マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

立て飢えたるものよ

2012-01-10 18:51:01 | Weblog

NGKの南側、道具屋筋界隈が注目のエリアである。

友だちから、この近くに後輩が開店したから行ってみて…と言われてから、
あれよあれよという間に有名になって行った、立ち飲み屋「丑寅」。

立つことを少しも厭わない人間なので、美味いものを出す立ち飲みに行くと、
居酒屋でわざわざ座るだけの理由が見つけられない。
だいたい日本人はすぐに座りたがっていけねぇ。



マカロニサラダ 250円


あまから手帖1月号で、ポテサラに関しておっさん方と討論会をしたが、
ポテサラ好きはマカロニサラダ好きでもある。
単にマヨネーズ好きというだけではないか、という疑念もあるが。
北新地の料亭主人は、マカロニを茹でる際、固形でもいいからブイヨンで茹でると
美味いとのこと。



牡蠣しょうゆ焼き 350円 


酒場で思い出したことを・・・

ボクはBS-TBSで「酒場放浪記」というのをやってる吉田類って方が苦手だ。
気分良く常連たちが飲んでいる酒場に勝手に入って来て、気やすく話しかける。
主人にはずけずけと人気の料理を聞いたりする。 しばらく黙って見ていれば解る。

酒場では黒ずくめの異質な人間に、突然、話しかけてなど欲しくない。
この前、たまたま点いていて見たが、まだ無反省に治っていない様子。
というか、一層悪化の一途をたどっている。

勝手に入ってきた店で、常連たちに乾杯を強要していた。空気をよまないにもほどがあろう。
全員の支払いを持ってくれるのなら、ニコニコ乾杯に応じようが、そんなことはあるまい。

太田和彦(両者呼び捨てご容赦)の静かに、自分の食べたいものは自分で決めるという姿勢が
懐かしくもうるわしい。大人の酒徒ならばしごく当たり前の話である。
新参者は空気を乱してはならない。 
常日頃、お店にたくさんお金を落としている先輩方に気遣いを。
それぐらいのマナーあってもよろしかろう。 
こんな酒場のルール解っていないで、酒場通みたいな顔されちゃあ、旦那ぁ、いけませんや。



まぐろのづけ  350円

とりたてて常連にもならない。 だから引き止められたりするのもかなわない。
いつ飲み始めて、いつ帰ってもいい。 濃密ではない代わりに風通しがいい。
但し、安く飲ませてもらってるんだから、詰め合わせるなど、店への協力は惜しまない。

ああ、ぐちぐちと愚痴を言ってしまったぁ。


せせり塩焼き 350円


立ち飲みで何時間も立ってるのがいるが、あれも愚の骨頂。
ダラダラと飲んでたら、他の客に話しかけたりせねば間が持たない。
さっと来て、さっと切り上げるのが粋というものだろう。



丑寅とは、北東の鬼門かぁ。 
京都の丑寅の方角に叡山があり、鬼門ゆえ、最澄は延暦寺を建て、鎮護国家の礎とした。

もう一軒、お気に入りのスタンディングへ。
アタシにとっちゃ、一軒で帰れないのが鬼門だな・・・

難波千日前にある、立ち飲み「ぶんちゃっ」。
屋号がふるってるね。ご主人もミュージシャン。



根菜の筑前煮 だったかな

ミュージシャンなんて不健康なもんだけど、ここはおでんとベジタブルの店。
裏に住んでるチーコが仕事終わりにへとへとで、「マスター、おでんあるう?」と、
すっぴんで訪ねてきたのに居合わせたことがある。
なんかのんびりさせてくれる立ち飲み。これはマスター夫婦のなせる技。



むかごの塩茹で


椅子もあるけど、やっぱりあたしゃ立つのが好き。




鶴橋であの名物を

2012-01-08 01:55:48 | Weblog

いま、日本で一番食べられている漬物はキムチである。
ボクらが子供の頃までは朝鮮漬といって、まだマイノリティな食べ物だった。
ひっくり返ったのは、おそらく88年(パルパル)のソウル五輪ぐらいからだろう。
キムチ鍋当たり前、お好み焼きなどにも当たり前に入る。
ラーメン屋にはキムチがないと、間が持てないようなところもある。
中華でキムチ、ミスマッチには違いないんだろうけど。





だが、まだまだ日本人には熟成の進んだキムチはなじみが薄い。
酸っぱいキムチを炒め物に使ったり、キムチの汁を料理に流用したりもする。
キムチを縦横無尽に使う知恵はまだまだ追いつかない。


さて、鶴橋。 
鶴橋を歩いていて、渇望するのは美味いコーヒーである。
路地に漂うキムチの香り、いりこや雑節の香りから脱して、ほっと一息と思うのだが、
適当な喫茶店が見つからない。あてずっぽうで入って失敗はしたくない。

ということで、マスコミが何度も取材しているあの店へ。
あれだけ使っておいて、実は初めて入った。





コーヒーは一杯ずつサイフォンで淹れる。
深煎りでなかなか香り高い。

そして有名すぎるほど有名、この店「ロックヴィラ」の看板メニューがこれ!

