クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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10-04 No.4-1

2010年04月04日 13時21分04秒 | Weblog
<NAXOS> 各1枚 \1000
8.572296
ドビュッシー:管弦楽作品集第3集
1-5.管弦楽のための映像
6.ピアノのために-第2番「サラバンド」
7.ダンス(スティリー風タランテッラ)
(M.ラヴェルによる管弦楽編曲版)
8.スコットランド行進曲(管弦楽編曲版)
9.レントよりも遅く
演奏:フランス国立リヨン管弦楽団
準・メルクル(指揮)
準・メルクルとリヨン管弦楽団によるドビュッシー(1862-1918)の第3集です。
第1集(8.570759)と第2集(8.570993)も大絶賛。今回も色彩感と和声をとこと
ん追求した美しい演奏です。第3集に収録されている「管弦楽のための映像」
はドビュッシーが心身ともに疲れていたスランプの時期の作品。もともと2台
ピアノと管弦楽のために書かれていて、曲順も違っていました。曲が完成す
るまでに6年半を要し、最終的に現在の形に落ち着いたという苦心作です。
とは言え、イギリス、フランス、スペイン民謡から素材を取ったわかりやす
いメロディと、印象派特有の神秘的な響きが交錯、そして脈打つリズムは多
分に南国的要素も備えています。特に「イベリア」は単独でも演奏されるほ
どの人気曲です。

8.572135
ルーセル:交響曲第4番他
交響曲第4番イ長調 Op.53
交響詩「フランドル狂詩曲」 Op.56
小組曲 Op.39(オーバード/パストラール/仮面舞踏会)
小管弦楽のためのコンセール Op.34
シンフォニエッタ Op.52
演奏:ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
ステファン・ドヌーヴ(指揮)
フランスの作曲家ルーセル(1869-1937)は海軍での活躍も有名です。1889年と
1890年にフリゲート艦イフジェニー号でインドシナ近海を航海したことは、
後の作曲家人生に大きな発展をもたらしたことは間違いありません。この
第4番の交響曲は1934年に作曲され、1935年にアルベール・ヴォルフ指揮コ
ンセール・パドルーによりパリにて初演されました。リズミカルで明瞭な形
式を持っていた第3番の作風を継承し、さらにより多くの楽想を加えた厳粛な
美が感じられる音楽です。第1楽章の冒頭の柔らかな弦のメロディと活発なテ
ーマの対比、そして第2楽章の多彩な木管楽器の使い方はルーセルの音楽の特
徴とも言えるものでしょう。「フランドル狂詩曲」は1936年に作曲され、そ
の年の 12月12日にエーリッヒ・クライバーに初演されています。ルーセルの
フランドルの祖先への敬意が表された作品で16世紀から17世紀に採取された
5つのベルギー民謡をもとにした快活な音楽です。

8.572170
アミーロフ:管弦楽作品集
交響的ムガーム「シュール」(1948)
アゼルバイジャン・ムガーム(1948)
グリスタンのバヤティ・シラーズ(1971)
アゼルバイジャン・カプリッチョ(1961)
演奏:ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
アゼルバイジャンの作曲家、アミーロフ(1922-1984)の作品集です。父親は有
名な「ハナンデ」(ムガーム歌手)で、タールの作曲家・演奏家であり、彼も
幼少の時から民謡を聴いて育ち、成長してからは民俗音楽の研究家としても
名を成しました。多くの作品を残し、中でもここに収録されている「シュー
ル」は彼の特質をよく表した作品として知られています。即興的で豊富なメ
ロディは、まるで目の前でカラフルな踊りと歌が展開されているかのように、
生き生きとしていて、聴く者に底知れぬ力を与えてくれます。とりわけ1973
年にモスクワで行われた演奏会では、彼の第3交響曲と、「グリスタン」が
演奏され、聴衆から大喝采を浴びたといいます。アゼルバイジャン特有の言
語と、クラシック音楽の語法が巧みに融合された音楽は、満場の聴衆を興奮
させたことでしょう。

