエ)…2-4.9-11/サラ・ジェーン・ブラッドリー(ヴィオラ)…5-8/
ルーシー・ウェイクフォード(ハープ)…9-11/エルミタージュ弦楽三重奏団
… 12-15
膨大な作品を残したイギリスの作曲家アルウィン(1905-1985)。室内楽作品は
その中でも重要な役割を占めることは間違いないでしょう。このアルバムには、
1934年から1962年までに作曲された 6つの作品を収録しています。クラリネッ
ト・ソナタでは緩やかなメロディーが用いられていますが、その作風は後期に
なるに従って、少しずつ収斂し、より仄暗い世界へと傾いていくのです。まだ
諧謔性のあるオーボエ・ソナタ、そして暗き雲が立ち込めるかのようなヴィオ
ラ・ソナタなど、渋い音楽好きにはたまらない曲集でしょう。「対話」と称さ
れた短い8つの曲は、無駄な物が一切ない、厳しく美しい世界です。

8.572467
マルティヌー:フルートを含む室内楽曲集
1-4.フルート、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ H.254/5-7.フルートと
ピアノのためのソナタ H.306/8-12.ピアノと木管楽器のための六重奏曲
H.174/13-15.フルート、チェロとピアノのためのソナタ H.300
演奏:ハルデン・マーティンソン(ヴァイオリン)…1-4/ジョン・フェッリロ
(オーボエ)…8-12/トーマス・マーティン(クラリネット)…8-12/リチャード
・ランティ(ファゴット)…8-12/スザンヌ・ネルソン(ファゴット)…8-12/
ロンダ・ライダ(チェロ)…13-15/フェンウィック・スミス(フルート)/サリ
ー・ピンカス(ピアノ)
チェコの作曲家、マルティヌー(1890-1959)の室内楽作品集です。フルートと
ヴァイオリン、ピアノのためのソナタ H.254は1936年パリで作曲され、高名な
るフルーティスト、マルセル・モイーズの妻に捧げられた曲です。コンパクト
な4つの楽章からなり、プーランク風の軽快さも感じさせます。H.306のフルー
ト・ソナタはナチス・ドイツの迫害を逃れ、ニューイングランドで書かれたも
の。ニューヨークでは、クーセヴィッツキが彼を擁護し、落胆していたマルテ
ィヌーの力になったのです。ここで彼は、この土地固有の鳥の声(ヨタカ)に興
味を持ち、終楽章ではその声が取り入れられています。1929年に書かれた六重
奏曲 H.174は 12月のパリを連想させる曲。民謡からジャズまで様々な音楽が
聞こえてきます。1944年に書かれた三重奏曲の自由な作風も期待通り。

8.572497
アイアランド:
1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調
4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調
7-9.チェロ・ソナタト短調
演奏:ルーシー・グールド(ヴァイオリン)…1-6/アリス・ニアリー(チェロ)
…7-9/ベンジャミン・フリス(ピアノ)
イギリスの実業家、ウォルター・ウィルソン・コベット(1847-1937)が開催し
た室内楽コンクールに入賞することは、当時のイギリスの若き作曲家たちにと
って大きな励みとなりました。もちろんアイアランド(1879-1962)もそんな中
の一人。彼は1907年のコンクールに作品(幻想トリオ)を提出し2等賞を獲得。
コベットから多くの言葉をかけてもらい、喜んだアイアランドはヴァイオリン
・ソナタをコベットに献呈したのです。第1番のソナタはどことなくフランス
風の趣きを持った30分を越える大作。とりわけ第2楽章の幻想的なロマンスが
耳に残ります。第2番はさらに流動的なメロディが印象的な作品です。チェロ
・ソナタは幅広く歌うチェロ・パートが美しく、各楽章の色合いの対比も楽し
い曲です。

8.572630
期待の新進演奏家シリーズ
1-6.J.S.バッハ(1685-1750):リュートのためのパルティータホ長調 BWV1006a
/7-9.ブリテン(1913-1976):ダウランドによる夜想曲 Op.70(瞑想するように
-非常に興奮して-休み無く-不安げに/行進曲のように-夢見るように-優しく揺
れて/パッサカリア-ゆっくり、そして静かに)/10.デュアート(1919-2004):
カタルーニャ民謡による変奏曲 Op.25/11-14.カステルヌォーヴォ=テデスコ
(1895-1968):ソナタ「ボッケリーニを讃えて」 Op.77
アンドラーシュ・チャーキ(ギター)
ブダペストのリスト音楽アカデミーを2007年に卒業し、現在は助教授として後
進の指導を精力的に行っている若きギタリスト、アンドラーシュ・チャーキの
デビュー盤です。彼は各地で開催される数多くのコンクールで賞を獲得しまし
たが、何よりも第51回東京国際ギターコンクールで優勝したことで、既に日本
のファンの間ではおなじみ。このアルバムに楽しみにしていた人も多いのでは
ないでしょうか?ここでは、彼が得意とするバッハを始め、難曲として知られ
るブリテンの作品や、カステルヌォーヴォ=テデスコの作品とデュアートの作
品を演奏、また新たな魅力を振りまいています。彼の持つ確固たる音楽性は、
輝かしい将来を期待させてくれるでしょう。