キムチサンド600円。

これが、今さらながら、めちゃくちゃ美味くて驚いた。



パンはこんがりと表面を焼いた、アメリカンクラブサンドイッチ風。
中にはキュウリ、玉子、ハム、そして、たっぷりのキムチ・・・!!

キムチから水分が浸み出したら台無しになる。
あらかじめギューギューに水気を搾ってあるのが解る。
パンと具との間はもちろんバターを塗って、ガードする。
キムチは地元豊田商店のものとチラリ聞いた。



少し酸味のあるキムチがなかなかいい仕事をする。違和感なし。
厚めのロースハム、食べ応えのある玉子(柔らかく焼いてある)、たっぷりのキュウリ。
どれを抜いてもバランスが崩れてしまいそうだ。

テイクアウトもあるにはあるが、これは是非ともこの場で、できたてにかぶりつくべし。
持ち帰ると、どうしてもパンが湿気を帯びて、形もしまらないことになることだろう。

考案したのは女性オーナーの岩村さん。
てっきり、キムチを無理やりひねったウケ狙いメニューだと思っていたが、
とんでもない、見事に完成しているメニューだった。

これ、他の店でも出して、鶴橋中に広がってもいいメニューだと思うのだが、
そうはならないところをみると、なかなか扱いが難しいのだろう。
ヘタに個性を出そうとすると、失敗しそうな予感がする。

千日前通りから11班通りを南へ向いて行くとスグ。
とにかく鶴橋は説明しにくいので、時間に余裕のある時に来て、何度も迷うがいい。
おっつけ、この戦後の市場の姿を残すエリアも大きく変わることになる。

 


あがり良ければすべてよし

2012-01-05 16:58:13 | Weblog

蕎麦のあがりに出てくる、そば湯。
蕎麦の有効成分であるルチンは水溶性なので、茹で汁に溶けだす。
そこで最後のそば湯までいただきましょうなんてことを言うのですが、よくは解りません。
ただ、端正込めて作ったつゆを残されては、職人だって悔しかろう。
そば湯でもって希釈してすっくりあがってもらいたいだろう。

これがね、単に茹で釜の茹で汁を汲んで出すのなら簡単だが、そういうもんでもない。
ここでズッコケたらすべて台無しになるので、各店、ここまで神経を使っている。




谷九「十割そば 喜らく」

師匠筋である奈良の「玄」のごとき、濃厚なそば湯。

ただの茹で汁ではこうはいかず、蕎麦粉を別に加えてドロリとした口当たりにする。
こうしたポタージュ系がちょっとした流行り。




新福島 「十割蕎麦 無文」

福島の隠れ家そば。
ここはボコボコ泡立つ、熱々のそば湯が出てくる。

冷たいつゆに冷たい蕎麦をつけて食べるものだから、仕上げは熱いもので、
お腹をほっこりさせてもらいたい。ぬるいそば湯では物足りない。




靭公園 「蕎麦切り masa」

元北新地のそば紀行、カハラを経て、シドニーのTetsuyaにもいた主人。
ドロリとしたポタージュタイプ。

つゆに加えると、こんな感じに。





酒飲みならば、これで二合ぐらいはいける。



谷六 「そば切り 蔦屋」

棒でくるりとかき混ぜて。




堺・津久野 「いんなーと みやびの」

すきっとした新しい店に、器もモダン。

食後感もすきっ。




西天満 「なにわ翁」

何種類ものそば湯を使い分けると聞いた。
翁系の店はポタージュのようなそば湯を好まず、
白湯に近いそば湯で残ったつゆを割り、こざっぱりした食後感を選択する。

福島第2原発の影響は、蕎麦の産地にも多大な影を落としている。
苦悩の蕎麦生産者たちに今年、いくらかでもいいことがありますように。


頌春2012

2012-01-05 15:06:43 | Weblog

どうもこの、去年はとんでもない大震災に始まり、個人的にもたいして面白くもない年で
ありましたが、今年は少しはよくなるんぢゃないでしょうか。

心の持ちようでどうにでも変わるってぇもんですから。
よくして行きたいでさね。


 

好きなこと、自分にとって大事なことは、しっかと掴んで離さないこと。

ブレずにいきてぇもんですねー。