8.578143-44 2枚組
早朝に
CD1:
1.シベリウス (1865-1957):フィンランディア Op.26/2.マデトーヤ(1887-
1947):交響的組曲より「弦楽のためのエレジー」/ 3.O.メリカント(1868-
1924):ロマンス Op.12/4.O.メリカント:ゆるやかなワルツ Op.33/5.シベ
リウス:悲しきワルツ Op.44-1/6.アールトイラ(1905-1992):アクセリとエリ
ナのウェディング・ワルツ(映画「北極星の下で」より/7.カスキ(1885-
1957):前奏曲変ト長調 Op.7/8-12.ラウタヴァーラ(1928-):組曲「村の音楽
師」Op.1/13.クーラ (1883-1918):結婚行進曲 Op.3-2/14.メラルティン
(1875-1937):祝典行進曲 (「眠れる森の美女」Op.22より)/15.シベリウス:
トゥオネラの白鳥 Op.22-2/16.ヤルネフェルト(1869-1958):管弦楽のための
前奏曲/17.ヤルネフェルト:子守歌/18.シベリウス:アンダンテ・フェスティ
ーヴォ/19.クーシスト(1905-1988):フィンランドの祈る人
CD2:
1.ルオラヤン=ミッコラ(1911-2005):結婚式の踊り/2.ソールストレム(1870
-1934):エレジー/3.O.メリカント:民謡/ 4.カスキ:トロルの円舞/5.シベ
リウス:鶴のいる風景 Op.44-2/6.クーラ:羊たちのポルカ/7.ユルハ(1910-
1984):コンスタのよりよいワルツ/8.フィンランド民謡:早朝に/9.シベリウ
ス:わが心の歌 Op.18-6/10.パチウス(1809-1891):フィンランドの歌/11.
フィンランド民謡:オルファンの嘆き/12.メラルティン:蝶々のワルツ
Op.22-17/13.O.メリカント:夏の夜の牧歌 Op.16-2/14.シベリウス:即興曲
/15.クーラ:オストロボスニアの民謡/16.メラルティン:子守歌/17.パルム
グレン(1878-1951):幻惑 Op.1-2/18.シベリウス:クリスチャン2世よりエレ
ジー
演奏:
CD1:トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団/ヨルマ・パヌラ(指揮)/CD2:カ
メラータ・フィンランディア/ヨルマ・パヌラ(指揮)…5.14.15.17.18-管弦
楽版編曲
フィンランドと聞いて何を思い出しますか?きんきんに冷えた空気、朝もや
がたちこめる湖、白夜、フィヨルド、トロール、屹立する針葉樹の合間をぬ
って駆け抜ける少女、オーロラたなびく星空・・・そんな静かで雄大な世界
をこの2枚組に閉じ込めました。知られざる作曲家たちの、宝石のような小品
です。朝のすがすがしいひと時に聴くもよし、夜のしじまに流すもよし、も
ちろん仕事をしながら、食事をしながらのBGMにも最適です。

8.572190
クレツキ:
ピアノ協奏曲ニ短調 Op.22(1930)(J.ノリス,Jrによるオーケストラ補筆版)
3つの前奏曲 Op.4(1923)
3つの出版されなかったピアノ小品
幻想曲ハ短調 Op.9(1924)
演奏 :ジョセフ・バノウェツ(ピアノ)/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
トーマス・ザンデルリンク(指揮)
フルトヴェングラーには「息子のように」扱われて、作曲家と指揮者として
はトスカニーニに称賛された才能ある音楽家、パウル・クレツキ(1900-1973)
の作曲家としての真価を問う1枚です。ここに収録された作品は、全てピアニ
ストに技術的限界を突き付けるような困難さを有しています。冒険的で即興
的、時として調性をも逸脱せんばかりの創造性は、20世紀の最も素晴らしい
ピアノ協奏曲の一つとして数えられることでしょう。本来は正式なスコアと
しててBreitkopf社から出版されるはずでしたが、出版されることなく破棄さ
れてしまいました。この録音は、もともと2台ピアノ版として出版されたもの
に新たなオーケストレーションを施し、華やかな協奏曲として再構築したも
のが演奏されています。他にも個性的なピアノ・ソロ作品が聴ける興味深い
アルバムです。