8.559634
ロックバーグ:ピアノ作品集第4集
1-5.カーニバルの音楽(ファンファーレと行進曲/ブルース/ラルゴ・ドロロー
ソ/スフマート/トッカータ-ラグ)/6-9.4つの短いソナタ/10.創作主題による
変奏曲
サリー・ピンカス(ピアノ)
ロックバーグ(1918-2005)のピアノ作品集第4集です。第3集にもかなりメロディ
アスな作品が含まれていましたが、こちらはもっと大衆的(?)な肌触りが感じ
られることでしょう。「カーニバルの音楽」は、冒頭こそ現代的な響きですが、
それを縫って聞こえてくるのは何とも楽しい音楽。ジャズ、ラグ、そしてブラ
ームスやバッハの引用など、色とりどりです。「4つの短いソナタ」は強烈な
音のぶつかり合いが楽しめますが、音楽の構造はスカルラッティに由来します。
そして「変奏曲」はまるで19世紀の音楽。ロックバーグは基本的にロマンティ
ストだったに違いありません。

8.570745
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集第12集
1.ソナタ変ホ長調 K.193/L.142/P.254/2.ソナタイ長調 K.368/L.S.30/P.506
/3.ソナタ二長調 K.335/L.S.10/P.339/4.ソナタヘ短調 K.387/L.175/P.415
/5.ソナタヘ長調 K.151/L.330/P.238/6.ソナタト長調 K.547/L.S.28/P.551
/7.ソナタイ長調 K.323/L.95/P.411/8.ソナタハ長調 K.309/L.454/P.333/
9.ソナタヘ短調 K.185/L.173/P.121/10.ソナタヘ短調 K.186/L.72/P.46/
11.ソナタホ長調 K.163/L.63/P.206/12.ソナタト長調 K.425/L.333/P.426/
13.ソナタト短調 K.426/L.128/P.128/14.ソナタト短調 K.93/L.336/P.38/
15.ソナタハ長調 K.330/L.55/P.222/16.ソナタへ長調 K.257/L.169/P.138/
17.ソナタホ長調 K.381/L.225/P.327/18.ソナタハ長調 K.241/L.1802/P.431
/19.ソナタヘ長調 K.469/L.431/P.514
ゲルダ・シュトゥルーハル(ピアノ)
生涯に555曲の鍵盤用ソナタを書いたドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。
このアルバムは NAXOSにおける第12集の録音となります。このシリーズは今ま
で全て別の演奏家を起用しているのが特長で、ここではウィーン生まれの若手
ピアニスト、ゲルダ・シュトルーハルが切れ味鋭い演奏を聴かせます。彼女は
ユトレヒトで初期の音楽教育を受け、パフォーミング・アーツ・ウィーン
(UMPAV)で更に研鑽を積んだ人。古典派から現代音楽まで幅広いレパートリー
を持つという才媛です。

8.570756
モンサルバーチェ:ピアノ作品集第2集
1.ホアキン・トゥリーナの思い出によるアレゴリア(1982)/2-4.左手のための
3つの小品 (モンポウの場合/オスカー・エスプラの思い出のための子守歌/ル
ービンシュタインのためのページ)/5-11.ノアの方舟(羊/おんどり/象/ノミ/
猫/カンガルー /ワルツ)/12.シューベルティアーナ/13.秋の牧歌/14.ミロ
ンガ/15.ヘネラリフェでの即興曲/16-20.5つの自由な鳥の歌 (すずめ/ナイ
チンゲール/クロウタドリ/フィード/カッコウ)/21.子守歌/22.オーリンクス
の朝の歌/23.即興の要約/24-26.アルバイシン協奏曲
演奏:ホルディ・マソ(ピアノ)/グラノジェルス室内管弦楽団…24-26/フラン
シスコ・ギジェン(指揮)…24-26
20世紀の最も重要な作曲家の一人、モンサルバーチェ(1912-2002)のピアノ作
品集第2集です。第1集(8.570744)が彼の初期の作品を収録していたのに対し、
こちらは後期の25年間の作品を集めたもの。極めて興味深い曲が並んでいます。
左手のための作品や技術的には比較的容易なのに、実は凄く表現が難しい「ノ
アの方舟」、などこの作曲家の自由な感性を存分に楽しむことが可能です。
「5つの自由な鳥の歌」は最初「かごに入れられた 5羽の鳥」というタイトル
が付けられていたとのことですが、作曲家自身が変更したのだとか。フランス
の先人メシアンの影響も強く感じられる作品です。

8.572160
ベートーヴェン:ピアノ変奏曲集
1.創作主題による 15の変奏曲とフーガ「エロイカ変奏曲」 Op.35/2.ハイベ
ルのバレエ「妨げられた結婚」の「ヴィガノのメヌエット」の主題による12の
変奏曲 WoO68/3.ウラニツキーのバレエ「森の娘」からロシア舞曲による12の
変奏曲 WoO71/4.サリエリの歌劇「ファルスタッフ」の二重唱「まさにその通
り」の主題による10の変奏曲 WoO73/5.ジュースマイアーの歌劇「スレイマン
2世、または3人のサルタン妃」による8つの変奏曲 WoO76/6.創作主題による
6つの変奏曲ニ長調 Op.76
ユ・ヨンユク(ピアノ)
一つの主題を「これでもか」とばかりに変化、発展させ素晴らしい音楽を構築
するのが「変奏曲」です。この分野が得意な作曲家って何となく凝り性で粘着
系のイメージがありませんか?その最たる人が言わずと知れたベートーヴェン
(1770-1827)(バッハやブラームスもそうですね)。彼の変奏曲はあまりにも見
事で非のつけどころすらありません。このアルバムの中で最も有名な曲は第1曲
目のものでしょう。このテーマは交響曲第3番「英雄」の終楽章として知られ
ていますが、もともとはバレエ音楽「プロメテウスの創造物」からのメロディ
です。あの勇壮なテーマが15の変奏曲となり耳を喜ばせてくれます。おまけに
深遠なフーガまで付いてくるという豪華さ。全6曲を楽しめば、満漢全席、も
しくはフレンチフルコースの食べ放題くらいのお腹一杯感を味わえます。2007
年、ボンのベートーヴェン・コンクールで1位を獲得した韓国のピアニストに
よる極上の演奏です。

8.572198
ガブリエリ:鍵盤音楽作品集
1.第1旋法のプラエアンブラ/2.第1旋法のリチェルカーレ(第2集)/3.クレキ
ヨン:「はかない喜びのために」によるリチェルカーレ(第5集)/4.第1旋法の
トッカータ/ 5.パッサ・メッツォ・アンティコによるカプリッチョ(第3集)/
6.ラッスス:「ある日シュザンヌが」によるカンツォーナ(第5集)/7.「クイ・
ラ・ディーラ」によるカンツォーナ(第6集)/8.第9旋法のトッカータ(第1集)
/9.第1旋法のリチェルカーレ(第3集)/10.第4旋法のプラエアンブラ/11.
第4旋法のリチェルカーレ(第2集)/12.クレキヨン:「フレイスとガイヤルド」
によるカンツォーナ(第5集)/13.フェラボスコ:「私は若い娘」によるマドリ
ガーレ(第3集)/14.第10旋法のトッカータ(「トランシルヴァニア人」から)/
15.第1旋法のリチェルカーレ(第2集)/16.リチェルカーレ・アリオーソ(第5集)
/17.第3旋法のリチェルカーレ(第2集)/18.カンツォン・アリオーサ(第3集)
/19.ローレ:「別れの時には」によるマドリガル(第3集)
演奏:グレン・ウィルソン(チェンバロ)…1.2.4.5.7.8.10.11.13.14.15.17.19,
(スピネット)…3.6.9.12.16.18
イタリアのルネサンス期において、最も影響力があったとされるジョヴァンニ
・ガブリエリ(1532/33-1585)。彼の叔父にあたるのが、このアンドレア・ガブ
リエリです。彼の若い頃については、ほとんど知られていませんが、聖マルコ
大寺院のオルガニストの座を争って敗れ、1557年にヴェネツィア共和国カンナ
レジオ地区のオルガニストになったことはわかっています。イタリアの鍵盤音
楽の発展に大きく寄与し、フーガ、リチェルカーレ、トッカータなどに優れた
作品を残しています。合唱音楽を始め、多くの作品を残しましたが、自作の出
版に対してはかなり慎重で、彼の作品が世に出回るようになったのは死後のこ
とでした。華やかな中に落ち着きのある優雅な曲集です。

8.572124
ハイドン:ミサ曲第4集
ミサ曲第8番ハ長調「ミサ・チェレンシス」(マリアツェル・ミサ)Hob.XXII:8
アン・ホイット(ソプラノ)/キルステン・ゾレク =アヴェラ(アルト)/ダニエ
ル・ニール(テノール)/リチャード・リポルド(バス)/ニューヨーク・トリニ
ティ教会合唱団/ルベル・バロック管弦楽団
オーウェン・バーディック(指揮)
マリアツェル修道院のために書かれたミサ曲「ミサ・チェレンシス」は1782年
に作曲されましたが、この当時ハイドン(1732-1809)はほとんどミサ曲を書く
ことがありませんでした。この曲より以前に書かれたのは1775年頃の小オルガ
ン・ミサですし、この曲の次に書かれたのは1796年の「戦時のミサ」です。そ
のどちらも宮廷のために書かれたのではないところも面白いところです。曲は
輝かしく大規模で、楽器の使い方などにも独自性があり、ハイドンの校訂者と
して名高いランドンはこの曲をとても高く評価しています。もう1曲の「戦時
のミサ」はオーストリアがナポレオンの脅威にさらされていた1796年に作曲さ
れたもので、ティンパニの使い方が特徴的な名曲です。

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