8.572400
ボリス・チャイコフスキー:
1-4.室内オーケストラのための4つの前奏曲/ 5-14.組曲「ぶた飼いの王子
さま」(イントロダクション/庭で/メヌエット/バラの花/ナイチンゲール/鈴
の音/魔法のやかん/ワルツ/ポルカ/ラチェット)15-24.組曲「アンデルセン
のおとぎ話」(バラの木/掛け時計/兵士の航海/織り手/かがり針の旅行/踊る
針/ファンファーレ/皇帝行進曲/小さな踊り子/おもちゃの舞踏会)25-43.組曲
「幸福の長靴」
演奏 :ルースカヤ音楽院チェンバー・クワイア・ソロイスツ
/ムジカ・ヴィーヴァ室内管弦楽団
キリル・エルショフ(指揮)
ボリス・アレクサンドロヴィッチ・チャイコフスキー(1925-1996)は、ロシア
の作曲家ですが、あのピョートル・イリイチ・チャイコフスキーとの親戚関
係はありません。彼はロストロポーヴィチとも親しい交友関係があり、多く
のチェロ用作品をロストロポーヴィチに献呈しています。またロシアでは今
でも人気のある作曲家で、このNAXOSからも交響曲(8.557727)とピアノ作品集
(8.570195)がリリースされています。彼は1954年から1958年の間に、アンデ
ルセンの話に基づいた5つのラジオ・ドラマ用付随音楽を作曲しました。しか
し、このスコアは作曲家が急死した7年後に失われてしまい、それは2003年ま
で発見されることがありませんでした。ここではその中から3組を取り上げ、
もう一度音として蘇らせています。管弦楽作品ではかなり晦渋な作風を見せ
る人ですが、このおとぎ話のための音楽はとてもわかりやすいもので、とり
わけ今回の演奏では歌の部分を全て削除して音楽のみを再現、この無垢な世
界を再現することに成功しました。

8.572208
イギリスのヴィオラ・ソナタ集
ジェイコブ(1895-1984):ヴィオラ・ソナタ
アイアランド(1879-1962):
チェロ・ソナタ(L.ターティスによるヴィオラとピアノ編)
アーノルド(1921-2006):ヴィオラ・ソナタ Op.17
ディーリアス(1862-1934):
チェロ・ソナタ(M.アウトラムによるヴィオラとピアノ編)
バークリー(1903-1989):ヴィオラ・ソナタ Op.22
演奏:マーティン・アウトラム(ヴィオラ)
ジュリアン・ロルトン(ピアノ)
このアルバムには、20世紀イギリスのヴィオラ・ソナタが5曲収録されていま
す。その内の2曲はチェロ・ソナタからの編曲ですが、これもまた味わい深い
ものです。90年近くの長き生涯を生き抜いたジェイコブのソナタは、1978年
に作曲されています。活動的な第1楽章と諧謔的な第2楽章を経て、現れる第3
楽章の何と美しい事。現代では失われてしまった「平穏な世界」へのオマー
ジュとも言える音楽です。宗教と自然に触発されたアイアランドのソナタ、
映画音楽の分野でもおなじみのアーノルドの移り気なソナタ、単一楽章で書
かれ、恐ろしいまでの完成度を見せるディーリアスのソナタ、ナディア・ブ
ーランジェから強く影響を受けたバークリーのソナタと、各々多彩な表情を
見せてくれます。

8.557529
シェーンベルク:
弦楽三重奏曲 Op.45
混声合唱のための4つの小品 Op.27(逃れ去らずに/あなたは望まぬ/月と人間
/恋する者の願い/3つの諷刺 Op.28)
別れ道で/11.多芸多才/12.新古典主義
七重奏のための組曲 Op.29
映画の一場面への伴奏音楽 Op.34
演奏:ロルフ・シュルテ(ヴァイオリン)…1-5/リチャード・オニール(ヴィオ
ラ)…1-5/フレッド・シェリー(チェロ)…1-5/サイモン・ジョリー合唱団
…6-12/ロンドン・シンフォニエッタのメンバー…6-12/チャールズ・ナイ
ディック(クラリネット)…13-16/アラン・R・ケイ(クラリネット)…13-16
/マイケル・ローウェンスターン(バス・クラリネット)…13-16/ロルフ・
シュルテ(ヴァイオリン)…13-16/トビー・アペル(ヴィオラ)…13-16/フレッ
ド・シェリー(チェロ)…13-16/クリストファー・オールドファーザー(ピア
ノ)…13-16/ロンドン交響楽団…17/ロバート・クラフト(指揮)…6-12.17
NAXOSの人気シリーズである、ロバート・クラフトのシェーンベルク(1874-
1951)作品集です。今回は合唱作品を中心に室内楽曲を含む興味深いアルバム
となっています。弦楽三重奏曲は、アメリカに亡命した後の1946年に、ハー
バード大学から作品の委嘱を受け作曲されたもの。作曲の動機は彼の持病で
ある喘息の発作を起こした時のエピソードが基になっていて、十二音で書かれ
ていながらも、時としてユーモラスな場面も持ち合わせています。2つの合唱
作品はモーゼとアロンの無機質な世界に共通する素晴らしい音楽。7つの楽器
による「組曲」も緊張感溢れる豊かな作品です。

8.570333
ワインベルク:チェロ・ソナタ集
チェロ・ソナタ第1番 Op.21
チェロ・ソナタ第2番 Op.63
無伴奏チェロ・ソナタ第1番 Op.72
無伴奏チェロ・ソナタ第3番 Op.106
演奏:ドミトリ・ヤブロンスキー(チェロ)
リュウ・シン=ニ(ピアノ)
ワルシャワのユダヤ人家庭に生まれたワインベルク(1919-1996)は、最初ワル
シャワ音楽院で学びますが、1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻のた
めにソヴィエト連邦へ亡命することとなります。ミンスクからタシュケント、
そして最後はモスクワに定住し、亡くなる直前にロシア正教会に改宗しまし
た。彼のチェロ・ソナタ(第2番はロストロポーヴィチのために作曲された)は、
チェロの表現能力の限界までを使用しており、憂鬱さと抒情性、そして激し
さを兼ね備えたもので、しばしばショスタコーヴィチの作品と比較されます。
また無伴奏ソナタの第1番と第3番もやはりロストロポーヴィチに捧げられて
います。第1番は比較的コンパクトな作品ですが、第3番は規模、楽想ともに
大きく、これは確かにJ.S.バッハの作品に比肩するものと言えるでしょう。

8.570605
馬思聡(マー・スツォン):
ヴァイオリンとピアノのための音楽集第2集
1.春の踊り(1953)/2.ロンド第2番(1950)/3.メロディ(1952)/4.秋の収穫祭
の踊り(1944)/5-6.ヴァイオリン・ソナタ第3番(1984)/7-12.高山組曲(1973)
(祭祀/飲酒/蘆萩/戦いの舞/招魂/豊年の舞)/13.ロンド第3番(1983)/14.バ
ラード(1952)/15.ロンド第4番(1983)
演奏:顧小梅・・・シャオ=メイ・クー(ヴァイオリン)
魯寧・・・ニン・ルー(ピアノ)
第1集(8.570600)でその才能をまざまざと見せつけた中国の作曲家、馬思聡
(1912-1987)の作品集第2集です。このアルバムにも興味深い作品ばかりが収
録されています。1912年に広東省海豊県で生まれ、最初はフランスへ留学、
パリ音楽院で学びます。その後、文化大革命で迫害を受けアメリカに亡命し
ました。1983年に「ロンド第4番」を作曲した直後、彼は日記の中で「私はい
つ、この追放から解放されるのか誰もしりません」と胸が張り裂けんばかり
のコメントを残しています。ここで聴ける彼の作品も、フランス風な流麗で
移ろう和声と、中国音楽独特の五音階が入り混じっているものばかりで、そ
の独特な味わいは聴くほどに深みを増すものばかりです。

8.572277
アンデルセン:練習曲とサロン音楽集
1.チャルディ(1818-1877):「ロシアの謝肉祭」のためのカデンツァ/2-3.ダ
ンストレム(1812-1897):スウェーデン・ポルスカ歌曲集より Op.50(アンデル
セン編)/4-6.8つの講義の小品 Op.55より(第4番水車小屋 /第5番伝説 /第8番
タランテラ )/7-8.フルートのための 24の練習曲 Op.15より(第3番ト長調 /
第24番ニ短調 )/9.オペラ・トランスクリプション集 Op.14より第5番モー
ツァルト「ドン・ジョヴァンニ」/10.フルートのためのコンチェルトシュ
テュック第2番 Op.61(フルートとピアノ編)
演奏:カイル・ツァッポ(フルート)
A・マシュー・マッツォーニ(ピアノ)
「フルートのショパン」と異名をとるデンマーク生まれのヨアヒム・アンデ
ルセン(1847-1909)はフルートを吹く人ならば知らない人はいないと言っても
よいでしょう。様々な逸話の持ち主ですが、彼の残したフルートのためのエ
チュード Op.15は今でもフルートを学ぶ人にとっての宝物です。しかし、彼
の名前が忘れられてしまったのは、一重に作品が残っていないからなのかも
知れません。1847年に生まれた彼はオーボエ奏者の父親から音楽の手ほどき
を受け、13歳の時に公開演奏会を開き、22歳の時にデンマーク王立管弦楽団
のフルート奏者になりました。その後世界中で研鑽を積み、 1882年にビルゼ
がベルリン・フィルハーモニーを創立した時にはフルーティストの一人とし
て名前を連ねています(当時のベルリン・フィルのプログラムでも彼の名前が
ソリストとして挙げられています)。ここで聴ける様々の作品は、それぞれに
技巧をこらしつつも、耳当たりのよいものばかり。演奏しているツァッポは、
作曲家の伝記付き作品目録の著者で、ピオリア交響楽団の首席フルート奏者
です。

8.570949
オーストラリアのギター音楽集
1-2.エドワーズ(1943-):ブラックワトル・カプリース/3-6.ホートン(1954-):
石碑/7-10.スカルソープ(1929-):フロム・カカドゥ/ 11-13.エドサーズ:ギ
ター・ダンス(A. ウォルターによるギター編)/14.クーネ(1956-):素晴らし
い感情および壮大なデザインの閉じた世界/15-17.ディーン(1961-):ゴヤか
らの3つのカプリチョス/18.スカルソープ:夢の中へ(ギター編)/19.スカル
ソープ:ジリル(S.ウィングフィールドによるギター編)
演奏:アレクサンドル・チボルスキー(ギター)
ようやく最近になって、オーストラリアのクラシック・ギター界が世界的に
重要な存在になってきました。これには、名ギタリスト、ジョン・ウィリア
ムズ(1941年生まれ)が自国の作曲家に「ギターの曲を書いてほしい」と委嘱
したことが大きな要因でしょうか。また、同国の著名な弦楽器奏者、スモー
ルマンがギター制作に乗り出したことも特筆すべき事項でしょう。現在では、
彼の制作した楽器は世界中のギタリストの羨望の的となっています。そんな
オーストラリアのギター作品を演奏するのは、2006年の東京国際ギター・コ
ンクールで優勝、高い評価を受けたチボルスキー。彼の美しく透明で、リュ
ートにも似たギターの音はこれらの作品の本質と聴きどころを聴き手に確実
に届けています。

8.570956
モンポウ:ピアノ作品集第5集
1-14.ドン・ペリンプリン(モンサルヴァーチェとの共作)(1955)/15-26.バレ
エ(1946)/27.「月の光」によるグロッサ(1946)/28.ロマンス(1944)/29.モ
デラート・エスプレッシーヴォ(1946)/30.「月の光」による幻想曲(1946)/
31.ヴァイオリンとピアノによる「標高」/32.チェロとピアノによる「橋」
/33-35.4手による「3つの子守歌」※全て世界初録音
演奏:ホルディ・マソ(ピアノ)
マルク・オリウ(ヴァイオリン)…31/ホアン=アントニ・ピッチ(チェロ)…32
/マリザ・ルイス・マガルディ(ピアノ)…33-35
このアルバムは、パリに20年近く滞在したモンポウ(1893-1987)が、バルセロ
ナへ帰国した後の1944年から1955年の間に書かれたピアノ曲を収録していま
す。これらは出版されなかった作品で、このマソの演奏が世界初録音となり
ます。バレエ音楽「ドン・ペリンプリン」のピアノ版は2007年に公表された
もので、12曲からなる短い小品からなっています。ロルカの戯曲「庭のドン
とベリーサの恋」を下敷きにしたこのバレエは、舞台美術家シャヴィエル・
コルの発案で、マーキス・デ・クエヴァスのバレエ団によって依頼されたも
のです。このバレエは 1956年5月8日にリセウ劇場で初演されました。しか
し、実のところモンポウは、初演までにオーケストレーションを間に合わせ
ることが出来ず、友人であるモンサルバーチェに助けを求める他ありません
でした。モンサルヴァーチェはオーケストレーションを施した上で、2曲の
ダンスを追加し、初演に間に合わせることができたのです。時としてプーラ
ンクやワーグナーを思わせるロマンティックな個所もありますが、やはりモ
ンポウらしい音楽で、スペイン風でエキゾチックな味わいです。

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